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MARANTZ
SA8001
¥90,000(税抜)
オーディオ銘機賞2007 ≪デジタルプレーヤー部門賞≫受賞モデル
ビジュアルグランプリ2006 SUMMER ≪SACDプレーヤー部門≫受賞モデル
【SPEC】
<SACD部>
●チャンネル:2チャンネル ●再生周波数範囲:2Hz〜100kHz ●周波数特性:2Hz〜50kHz(-3dB) ●ダイナミックレンジ:112dB ●高調波歪率(1kHz):0.0010% ●音声出力:アナログ→2.3V、ヘッドホン出力→0.5W/32Ω(ボリューム最大時) ●信号方式:1ビットDSD ●サンプリング周波数:2.8224MHz
<CD部>
●チャンネル:2チャンネル ●再生周波数範囲:2Hz〜20kHz ●周波数特性:2Hz〜20kHz ●ダイナミックレンジ:100dB以上 ●高調波歪率(1kHz):0.0010% ●音声出力:アナログ→2.3V、ヘッドホン出力→0.5W/32Ω(ボリューム最大時)、ピンジャック→0.5Vp-p(75Ω)、光コネクター(光出力)→-19dB ●信号方式:16ビット・リニアPCM ●サンプリング周波数:44.1kHz
●消費電力:19W ●最大外形寸法:440W×128H×339Dmm ●質量:8.0kg ●付属品:リモコンRC8001SA×1、単4乾電池×2、アナログ接続コード×1、リモート接続コード×1 ●カラー:ゴールド、シルバー
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
最近オーディオコンポーネント売場が少しずつ賑わいを取り戻しているという。いい音をシンプルに楽しみたいという音楽ファンが、オーディオの楽しさ、奥の深さに魅力を感じ始めたのだろうか。ポータブルオーディオやパソコンの音楽再生環境では飽き足らないと感じる気持ちはとてもよくわかる。
そんな音楽ファンが注目するのはエントリークラスのコンポーネントだけではない。じっくり使えて、しかもこだわりのあるミドルクラスの製品にも大きな関心が集まっている。
オーディオ専業メーカーのマランツが最近特に力を入れているのが、そのミドルクラスのコンポーネント群である。昨年秋に投入したプリメインアンプPM8001 や最近導入したアナログプレーヤーTT8001に加えて、SACD・CDプレーヤーのSA8001の出荷がいよいよスタートした。このクラスのプレーヤーでは特に大きな期待を集めている一台だけに、待ちかねていたという人も少なくないはずだ。本機の印象をお伝えしよう。
落ち着いた印象のフロントパネルを見て最初に気付くのは、ディスクトレイが左側に配置されていることである。これは、プレーヤーとしての理想的な部品配置と信号経路の最短化を狙ったマランツのこだわりの一端で、以前から音楽再生機ではこのレイアウトを採用してきた。大幅なデザイン変更を採り入れたSA- 11S1やSA-15S1を除き、上級機から普及機まで、マランツのプレーヤーを象徴するレイアウトなのである。内部を見ると、ピックアップから出力まで信号の流れに沿って構成された自然な配置に気付く。
ドライブメカニズムや電源トランスなど、搭載されたパーツの豪華さにも目を向けたい。漏洩磁束対策と振動対策を徹底したトロイダルトランスも存在感十分だが、ディスクリート構成のオーディオ基板を眺めているだけでも、どう見ても1クラス上のプレーヤーにしか見えない。前述のトランスやコンデンサーはパーツメーカーと試行錯誤を繰り返して作り上げたもので、いうまでもなくマランツのオリジナル部品である。D/Aコンバーターなど主要デバイスの吟味にも大変な時間と手間をかけているし、内蔵するヘッドホンアンプの音作りに妥協していない点にも好感が持てる。
再生音は、上質で繊細なタッチと広がりのある空間再現力に感心した。特に高く評価できるのは、演奏に込められた躍動感や微妙な表情など、音楽の一番肝心な情報を曖昧にせず、ストレートに再現することである。歌手の息遣い、弦楽器の音色のコントロールなど、一番聴きたい部分とおいしいところが味わえるので、聴いた後の満足感が深い。SACDのしなやかさ、柔らかさも十分に引き出してくる。そうした表現力をそなえるアンプやスピーカーと組み合わせれば、本機の良さはすぐにわかるはずだ。音楽を通じて充実した時間を過ごすことができる一台である。
(TEXT.山之内 正)