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中川圭史

新提案を連打し既存客にアピール
新規顧客創出も意欲的に推進する
株式会社ディーアンドエムホールディングス
代表取締役
中川圭史

デノン、マランツブランドでAVアンプの新商品を連打、ラインナップ充実を図るディーアンドエム。およそ10年ぶりとなるデノンの超弩級モデルが総合金賞を獲得し、勢いに乗せて力強い訴求を展開していく。
インタビュアー/徳田ゆかり Senka21編集長、写真/柴田のりよし

VGP 2018 SUMMERにて、デノンのAVアンプ「AVC-X8500H」が総合金賞を、マランツのAVプリアンプ「AV8805」が批評家大賞を受賞されました。これらを始め、多くの製品が各部門で金賞を受賞しています。

中川力強い賞を頂戴して、大変名誉に思います。これを励みに、多くのお客様へ向けた活動を一層推進して参ります。AVC-X8500Hは今年投入した新たなフラグシップ。2007年に発売されたAVC-A1HD以来の超弩級と表現するに相応しい存在です。長らく頂戴していたお客様からの期待の声に、ようやくお応えできました。ドルビーアトモス、DTS:X、DTS Virtual:X、そしてAuro-3Dへの対応と、最新の技術を注ぎ込み、デザインや仕様も含めて今後のデノン製品の軸となる存在となりました。開発に3年を費やしてこの筐体に13.2chを載せましたが、開発・製造が一体になった 日本のものづくりだからこそ実現できたものと自負します。感動の音を、ぜひ多くの皆様にご体感いただきたいと思っております。

AV8805は、我々にとって唯一のAVプリアンプで、非常に高い評価をいただいています。AVC -X8500H同様13.2ch、最新技術の数々を搭載したフラグシップモデル。セパレートアンプの強みを押し出し、よりこだわりを追求するお客様へ向けての訴求を進めます。マランツは個性を発揮する製品を得意としており、ミドルクラスではスリムタイプのAVアンプであるNRシリーズも高評価を頂戴しております。こちらは日本の住宅環境にふさわしいソリューションであり、2chから楽しめるといった切り口で、お客様拡大を推進しています。

また、今年はデノンで、これまで展開していなかった価格帯に3万5000円の戦略的なエントリーモデル「AVR-X550BT」を投入しました。新しいお客様に向け、リーズナブルな価格でのスピーカーとのパッケージの提案も推進して参ります。我々の持つ魅力的なスピーカーブランドを広く知っていただくチャンスにもなり、こうした組み合わせでAVアンプならではの音、サウンドバーとの違いをお客様に実感していただきたいと思います。

AVアンプの市場、そして御社製品の手応えはいかがでしょうか。

中川AVアンプの主戦場はやはりアメリカで、順調にシェアと売上げを伸ばしております。デノン、マランツ両ブランドで強いフラグシップモデルが登場しましたから、日本市場にもいい流れを呼び込み力強く展開したいと思います。製品の発売後はお蔭さまで、お客様からもご販売店様からも大変ご好評をいただいております。日本のお客様はハイグレードの製品に対する関心度が高く、そのご期待にお応えしようとすることで製品もさらに進化します。力強いフラグシップ製品は商戦でも大きな刺激となり、中級から下の価格帯にもいい影響を与えていきます。勢いをもってAVアンプの市場を活性化したいと思っております。

中川圭史

一方オーディオの市場で昨今、ミドルクラスの停滞が問題視されています。

中川ここは我々が強みを発揮できるところ、お客様やご販売店様に支持していただけるいい製品をご提案し続けたいと思います。ただ、ミドルクラスの製品づくりには課題が多く、たくさんのお客様が対象になるからこそ、それぞれのニーズのどこにフォーカスするか見極めが難しいのです。DACの搭載、ネットワーク対応などどうするのが最良か、お客様のご反応を見ながら時間をかけて進化させることが解決策かと思います。

また、お客様としても多過ぎる情報を消化しきれず、何が一番ご満足できるか実感するのは難しい状況かもしれません。だからこそ我々からご提案するアプローチも臨機応変に、先入観を持たずにやっていく必要があるでしょう。

さらに我々は、ストリーミングに対応したネットワーク系商品群を拡張しており、HEOSのシリーズでストリーミング対応のパワードスピーカーを投入しました。またこの機能を盛り込んだサウンドバーやAVアンプも一昨年から展開し、ストリーミングサービスを楽しむ、マルチルームへの展開もできるHEOSの機能を、デノンでもマランツでもキーモデルに順次投入しています。

多くの方が音楽をスマートフォンで聴いておられますが、家の中ではレシーバーやサウンドバー、ミニコンポなどで気軽に高音質で楽しんでいただける環境をつくりたい。より多くの方がそうしたことを体感し実感していただけるようにすることが、今後の目標でもあります。特に訴求したいのは、製品同士の融合性。リビングのテレビ用サウンドバーと個室にあるスピーカーなど、複数の部屋で音楽をシームレスに楽しむ。日頃スマートフォンで聴くことに慣れた方々に対する訴求の鍵になると思います。

また、既存のAVアンプのお客様に対しても、こうしたことは新たな提案となります。映画をサラウンドで楽しむことに加え、ぜひストリーミングミュージックを聴いていただきたい。新たな気づきにつながるアクションを起こさなくてはというところです。店頭ではできる限り、ストリーミングサービスをお聴きいただけるスペースをつくって参ります。ブルートゥーススピーカーとはひと味違った、高音質ストリーミング音源に対応したシステムだということを、店頭デモを第一歩としてアピールして参ります。

インストーラー様の間では、AVレシーバーのインストールにあたってマルチルームへの展開も少なくなく、積極的にセカンド、サードスピーカーを活用されています。ストリーミングでコンテンツを楽しむ環境が広がるのは喜ばしいこと。こうした取り組みで新しいお客様もしっかりと取り込めると思います。

ヘッドホンなども含め、多岐にわたるカテゴリーの今後の展開をお聞かせください。

中川ヘッドホンのカテゴリーでは、若い世代をメインターゲットとしてアニメ関連を始めいろいろなコラボレーションを行っています。このほどロックバンドの「ACIDMAN」とコラボし、ヘッドホン・イヤホンの対象商品を購入された方に抽選で、彼らのライブチケットをプレゼントするキャンペーンを実施して好評を博しました。

趣味を深く追求する方々は、いいと判断したものに積極的に投資してくださります。間口を広くして新しいお客様を獲得することは、我々だけでなく業界全体の活性化にもつながると考えており、今後も積極的に展開したいと思います。さらに、製品同士でシナジーを発揮し、多くの選択肢をご提供したい。既存のお客様に新たな楽しみをご提案し、新たなお客様も市場に取り込めるよう、ご販売店様とともに活動して参りたいと思います。

◆PROFILE◆

中川圭史
1988年 日本コロムビア(株)入社。ドイツおよび米国の販社においてコントローラーとしてマネジメントにあたる。2002年 D&M 設立後は全体の経営計画とコンシューマー機器部門の戦略策定を担当。2017年2月より現職。

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