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DENON

DENON Premium Sound

デノン プロダクトレビュー

投入された技術の数々はデノンのAVアンプ史上空前の内容

AVC-A1HD

AVC-A1HD

¥598,500(税込)

レポート/林正儀

投入された技術の数々はデノンのAVアンプ史上空前の内容


壮大な規模をもつセパレート型AVセンター「AVP-A1HD」「POA-A1HD」はロマンをそそる存在だ。その魅力を一体型として集約させたのが本機「AVC-A1HD」だ。本機はHDオーディオに完全対応したフラグシップ。新世代のHD対応高音質サラウンド回路“DDSC-HD”を核としながら、HDMI Ver.1.3a対応の入力端子を6系統、出力端子を2系統装備する。定格出力150W×7chのTHXウルトラ2準拠というのがおもだったスペックだが、そこに投入された技術の数々はデノンのAVアンプ史上空前の内容といって良い。

32bitDSP3基による精密かつハイスピードなデコーディング処理動作に、クロックの純度を高めるこだわりのマスタークロックデザイン。デジタルオーディオデバイスは192kHz/24ビットのDACや、アナログ音声ソースに対しては同一精度のA/Dコンバーターなどを奢るという徹底ぶりだ。デノンの一貫した思想である「全チャンネル同一レスポンス、同一クオリティ」をめざしたブロック別のディスクリートデバイスの採用や、最短の結線技術。さらにピュアオーディオ“SAシリーズ”譲りのチューニングが盛り込まされている。“Advanced AL24”を全チャンネルに積んだこともそのひとつだ。映像系では1080pスケーラーまでこなすREALTAの搭載が見逃せない。

始めにピュアダイレクトモードでCDを試聴。これはS/Nの深さと凛々しいほどの高純度感が、1ランクも2ランクも違う。大出力アンプにありがちな、強引にひきまわすところは一切なく、まったくの自然体。耳をそば立てるような微小音からピーク音量まで、一直線にのびきっている印象である。スムーズなことこの上なしといえるリニアリティの高さに加え、f帯域も広大。SACDあるいはHDオーディオソースなど何を聴いても、空間のキャンバスにたっぷり余裕がある感じだ。緻密かつ立体感豊かな音場情報に満たされた。『レジェンド・オブ・ジャズ』は女性ボーカルの生声をそばで聞くようにリアルさがあり、エレクリックベースの立ち上がりも強靱だ。ライブの熱気や空気のゆらぎさえも体感できる。

『スパイダーマン3』は一段とキレ味が鋭く方向感が鮮明。サブウーファ領域もすごい。空間活劇のはらはらドキドキのダイナミック感を堪能させた。『未知との遭遇』はDTS-HDマスターオーディオらしい、ぶ厚く密度たっぷりな表現である。マザーシップ降臨のシーンは、頭上に重力波を感じるようなSEがひときわ印象的だ。

ハイビジョン映像を通しても劣化がなく、2系統の出力をもつHDMI端子は、プロジェクターとそれをモニターするテレビとの同時出力が可能。スケーラー性能も優秀だ。フラグシップモデルを所有する喜びを、120%実感させる意欲作である。
AVC-A1HD 本機の背面端子部。HDMI Ver.1.3a対応の入力端子を6系統、出力端子を2系統装備する
【SPEC】
【SPEC】●定格出力:150W×7ch(8Ω) ●実用最大出力:245W×7ch(6Ω) ●オーディオ入力:ステレオRCA×11、8ch外部入力×1、光デジタル×5、同軸デジタル×4、BNCデジタル×2、DENON LINK×1、USB×2 ●オーディオ出力:プリアウト16ch、レックアウト×3、光デジタル出力×4 ●映像入力:HDMI×6、BNC×1、D5×2、コンポーネント色差×3、ビデオ×8、Sビデオ×8 ●映像出力:HDMI×2、BNC×1、D5×1、コンポーネント色差×1、ビデオ×6、Sビデオ×5 ●その他端子:イーサーネット×1、ドックコントロール端子×1、RS232C×2、トリガー出力×4、ロッドアンテナ×1 ●外形寸法:434W×217H×500Dmm(アンテナ含まず) ●問い合わせ先:(株)デノン コンシューマーマーケティング TEL/044-670-6612
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