ケーブルブランド探訪記(CARDAS編その1ブランド紹介)
同ブランドの創始者であるジョージ・カルダス氏は、現在では特許ともなっている黄金比マルチゲージ構造を開発することで全米中のユーザーに一躍認知され、MIT、オーディオクエストと並んで、米国ハイエンドケーブルの御三家と呼ばれるようになった。
さて、まず第1回目ではカルダス氏が開発した同ブランドのケーブルに関する技術的解説をレポートする。
まずカルダスケーブルを語る上で欠かせないのが特許を持つ独自の黄金比マルチゲージ構造である。この構造はいかなるものであろうか。黄金比(=約1.618:1)は地球上の自然そのものと同じくらい古くから存在するものであり、この比が最も人間の感覚に安定感を与えるものであるという。同社ではこの比をマルチゲージの線径に応用することで、ケーブル内に発生する共振をもっとも有効に排除するのである。これにより導体内での安定したQを常に一定に保ち、信号電流の速度を周波数に関係なく同一にすることで、位相の整合を実現することができるのである。
さらに、カルダスクロスと呼ばれる独自のクロスフィールド構成も特筆に価する。この手法は多層構造の各導体を一層毎に90度で交差させるというものであり、インダクタンスの内部上昇をさらに縮小させることができるのである。
導体には高純度銅を採用。絶縁にはテフロンを用いると共に、薄いウォールチューブが空気絶縁の効果を発揮する。また、超純度のQYAD共融混合物ハンダを作成することで、コンダクタをコネクターとの完全な連結を実現している。
このようにカルダスケーブルは、まさに正攻法による理論と厳選した素材を採用した画期的なラインアップとなっている。種類としてはインターコネクト、スピーカーケーブル、フォノケーブル、ヘッドホンケーブル、デジタルケーブルと非常に多岐にわたっている。次回からは、いよいよこれらの製品を順次紹介していくので、お楽しみいただきたい。
また、この度4月1日より、カルダス製品の輸入販売元である大場商事(株)では、価格改訂を行うこととなった。これは、米国カルダス社の協力や同社の企業努力等により、希望小売価格を大幅に引き下げたものである。これを機会に手に入れてみてはいかがだろうか。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)
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