製品情報
SONY
VPL-AW15
(BRAVIA)
¥OPEN(予想実売価格170,000円前後)
“BRAVIA”液晶プロジェクター
ビジュアルグランプリ2007 SUMMER ≪銅賞≫受賞モデル
【SPEC】●パネル:0.73型TFT液晶 1,280×720ドット ●ランプ:165W 高圧水銀ランプ ●レンズ:1.6型ズームレンズ ●輝度:最大1,100ルーメン ●コントラスト比:12,000対1 ●ファンノイズ:約20dB(ランプモード:低) ●映像入力:ビデオ1、Sビデオ1、RCAコンポーネント1、D-Sub 15ピン1、HDMI1 ●消費電力:最大265W ●外形寸法:370W×119H×320Dmm ●質量:約6.0kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
ソニーから魅力的なホームシアタープロジェクターVPL-AW15(以下AW15)が発売された。同社はトップとミドルでVWシリーズ、エントリーでHSシリーズを展開してきたが、本機はそのHSシリーズに置き替わる新たなエントリーモデルだ。名称も液晶テレビと同じBRAVIAに統一。プロジェクターが担う大画面領域にも同様のブランド戦略を行なう。
AW15は前モデルVPL-HS60と同じ720パネルの製品である。普及価格のフルHDモデルが各社から投入されるプロジェクター市場で、ソニーが新しい720モデルで挑戦したのが高画質と低騒音だ。自社開発の720パネルに新開発ランプと「アドバンストアイリス2」を組み合わせ、クラス最高のコントラスト値12000対1を達成、明るさも1100ルーメンを確保した。驚くのは騒音レベルで約20dB。これは同社のVPL-VW50も凌ぐ数値だ。他社には19dBというモデルも存在するが、20dBでも測定機泣かせとも言えるほどの静けさである。内部の冷却設計は非常に緻密であり、カットモデルを見て、ある意味コストアップもいとわない構造と感じた。冷却ファンも適材適所に複数使用、専用のダクト構造で効率良く冷却しながら騒音の発生も抑えた。
投写レンズは短焦点型とし上下左右レンズシフトを設ける。HDMIの1080pはもちろん、24p入力にも対応。これはBDプレーヤーなどに搭載される24p出力機能を見越したものであり、エントリー機でも映画ソースの再現性にこだわった仕様となっている。
さて、AW15ではスクリーンとのセット販売も用意されている。「ダイナクリアスクリーン」と呼ぶ立ち上げ式の80型スクリーンには、天井光の反射を抑え、前方プロジェクターの光をのみ効率良く反射させる特殊な加工が施されている。つまり、リビングなどの明るい照明下でも使用できる新開発スクリーンなのだ。一家団欒での映画視聴や友人を集めてのゲームやパーティーなど、これまでとは違う使い方の提案であり、低価格かつ高画質な720パネルで新しいユーザーの開拓を目指した。
画質は720パネルと価格の安さから受けるイメージを良い意味で裏切る出来映え。一瞬フルHDモデルかと見間違えるほどの力がある。「BVMを比較参考にして開発した」という技術者の談からも、エントリー機との一言では片付けられない並々ならぬ気迫を垣間見た。
(村瀬孝矢/「AVレビュー(2007年6月号)」より転載)