デノン プロダクトレビュー
ヨーロピアンサウンドを再現するブックシェルフの第2弾
スピーカーシステム
SC-CX303
¥126,000(税込)
レポート/石田善之
ヨーロピアンサウンドを再現するブックシェルフの第2弾
一足先に登場したSC-CX101の上級機として、ウーファーをひとまわりサイズアップしたコンパクト2ウェイ。特徴はエンクロージャーで、素材は板圧30mm、表面は天然木の突き板が使われ、コーナー部分には手の込んだ木象嵌を取り入れている。
101のウーファーはグラスファイバーだったが、303ではより剛性の高いカーボンファイバーに変更され、かつ軽量化が図られている。裏側にもうひとつ振動系を持つダブルレイヤーとし、エッジの悪影響が及ばないような構造としている。トゥイーターは25mmのソフトドームでリアチャンバーを大きくし、これらのユニットはエンクロージャーとの間にダンピング材を介してフローティング状態で固定されている。リアにポートを持つバスレフタイプで、必要に応じてウレタンを挿入することで低域をコントロールできる。クロスオーバーは3kHz、低域も高域も独立したネットワークを持ち、バイワイアリング対応であり、ジャンパーにはOFCの付属のスピーカーケーブルと同じ素材が使われている。
今回は同社の新しいコンポーネントとなるDCD-CX3とPMA-CX3を組み合わせて試聴した。実際の音のクオリティだが、少なくともこれまでのデノン製品を含めて同価格帯のコンポにヒケを取るものではなく、先進性とそれを支える新技術を味わうことができる。十分に厚みのある中低域から低域にかけての豊かさや、音楽全体のスムーズさ、のびやかさなど、広いステレオ空間を感じさせる。音楽を身近に感じさせると同時に音質の高さで聴き手を納得させそうである。
分厚いエンクロージャーが使われ重量は8.7kg、しっかりとしたスタンドで支えたい。本機には3mのOFC材スピーカーケーブルが2本を付属していて一般的には十分な性能、かつバナナプラグ4個付き。音は実に明解で、特に低域は豊かな量感を持ちながら、決してボンつくようなことのない重厚感、厚み感がある。ハイエンドはわずかに強められている傾向があるものの全体を明解にすっきりと聴かせている。
本機の背面端子部
【SPEC】
【SPEC】●形式:2ウェイ2スピーカー バスレフ型、防磁設計(JEITA) ●ユニット:13cmコーン型カーボンファイバーウーファー(D.D.L.)、2.5cmソフトドーム型トゥイーター ●入力インピーダンス:6Ω ●最大許容入力:200W(PEAK)、100W(JEITA) ●再生周波数帯域:35Hz〜60kHz ●クロスオーバー周波数:3kHz ●平均出力音圧レベル:86dB(1W・1m) ●外形寸法:182W×296H×293Dmm ●質量:8.7kg ●問い合わせ先:(株)デノンコンシューマーマーケティング TEL/044-670-6612