商品を変え、売り方を変えて
地デジ後の新たなチャレンジへ


パナソニック(株)
役員
デジタルAVCマーケティング本部
本部長
西口史郎
ビジュアルグランプリ2011 SUMMER 総合金賞 “ビエラにリンク!”
プラズマテレビ "3D VIERA" VT3 series/DT3 series
Blu-ray Disc レコーダー "ブルーレイDIGA" DMR series(DMR-BZT900)
Blu-ray Disc プレーヤー DMP series(DMP-BDT900)
ポータブル地デジテレビ "VIERA"  DMP series(DMP-HV200/DMP-BV300)
(写真は、TH-P50VT3/DMR-BZT900/DMP-BV300)

ビジュアルグランプリ2011 SUMMER 技術賞
お部屋ジャンプリンク/テレビでネット

ビジュアルグランプリ2011 SUMMER 企画賞
MeMORA

ビジュアルグランプリ2011 SUMMER 金賞受賞モデル
TH-P50VT3/TH-P50GT3/TH-L37DT3/TH-L32DT3/SV-ME870/SV-MV100/DMR-BZT900/DMR-BZT800/HDC-TM90/LM-BE100J
(VGP各部門の詳細はこちらをクリック)
 
3D、リンクなどさまざまな提案を連打するパナソニック。商品単体に止まらず、それらを組み合わせることによるメリットを全面に出した新たな価値訴求がビジュアルグランプリでの高い評価を獲得した。勢いを新たに夏商戦、さらに地デジ後の単価アップにチャレンジする同社の西口氏に、意気込みを聞く。
 

ディーガをサーバーにしたリンクの新しい価値訴求

−− あらためて受賞の感想をお聞かせください。


西口 「ビエラにリンク!」を総合的に評価していただき、メーカー冥利に尽きる思いです。 2011年はアナログ停波以降も見据え、リンクもさらに進化しています。「3Dのリンク」ということで、ビエラとディーガ、さらに関連商品も業界に先駆けて3Dにする。またディーガをサーバーとして核に据えた次世代型の「お部屋ジャンプリンク」と言うリンク。2つの切り口で商品の進化を推進して参りました。


単品の進化だけでなく、それぞれが融合するとお客様にとってどれだけメリットがあるかを重視し、ご家族構成や室内の状況などさまざまな要素を加味して推進してきましたが、そのすべてを評価していただけたという思いで、非常に嬉しく思います。

「お部屋ジャンプリンク」イメージ。DIGAをサーバーに位置づけたリンクの新しい価値訴求で、ビジュアルグランプリ2011SUMMER 技術賞を受賞した。

−− 地デジ後の付加価値訴求について、お聞かせください。


西口 付加価値訴求のひとつである3Dについて、業界全体では直近週で40型以上のテレビでの3Dの構成比は30%、当社ではすでに50%を超えています。さらにパナソニックショップ様では70%を超える高い比率になっています。アナログ停波までメインとなる普及価格帯モデル以外ではすべて3Dが標準搭載され、アナログ停波以降はさらに大画面=3Dが加速すると思います。


また当社は今年から液晶テレビを100%LEDバックライト化しており、これにより中・小型テレビの単価アップにつながるのに加え、IPS方式のパネルとLEDバックライトの組み合わせで省エネ効果が一層高まるという切り口の訴求を推進しています。3月の震災を機にお客様の節電指向が非常に高まり、世の中のムードも後押しをしているように感じます。


同時に「いつでもどこでもビエラ」というコンセプトを推進しています。デジタルテレビへの買い替えが進む中、従来テレビが置かれていなかったようなキッチン、お風呂場、個室などにも対応する商品をご提案し、ディーガを核としたリンクを拡げてきましたが、その商品陣容がこの春揃い、こうしてご評価を頂戴しました。数年前から5インチのワンセグテレビに取り組む中でいろいろな要望を取り入れ、ディーガの進化ともマッチし、Wi-Fi環境も整って上手い具合に花開いたという思いです。

ポータブル地デジテレビ「HV-200」。キッチンでの使用を想定した防水仕様であり、本体に触れずに操作ができる「ジェスチャーコントロール」機能を搭載。本体から約5〜10cmの距離で手を動かして、チャンネル操作や音量調整を行える。無線LANを内蔵。

家中のさまざまな場所で、テレビ番組やディーガに録画したコンテンツを高画質で見られる。こんなことができるのか、こんなに高画質で見られるのか、という驚きの声をさまざまな販売ルートから頂戴し、大きな手応えを感じています。またディーガのデジタルからデジタルへの買い替え、買い増しも促進できると思います。



総合提案で単価アップ 店頭展開はさらに重要に

−− レコーダーを核とした総合提案は、店頭でどのように訴求していくのでしょうか。


西口 こうしたご提案は、体感して初めて便利さやよさがわかるもので、店頭提案がより重要となります。パナソニックショップ様では“ジャンプリンク・パッケージ"というような形での推進をさせていただいていますが、ネット環境も非常に進んでいるという背景があり、順調に推移しています。また量販店様では接客の場をより提供する必要があります。各法人様のトップから実務の方々まで、ジャンプリンクのよさや店頭での体感の重要性をご理解いただいて、おかげさまで店頭展示も順調に進んでおります。


−− 今後のテレビの需要動向をどのようにご覧になりますか。

西口 足元のアナログ停波に向けては、メーカー、流通、政府が一体となって地デジの普及を進めていかなくてはなりませんが、順調に推移していると思います。そしてアナログ停波の時点では2000万台以上のアナログテレビが残ると推定され、これは放送を見るのに使用されていないゲーム用のモニターなども含まれますが、そういったものも買い替えが進む可能性があります。またデジタルからデジタルへの買い替えも600万台ほど見込まれます。


7月25日以降も、お客様がテレビを購入される潜在的な動機は十分にあると考えられます。直前の駆け込み需要は一段落するでしょうが、その後も台数としては従来ベースの堅調なかたちになり、中身はより付加価値商品に変わっていくということは間違いないと思います。昨年度のようにエコポイントも含めて、金額より台数、政策によって月ごとに需要がアップダウンするという段階は脱して、もういちどより確実な地に足のついた新たなテレビの成長に向けて、業界としてもうひとつ舵を切っていくステージに入っていくと思います。


新しい需要の芽は、どんどん生まれています。それを育てていかないと新しいステージで成長することはできず、業界全体が厳しい状況になってしまいます。我々は商品を変えながら、また売り方を変えていくという新たな挑戦をしていきたいと思います。特にお部屋ジャンプリンクでつながる新規商品群の創出に取り組んでいますが、これは身近なものをどんどん発掘していこうという思いです。


このようにパナソニックが他のメーカーに先駆け、市場の開拓をしてきたということをご評価いただき嬉しく思います。今後ともぜひご期待いただければと思っております。

 

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パナソニック商品情報

 

西口史郎氏 プロフィール

1980年、松下電器産業(株)(現パナソニック(株))入社。その後、アメリカ松下へ出向。テレビ事業部国際部部長、テレビ事業部商品企画部部長、 LCDテレビビジネスユニット長を経て、2007年4月より、パナソニックマーケティング本部本部長に就任。2008年4月より役員。