製品情報
TOP > ヘッドホン/オーディオ関連機器 > ヘッドホン
AUDIO-TECHNICA
ATH-CK9
¥21,000(税抜)
同社初のバランスド・アーマチュア型採用カナル型ヘッドホン
【SPEC】●型式:バランスド・アーマチュア型 ●出力音圧レベル:104dB/mW ●インピーダンス: 30Ω ●質量:約5g ●プラグ:φ3.5mmステレオミニプラグ ●コード長:1.2m(Y型) ●本体カラー:ホワイト、ブラック
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
同社初のバランスド・アーマチュア型採用モデル
オーディオテクニカのカナル型イヤホン最上位機種。既存のカナル型機種と「CK」型番は共通だが、最上位機種らしく既存機種とは一線を画す内容となっている。
何と言っても、一般的なダイナミック型ドライバーと比較して繊細な表現力を得意とすると言われるバランスド・アーマチュア方式ドライバーを、同社として初採用したことが最大の特徴だ。定評ある海外高級カナル型製品での採用例が多い方式だけに、国内製品での採用を期待していた方も多いだろう。
早速音を聴いてみたが、インパクトがあったのはピアノトリオ演奏のシンバル。繊細という言葉に間違いはないが、地味な繊細さではない。ヒットの瞬間から余韻まで音の粒子が飛び散る様が描写されることで、印象としては華やかでさえある。
バランスド・アーマチュア方式は力感や低域の量感に関してはやや不利とされるが、同社は元々そちらを強調する方向性ではなかったので、同社既存製品の音が気に入っているユーザーならその点は気にならないだろう。CK7と聴き比べてみたが、量感的にはやや劣るものの、個人的にはCK9の軽くスコンと抜けてくる低域の方が心地よく感じた。
使い勝手の面では、海外製品と比べると国内大手製品らしい面がいくつかある。まず、イヤピースは一般的形状で柔らかめのシリコン製を採用。遮音性の非常に高いスポンジやトリプルフランジといったものよりも挿入しやすさなどを重視しているのだろう。実際、挿入部の角度の付け方なども功を奏しており、入れ心地、付け心地は上々だ。ケーブルは上位製品らしく太めではあるが、素材はしなやかに柔らかく、取り回がしやすい。このあたりも、国内メーカーの一般向け製品らしく行き届いた作りである。
最上位機種として音質を追求しつつ、使い勝手を度外視してはいない。日常のパートナーとして使うのに重要なところだ。
(text.高橋敦)