アニソンとオーディオを繋げる架け橋として、全国の書店にて大好評発売中の「アニソンオーディオ Vol.1」。記念すべき第一号となる今回は、本誌のために用意された特別な音源を付録として封入させて頂いています!
さて、この付録音源ですが、F.I.X.RECORDSから2011年に発売された『Pure 2 - Ultimate Cool Japan Jazz -』に収録された「届かない恋」と「トモシビ」の、マスタリング前のDSD素材となります。また「トモシビ」では、同音源をWAVへと変換したファイルも収録されています。本誌付録のような形式で『Pure 2』の音源が提供されることは初めてのこと。
元々が高音質のアルバムとして注目され、高い評価を集めた『Pure 2』。今回の特別な音源を作成するにあたっては、その音質を損ねず、かつDSDならではの魅力を楽しめるよう、全く妥協のない工程を経ています。
その技術的な側面などを、本誌を監修頂いた岩井 喬氏に下記の通り解説頂きました。
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『Pure 2 - Ultimate Cool Japan Jazz -』のSACDとなったマスターは2chアナログテープ(ハーフインチ・38cm/sec)であり、その後マスタリングスタジオでEQやダイナミクスの調整を行いDSDフォーマット化されていますが、今回付属する音源はSACD用マスターを記録するアナログテープレコーダーへ入力された信号と同じものを直接タスカムのDSDレコーダー、「DV-RA1000」にも分岐してダイレクトにDSD録音を行ったという違いがあります。アナログテープによるS/Nの圧縮(しかしSACDマスターはこのテープならではの音色が必要だったのです)、マスタリングでのコンプレッサー、EQ工程を省いている分、クリアで鮮度の高いサウンドになっているわけです。
「届かない恋」は現在では希少なアナログマルチテープ録音を行った楽曲であり、その緻密で厚みのあるサウンドをダイレクトにDSDフォーマットへ収めてあります。「トモシビ」は192kHz/24bitマルチチャンネル録音ですが、リズムインするまでのギターやヴォーカルの得も言われぬ立体感、豊潤なリヴァーブに包み込まれる広がり良い音場感、そして“せーの”でバンドが揃って一発録りした臨場感を、濃密で厚みのあるアナログコンソール「ニーヴV1」を通し、ダイレクトにDSDフォーマット化。いずれも非常に鮮度やS/Nが高く、DSDならではの滑らかで空間性豊かなサウンドとして楽しむことができる音源となっています。またDSDネイティブ環境を駆使することで、ふわっと包み込まれるようなリアルな空気感を余すところなく再生できるでしょう(なお、本来DV-RA1000で作成されたDSDフォーマットはDSDIFF形式ですが、本誌収録音源では幅広い再生環境への対応という観点で『SonicStage Mastering Studio』を使いDSF形式に変換を行いました。「届かない恋」は冒頭のカウントも含めて元のサイズで収録しましたが、「トモシビ」は楽曲の雰囲気を優先するためカウントを『SonicStage Mastering Studio』を使ってカットしています)。
ちなみに「OPPO BDP-105JP」で付録ディスクを再生したところそのまま“データディスク”として認識し、直接DSFファイル再生が行えました。ただしDSDディスクフォーマットではないため、DSDディスク対応プレーヤーでは直接再生ができません。PCを使い、付録ディスクのファイルをDSDディスク化してからお試しください。
さらにDSD再生環境をお持ちでない方にも音源の鮮度感を楽しんでいただきたいと考え、「トモシビ」だけではありますが、『SonicStage Mastering Studio』でDSD→96kHz/24bit・PCM(WAV)変換を行ったバージョンも同時に収録しています。『SonicStage Mastering Studio』はDSD→PCM変換において、優れたアルゴリズムを持ったソフトウェアです。すでにDSD再生環境をお持ちの方にとっても『AudioGate』でDSDの「トモシビ」をDSD→PCM変換したもの、さらにDSD変換再生に対応したハイレゾポータブルプレーヤー「AK100」「AK120」「HDP-R10」で再生するDSDファイルと『SonicStage Mastering Studio』で変換した96kHz/24bitファイルとの音質の違いを比較することができるでしょう。(岩井)
このように、本誌の付録音源は良い音を楽しんで頂きたいという思いから、非常に素晴らしい内容に仕上がっています。ぜひ他では聴くことの叶わない良質な音源を、ご自身の耳で聴いてみてください!
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