- 4K本放送開始で話題高まる商戦に向け
顧客接点を増やして店頭への誘導を強化
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パナソニック株式会社
日本地域コンシューマーマーケティング部門
コンシューマーマーケティング ジャパン本部
AVC 商品部 部長
- 宮地晋治
4Kのターニングポイントを迎える今年はテレビと関連機器の買い替え需要促進へ期待
が高まる。VGP受賞をフックに、お客様それぞれのニーズにふさわしい商品訴求へ活動を広げるパナソニックの宮地氏に、商戦に向けた意気込みを聞く。
インタビュアー/徳田ゆかり Senka21編集長、写真/柴田のりよし
有機ELテレビ、レコーダー、デジタル一眼カメラが4K/HDR対応における高い評価を獲得して総合金賞を受賞しました。
宮地テレビ、レコーダー、一眼カメラの分野に渡り素晴らしい賞を頂戴しましたことに御礼を申し上げます。有機ELテレビのFZ1000シリーズ、レコーダーDMR-UBX7050は「おうちクラウド」機能を追加した全録モデル、デジタル一眼カメラのGH5Sは、プロの動画クリエイターの中で浸透しつつある一眼カメラでの映像制作にご活用いただくことを狙い、動画撮影性能を最大限に引き上げたモデルです。このたびの受賞は、まさに我々が次世代に向け取り組んでいる内容をご評価いただけたことと大変ありがたく思います。
有機ELテレビでは、当社は昨年の商品投入以降多くのお客様に受け入れていただき想定以上の手応えを掴んでおります。市場では、最高級テレビの位置付けだった昨年に対して今後は販売価格帯が広がり、4K液晶テレビのハイクラスと同等になると考えられます。年末には、40インチ超のゾーンの90%以上が4Kモデルになると予想しており、有機ELテレビも想定以上のスピードで普及浸透が進むと考えております。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、この夏商戦から2019年にかけて、いよいよテレビやレコーダーの需要がピークを迎えます。12月の4K本放送開始に向けては他社様も含め、テレビやレコーダーの4Kチューナー内蔵モデルや単体チューナーなどが投入され、大きな話題を提供することとなります。
放送が始まるタイミングの買い替えでは、40 インチ超のゾーンで4Kチューナー非搭載ながらも放送視聴には後付けで対応できる“4Kレディ”モデルの需要が増えるでしょう。4Kレディモデルは現在のフルHDモデルのポジションを奪うと見ています。4Kテレビはこれまでアーリーアダプター層が牽引して来ましたが、今年いよいよ本格的普及の段階に入りました。より多くのお客様にお届けできるよう、高付加価値モデルから普及価格帯のモデルまで幅広く注力して参ります。
こうした動きを踏まえて、4Kチューナー搭載モデルは、チューナー非搭載モデルとの価格バランスがポイントになります。本放送に向けたコンテンツの充実度にも注意を払いながら検討して参ります。また、いち早く4Kテレビを御購入いただいたお客様へのフォローとしても、4K本放送が開始されるまでにセットトップボックスの形で4Kチューナーをご提案するアプローチも必要です。テレビやレコーダーのお買い替えのタイミング、そしてお客様のニーズに合わせて、それぞれ適切な商品を見極めてご提供していく必要があると思います。また当社としては、4K本放送開始に向け、対応のアンテナやケーブル、あるいは放送会社との契約など、4K放送を見るための環境整備を促す訴求も必要だと考えております。
そういった背景の中パナソニックでは、オリンピック・パラリンピックのオフィシャルスポンサーであることを最大限に活用し、来たる東京オリンピックに向け大々的なプロモーションを行います。この夏を皮切りに、「さあ、東京!!」にキャッチコピーを変え、店頭ではオリンピックの躍動感のある装飾を実施して、夏、秋、そして年末へと大きく展開して参ります。
レコーダーでは全自動モデルと通常録画モデル、引き続き両輪で注力しており、おかげさまで全自動モデルに対する認識も高まり、市場でも一定のポジションとシェアを獲得できるようになりました。また番組の録画・再生に加え、「おうちクラウド」の機能でサーバーとして音楽コンテンツをどこででも楽しんでいただいたり、スマートフォンで撮影した写真や動画をディーガに送信してテレビの大画面で見る楽しさも訴求しています。写真や動画を離れたご家族のディーガに送って共有することもできますから、ご両親用のディーガの訴求にもつなげられると期待しております。
当社レコーダーはここ数年、台数ベースで前年超えを続けています。スマートフォンによる宅外視聴のニーズが高まり、屋外でのWiFi環境の広がりに後押しされていること、スマートフォンのアプリが進化し、より手軽に使いやすくなったことが大きいと考えます。こうしたニーズにもあらためて立ち返り、さらに訴求を強化して参ります。
デジタルカメラの展開も勢いづいています。
宮地デジタル一眼カメラのGH5Sは、プロの動画クリエイターの中で浸透しつつある一眼カメラでの映像制作にご活用いただくことを狙い動画撮影性能を最大限に引き上げました。一眼ならではの機動力に加え、Cinema4K/60P撮影への対応や高感度撮影時でも美しい描写が可能になっており、動画クリエイターの方々にもご満足いただける商品に仕上がったと自負しております。
今回皆様にご評価いただけた大きな要因として、最新の技術力に加え、一眼カメラと業務用ムービーで培った技術を上手く融合できたことがあげられます。一眼カメラで求められる印象的な画作りを自然に表現しつつ、業務用ムービーで培った撮影時のご要望や撮影後の編集まで見込んだ細部の作り込みがご評価いただけたかと感じております。審美眼に長けた方が多い市場で、常に選んでいただける商品をお届けできるよう、今後も精進を重ねたいと思います。
テクニクスのSL-1000R/SP-10Rがピュアオーディオ部会の批評家大賞を、一体型システム「OTTAVA f」SC-C70がライフスタイル分科会の金賞を受賞しました。
宮地SL-1000R/SP-10Rはお蔭さまで多くのお問い合わせをいただき、全国のオーディオ専門店様のご協力を賜り数多くの試聴会で商品の魅力をお伝えしています。ハイファイモデルはターンテーブルを牽引役に、オーディオ専門店様を通じて先鋭的なお客様に向け、今後も訴求して参ります。SC-C70は都市型の量販店様で高くご評価いただき、安定的にご販売いただいております。販売価格は10万円と、このようなタイプでは高価格帯ですが、このゾーンにもお客様が数多くいらっしゃることが再確認できました。
今後はテクニクスの展開についても、量販店様やパナソニックショップ店様なども対象に活動の場を広げ、より幅広いお客様にリーチしていくことも視野に入れて参ります。SC-C70はその牽引役であり、テクニクスでさらにラインナップを充実させていく必要があると思っております。パナソニックブランドのオーディオとは異なる価格帯でそれぞれのよさを発揮させ、新しいお客様が開拓できると期待しております。ご評価を追い風にしっかりとお客様にリーチして参ります。
◆PROFILE◆
宮地晋治
1988年 九州松下電器(株)(現パナソニックシステムネットワークス(株))入社。2012年 AVCマーケティングジャパン本部 商品グループ グループマネージャー。2013年 コンシューマーマーケティング ジャパン本部AVCグループ グループマネージャー。現在に至る。