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VICTOR
HA-FXC71
¥OPEN(予想実売価格6,000円前後)
「カーボン振動板搭載マイクロHDユニット」採用のカナル型イヤホン
【SPEC】●形式:ダイナミック型 ●再生周波数帯域:8Hz〜25,000 Hz ●出力音圧レベル:102dB/1mW ●最大許容入力:150mW ●インピーダンス:16Ω ●質量:6.2g
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
カーボン振動板の搭載により高音質化を図った“トップマウント”インナーイヤホン
同社独自のトップマウント構造を採用したイヤホンの進化モデル。新シリーズの上位グレードが本機だ。
基本的な特長は同時発表のHA-FXC51に準ずる。超小口径マイクロHDユニットをイヤープラグ先端に配置するトップマウント構造で、高い解像度や遮音性を実現。その心臓部であるマイクロHDユニットの振動板はカーボン素材に変更された。ケーブルの長さが80cmから120cmに変更されている点、イヤーサポートの形状が変更されてデザイン性と装着感がさらに向上した点も特徴である。
FXC51との相違点はハウジングの構造と素材だ。高比重素材のボディに真鍮のリングを合わせることで振動を適正に整えるデュアルシリンダー構造は、同社イヤホンの上位モデルにおける特徴的な仕様であるが、それが本機にも採用された。またハウジングはステンレス製となり、ここでも不要な振動を抑制している。今回試聴した製品はブラックのモデルだったが、実際の色調はガンメタル的な渋い輝きが魅力的だ。ブラックのほかにもホワイトを用意する。
FXC51と比較すると音色は硬質さを少し強め、全体のクリアネスを増す。低域の印象が強かったFXC51と比べると帯域バランスはフラットな印象だ。特にベースはぐっと引き締められ、単純な重さや迫力よりも、抑制の利いた演奏の機微をより強く感じさせる。またFXC51のベースは音色の芯まで音がぎゅっと詰め込まれた印象だったが、こちらはベースのボディの空気感を引き出すというか、適度に抜けた音色と感じる。
シンバルの繊細な描写はFXC51の正常進化と言えるだろう。それ自体の音調は大きくは変わらないが、低域側が引き締められたことで高域の見え方も変わるのか、細かな描写により強く耳を引きつけられるようになっている。
ヘンドリックスではドラムスの圧力が明らかに高まっている。音の重みではなく立ち上がりの確かさを増したことが要因だろう。音像を絞め込みすぎることはなく、FXC51で感じられたふくよかな響きも残しているのも、やはり好印象だ。
さすが上位モデルと納得の音。低域の出し方についてはFXC51を好む方もいるかとは思うが、そういった選択肢が用意されることも含めて、強力なシリーズ構成と言える。
(text:高橋敦)