カジュアルにテレビの番組録画をするなら、専用ビデオレコーダーを使うよりもテレビ本体に録画機能があるほうが便利だ。理由は簡単。放送中の番組ならリモコンの録画ボタンを押すだけで番組録画ができるし、電子番組表を開き、見たい番組を見つけたらそのまま予約を設定できる。テレビとレコーダーをHDMIケーブルで接続してテレビ側のリモコンで録画、再生を行える製品も増えているが、動作のレスポンスなどはいまひとつというのが正直な感想だ。快適さで言えば録画機能付きテレビに軍配が上がると筆者は考えている。
録画機能付きテレビにも弱点はあった。多くの機種は録画番組を“自己完結”で楽しむようになっており、レコーダーのようにDVDなどの外部メディアに録画番組を保存できない。“見たら消す”と割り切って使えばいいのだが、それでも「これだけはどうしても消したくない」という番組が出てきてしまう。そんなときはやはりレコーダーで録画しておけばよかったと後悔してしまう。そんな悩みを解消する録画機能付きテレビが登場しはじめており、録画好きの筆者としてはかなり注目している。一つは日立“Wooo”のXR/HRシリーズだ。このシリーズは、着脱可能なカートリッジ型HDDのiVDR-Sに対応しているので、録画番組をDVDメディアのように記録して保存できる。本機の概要についてはインタビューレポートとして紹介しているので、詳細は
こちらの記事を参照していただきたい。もう一つは東芝“REGZA”のHシリーズだ。内蔵HDDの他にeSATA対応の増設HDDにも対応することで、録画番組の長期保存が可能だ。本機の開発者インタビューレポートも
こちらの記事でぜひごらんいただきたい。それぞれの機種の違いなど気になる部分は多いが、今回ははじめに日立の“Wooo”シリーズから「L32-HR01」をテストしてみようと思う。
録画・再生などの機能に関しては、あっけないほど簡単だ。いま視ている番組を録画したければ、そのままリモコンの録画ボタンを押すだけで完了。録画予約もリモコンの番組表ボタンを押して、録画したい番組を選択し決定すれば、まず失敗なく録画できるだろう。テレビとレコーダーが一体になることで、いくつかの操作を省けることで、簡単操作と使い勝手の良さを実現している。
テレビとレコーダーを接続した場合、まずそれぞれの機器の電源を入れ、次にテレビの入力切り替えを行う。ここでリモコンをレコーダー用に持ち替え、番組表を表示して録画予約を行う。放送中の番組を録画するなら、レコーダーのチャンネルを合わせて、それから録画することになる。
L32-HR01なら電源を投入すればそのまま録画が可能だ。テレビの番組表からの番組予約もできる。この手軽さはAV機器を苦手とする人たちだけにではなく、ヘビーユーザーにも恩恵がある。たとえばライブラリー化しない番組の録画をL32-HR01に任せれば、レコーダーの録画番組が重なることも減らせるだろう。
レコーダー専用機ほどではないとは言え、録画をアシストする機能も備えている。検索機能を使えば、ジャンル、キーワードによる番組探しができる。リモコンには番組検索専用のボタンがあり、手軽に検索が行える。そのほかに録画番組をフォルダーに分けて保存できたり、1.5倍速での早見・早聴き機能も備えている。このあたりは同社のレコーダー“Wooo”シリーズのインタフェースが上手に取りこまれており、こなれた操作感を提供している。
今回はL32-HR01での録画の基本操作を確認した。番組検索機能や音声付きの早見機能など、レコーダー専用機に匹敵する機能を備えているので、録画再生機能は満足できる操作感だった。筆者も数々のレコーダーを使っているが、テレビだけで録画できる快適さは代え難い魅力がある。もしテレビ選びで迷ったら、同じような画面性能なら録画機能付を選ぶことをオススメしたい。次回はいよいよiVDR-Sを使った録画と使い勝手をチェックしようと思う。
−次号の掲載は5月15日(火)を予定しています。どうぞお楽しみに!−