すぐれたユニットでスピーカーの可能性を広げる
「横浜ベイサイドネット」の足跡と取り組みに迫る
音楽好きの皆様に向けて
いい音の構築をお手伝いする
「ゆとりとくつろぎのある生活のためのお手伝い」をモットーに、オーディオ関連製品の輸入・製造・販売を行う「横浜ベイサイドネット」。世界に開かれた港「横浜」のイメージそのまま、海外からより良いものを取り入れ、世界に向かって横浜の良いものを発信する港でありたい、インターネットの「大洋」で世界の海原を目指し航海する人たちの「灯台」、「海図」になりたい、との思いを社名とした。
同社を運営するのは代表取締役社長の吉川氏と、テクニカルマネージャーの西川氏。かつてプラント業界で活躍していたお二人だが、新たな行き先を模索した吉川氏が、アジアン雑貨のネット販売に着手。西川氏が特技を活かし、当時日本にはまだなかった海外のオンラインショップ・プログラムでネットの販売システムを構築した。
その頃音楽好きの吉川氏が、オーディオ選びを西川氏に相談したという。そこで、オーディオファンながら多忙の中で“休眠”していた西川氏が目覚めた。機器を探すうち、スピーカーを自作することに。「懇意のショップにいいものが見つからず、海外のサイトを探してみました。するとまだ日本にはない素晴らしいスピーカーユニットが、たくさんありまして」。
英語が堪能な吉川氏がやりとりし、アメリカのサイトでユニットを購入したところ、「届いた商品がいいものだったので、これはいけると」、吉川氏の通販サイトにオーディオ製品も加わる。西川氏が技術面をサポートし、2003年8月「オーディオとアジアン雑貨の横浜ベイサイドネット」をスタートさせた。
注文件数はそれから急伸長。「海外サイトで注文したいと思いながら障壁を感じていた人は予想以上に多かったようで、お礼のメールもたくさんいただき、もっといいものを探そうと張り切りました」。さらに実績が出ると、「音を聴きたいという声が増えてきて」、1年が経過した頃に試聴室兼事務所を開設。さらに2004年9月に会社組織として「横浜ベイサイドネット」が設立された。
世界のすぐれたスピーカーユニットを
国内の製品に採用いただきたい
それから12年、同社はオーディオファンの熱い思いに支えられて業績を上げてきた。お客様の中には大手メーカーの方もいて、親身なアドバイスもくださったという。まだ日本で知られていない海外のすぐれたスピーカーブランドをいち早く取り入れてきた実績で、多くのDIYユーザーやオーディオファンから注目される存在となった。取り扱うさまざまなブランドのスピーカーがユニットや完成品のかたちで置かれた横浜市内の本社試聴室は、訪れるオーディオファンが自由に音楽を楽しめる空間となっている。
現在の同社の業務はスピーカーユニットなどオーディオ製品の輸入卸、自社オリジナル製品の製造、そして販売。今後は、OEM事業にも注力していく。
「昨今取り扱いを開始したスキャンスピークなど、世界の名だたるハイエンドスピーカーのユニットに採用されているブランドがいくつもあります。そうした製品のよさをオーディオメーカーの皆様にお伝えしたい。それらを国内の製品に採用していただくことで、スピーカーのもつ可能性をもっと広げ、すばらしい音と音楽を通じて国内のオーディオの活性化に貢献したい」。
同社の数ある取り扱いの中でも、特に強力な10 ブランドをここにピックアップしている。試聴室にてこれらの音に触れることも可能。同社にコンタクトしてみてはいかがだろうか。
横浜ベイサイドネット
横浜市中区吉田町72 サリュートビル701
http://www.baysidenet.jp
TEL:045-315-2041
bsn-shop@baysidenet.jp
横浜ベイサイドネットが取り扱う主なスピーカーブランド
SEAS ノルウェー 1950〜
ノルウェーのラジオメーカー「Radionette」と「Tandberg」のスピンオフとして1950年に設立。社名のSEASは『スカンジナビアのエレクトロアコースティックシステム』を意味し、創業以来60年以上にわたって世界の「Hi-End」オーディオマーケットをリード。現在はワールド・ワイドに展開する『Sonavox』グループの一員として、世界最高水準のスピーカーユニットの供給と、サポートサービスを提供している。
「EXCEL」シリーズ コアキシャル・ユニット:C18EN001/M - E0057-08/06
個性的な「Exizotic」シリーズや、最高級ブランドとしての「Excel」シリーズを中心に、標準的な「Prestige」シリーズなどを展開。カー用には『Loutus』ブランド名で、Hi-Endな「Reference」ラインと、パフォーマンスを重視した「Parformance」ラインを展開する。
Scan-Speak デンマーク 1970〜
1970年にスピーカー発祥の地・デンマークで生まれ、誕生当初より伝説となった「妥協を許さぬ」ポリシーで、最高品質のスピーカーの開発、設計、製造に取り組む。その結果、オーディオファンのためのHi-End スピーカーユニットのメーカーとして代表的な存在となり、常に他のHi-End スピーカーメーカーからベンチマークとされる存在になっている。
カー用「シルバー」シリーズ ツィーター:R3004/602006
ホーム用として、最新型の「イルミネーター」シリーズと、Hi-End スピーカーとしては『定番』の「リベレーター」シリーズを中心に、創業当時から継続している「クラシック」シリーズに加え、コストパフォーマンスの高い「ディスカバリー」シリーズも加わった。カー用としても、『定番』の「ディスカバリー」シリーズと、その上級シリーズとして新たに「シルバー」シリーズが追加された。
AudioTechnology デンマーク 1990〜
父Ejvind Skaaningと、息子Per Skaaningによって、1990年にデンマークで設立された家族経営の会社。父Ejvindは、デンマークでは『生きたレジェンド』として有名なスピーカー・エンジニアであり、裕福なスポンサーでもあった。デンマーク内外のオーディオメーカーの設立に尽力、その実績は現在の『Scan-Speak』や『Dynaudio』として結実している。AudioTechnologyはスピーカーユニットメーカーだが、ウーファー、ミッド・ウーファーしか製作していない。
「Flexunit」シリーズ ウーファー:Flexunits 15 E 102 25 10
ユニットはすべて、オーダーメードが可能なシステム。ユニットには、コンストラクション・タイプフレームを採用した『Flexunits』シリーズと、インテグレート・タイプフレームの『C-Quenze』シリーズがあり、1993年に『ソナスファベール』の「ガルネリ オマージュ」に採用されて以来、世界中の超「Hi-End」メーカーに採用されている。
AudioNirvana USA 1990〜
創業者であるデビッド ディックスは、フルレンジ・スピーカーの愛好家としての45年以上にわたる経験に基づいてオーディオビジネスをスタート。当初有名ブランド品の販売を始めたが、すぐに自らのブランドを構築。その理由は、他のメーカーのユニットが『死んだ音、ダルな音、暗い音、遠い音』に感じられたからだそう。従ってブランドの音は『測定結果が良い音でも無響室で聴く音でもなく、実際の部屋で聴く音』であることをポリシーとする。
15インチ ALNICO
それぞれのサイズ(6.5インチ以上)には、フェライト・バージョンとネオジム・バージョン、それに、アルニコ・バージョンの3種類のマグネットを用意。それぞれのバージョンには、コンベンショナルな「サブコーン+フェーズ・プラグ」タイプと、センターキャップにソフト・ドームを採用したニューモデルの「クラシック」シリーズ、コーン紙にホーン効果を持たせた「ホーン」シリーズがある。
RAAL セルビア 1993〜
セルビアのザエチャルに拠点を置くリボンツィーターの専業メーカー。若き天才エンジニアである創業者Aleksandar Radisavljevic によって、1993年に設立されて以来、世界中の超「Hi-End」スピーカーメーカーに採用されている。
140-15D
家庭用の「Hi-End」ユニットから、プロ用のPAシステム・ソリューションに対応したユニットまで、13種類ものリボンツィーター・ユニットを製品化。それらのユニットのすべてに、 EQUAFIELD? 、FLATFOIL?、 SYMMLEAD?など、リボンツィーターに関する卓越した技術が注入されている。
Dayton Audio USA 1996〜
アメリカはオハイオ州・デイトンの大規模通販商社「Parts Express」社が、台湾のスピーカーメーカーに製作を依頼して立ち上げた独自ブランド。長年にわたって『DynaBox』の下請けを行っていた台湾のメーカーは最終的にその技術を買い取っており、「Dayton Audio」も世界の「Hi-End」メーカーのユニットと遜色のないパフォーマンスを備えている。
「エソテリック」シリーズ ウーファー:ES180Ti-8
世界中のDI Yユーザーをターゲットとし、自作派向けのユニットに力点を置く。界中のコアな自作マニア向けに、エキサイターなど凝ったユニットもいくつもラインナップに加えている。
Beston Technology 台湾 2002〜
2002年にリボン・ダイヤフラムとリボンツィーターの専門メーカーとして台湾の台北市に設立。他のリボンスピーカーメーカーとは異なり、リボン・ダイヤフラムを原料であるカプトン原料から合成・製造している。そのため顧客に対してより少ない時間で、より高品質なリボンツィーターを、より柔軟に設計することができる。ヨーロッパの「Hi-End」メーカーにOEM供給している。
RT002A
耐入力15Wの超小型リボンツィーター「RT001A」から、プロ用の60W以上の耐入力の「RT004A」まで、多くのバリエーションを用意している。
Tymphany 中国 2005〜
アメリカのTymphany社が、デンマークのDanish Sound Technology社を買収、2005年にデンマークで設立された新しいメーカー。そのルーツは古く、1922年にデンマークで創業した「Peerless」と、1933年に設立された「Vifa」の伝統と技術力を継承する。2008年から中国の恵州に本社を置き、台湾のPrimax社の資本投入により、一スピーカーメーカーからオーディオシステムの設計・製造を「フルターンキー」で請け負うオーディオメーカーへと発展している。
ツイーター NE25VTS-04
スピーカーユニットは、基本的に、「Peerless」と「Vifa」のユニットを継承していて、PC用の18mmマイクロ・スピーカーから、PAシステム用の18インチ(46cm)プロフェッショナル・ウーファーまで、月産180万個の能力を有する。Bluetoothスピーカーや、サウンドバーなどのシステムの設計・制作も行っている。
Wavecor 中国 2005〜
Vifa、ScanSpeak、Preelessなど、世界中の有名オーディオメーカーに採用されていた数多くのユニットをもつデンマークのDST社が米国のTymphany社によって買収された際、Vifaの責任者でDST社のGMだったAllan Isaksen(アラン イザクセン)が独立、2005年に中国の広州で設立したスピーカーメーカー。
「BD」シリーズ ウーファー:WF223WA02
ユニットは、高級バージョンの「BD(バランス・ドライブ)」シリーズと、コストパフォーマンスを重視した「スチール・フレーム」のラインがある。その他カー・オーディオ用のラインも展開。新しい中国ブランドのスピーカーユニットだが、デンマークなど北欧のオーディオメーカーや、ドイツのオーディオメーカーなどにもOEMとして採用されている。
SB Acoustics インドネシア 2006〜
インドネシアの電機メーカー「シナ バジャ エレクトリック」社が、「Hi-End」スピーカーユニット市場への参入を目指し、Scan-Speakなどに在籍していたデンマークのスピーカーエンジニアグループと提携、2006年に設立したメーカー。両者のコラボレーションにより、製造コストによる音響性能を損なうことなく手頃な価格の製品を実現できた。
「Satori」シリーズ ウーファー:16W/4531G06
ユニットは、コストパフォーマンスを重視した標準ラインと、「Hi-End」マーケットをターゲットにした「SATORI」シリーズの二つのライン構成。どちらも、伝統のダニッシュ・サウンドを継承したヨーロピアンサウンドとなっている。