卵型スピーカーの秘密<その5>〜遂に違いを公開!!〜
左はタイムドメインミニ、右は富士通パソコン付属のスピーカー |
今回は、(株)タイムドメインの「タイムドメインミニ」と、富士通パソコンに付属の「タイムドメインスピーカー」の細かな違いの一部をご紹介しよう。一見すると、全く同じものではないかと思われがちな“銀の小卵”が、実はこれだけ違っていたということの一端だ。
まず、富士通パソコンに付属の「タイムドメインスピーカー」には、いくつかの世代が存在している。一番始めに登場した時と、現在売られているパソコンに付属の、新しい形状のものに移行する寸前のものとでは、かなり違っている。
このスピーカーは、その位置づけが付属品である以上、本体のパソコンの性能アップの方が重要視される。量産化が進むのに従って、音質が改良されていくことの多いオーディオ製品などとは違って、こなれてくれば簡略化もあり得るというわけだ。
では、違いの部分を公開! まず、簡単な部分でもあり、外から見てすぐ分かるところから。
二つのモデルの違いを、外観から完全に見分けることができる点でもある。気が付かずに使っている人もいるかと思うので、確認してみてほしい。
フロントのロゴ表記に、「mini」の文字とタイムドメインマークだけがあるものは、(株)タイムドメインの「タイムドメインミニ」。一方、FUJITSUのロゴマークのあるものは、タイムドメインの表記があっても、パソコンに付属の「タイムドメインスピーカー」だ。
次に挙げる点は、世代によって違ってきているもので、一概にはどちらかという判断基準にはならない。
付属のACアダプターのVA値が、初期の付属品と「タイムドメインミニ」での20VAから、17VAへと切り替わり、電源容量が変更されている。
またスピーカーユニット自体が、実はパソコン付属品では変更が行われている。変更されたスピーカーユニットの外観は、センターキャップのカーブがややきつく、出っ張っている感じとなっている。そして、コーン紙全体がやや奥に引っ込んでいるため、フレーム部の厚紙が厚くなっている。これは、磁気回路の部分が主に変更されたことによるもの。
さらにボディの色が、パソコンの色に合わせて、やや青みがかったシルバーに途中で変更になっている。このほかにも、内部のパーツなどで違いがあると思うが、これは分解して比較しなければならず、壊してしまっては困るので非公開。
そんなことからすると、付属品でも一番最初の世代のものを入手した人は、幸運かもしれない。つまり、「タイムドメインミニ」に近い、ということか? でもいずれにせよ、話題の“銀の小卵”の本当の実力を楽しみたいのであれば、最近一部で放出されている簡略化された付属品ではなく、単品の「タイムドメインミニ」を購入して楽しみたい。いろいろな場所で手軽に使える、専用のキャリングケースも付いている。
(季刊・オーディオアクセサリー編集部)