【山之内 正の独HIGH END 2008レポート】ディナウディオから新シリーズ「Excite」登場
ミュンヘン市内の展示場「M.O.C.」でオーディオショウ「HIGH END 2008」が24日からスタートした。会場のM.O.C.は市内の広大なメッセ会場とは別に作られた中規模の展示場で、市内北部に位置する。サッカーの有名なスタジアム「アリアンツ・アリーナ」はここから2kmほどの距離にあり、会場の一部からもその得意な建築が目に入る。
今年は例年より1月ほど開催時期が早いこともあり、ドイツのなかでも比較的気温が低い地域であるミュンヘンではまだコートが手放せない。会場に入り込む暖かい日差しが心地よく感じられるほどだ。今年は出展社数が1割ほど増えたこともあり、スペースを広げてゆったりとした展示が行われている。来場者をディーラーなどに限定した初日の会場は特にゆとりが感じられ、じっくり見ることができた。目についた展示のなかから一部を紹介することにしよう。
ディナウディオは会場で同社の新しいラインナップ「Excite」シリーズを発表した。ホームオーディオ用スピーカーの中核をなすAudienceシリーズを継承するラインで、フロア型とブックシェルフ型それぞれ2モデルとセンタースピーカー1モデルの計5機種で構成される。Audienceシリーズは1990年の登場以来2回の世代交代を経た人気シリーズ。それを継承するExciteシリーズには当然ながらこれまで蓄積してきた技術がふんだんに盛り込まれている。設計思想は「どんなアンプで駆動しても優れた音楽性を発揮すること」にあるとされ、ディナウディオらしい真摯なモノ作りの姿勢が伝わってくる。会場ではまだ再生音を聴くことができなかったので、またあらためて紹介することにしよう。
ユニットはすべて新開発でウーファーは振動板にMSP、ボイスコイルはアルミニウムワイアを採用。1インチ厚のバッフルを組み合わせたMDF製キャビネットは見るからに堅固で剛性が高そうだ。外見自体は保守的と言っていいほどオーソドックスなものだが、中身は大幅に生まれ変わっている。ドイツの市場価格はフロア型の「Excite X36」が2500ユーロ、「Excite X32」が1980ユーロ、センタースピーカー「Excite X22 Center」が590ユーロ、ブックシェルフ型の「Excite X16」が1100ユーロ、「Excite X12」が780ユーロとされ、発売は6月初旬を予定している。日本にも夏以降順次導入される見込みだ。
昨年のHigh Endに続いてMuonを出展したKEFは例年以上に広大なブースを用意し、同社のフルラインナップをゆったりと展示した。強い存在感を放っていたのはハイエンドクラスの2機種のサブウーファー「Reference 208」と「Reference 209」である。前者は30cm、後者は45cmの大口径ウーファーユニットを搭載し、208が500W、209が1000Wの大出力アンプを内蔵。209の再生周波数帯域は最低周波数がなんと15Hzで、パイプオルガンの最低音16Hzをカバーしてしまう。キャビネットはかなり大振りだが密閉型であることを考えるとユニット径から想像するほどには大きくない。それは内部にKEF独自の効率的な吸音材ACEコンパウンドを大量に内蔵していることに理由がある。ユニットもキャビネットもほとんど手作業で作られるというだけあって、作りの良さと外見の美しさが際立っている。
会場ではReferenceシリーズとの組み合わせでReference208が実際に鳴っていた。量感よりもスピードと質感にこだわった良質な超低音は既存のサブウーファーと一線を画すもので、メインスピーカーときわめて自然につながっている。日本での発売が楽しみである。
(山之内 正)
今年は例年より1月ほど開催時期が早いこともあり、ドイツのなかでも比較的気温が低い地域であるミュンヘンではまだコートが手放せない。会場に入り込む暖かい日差しが心地よく感じられるほどだ。今年は出展社数が1割ほど増えたこともあり、スペースを広げてゆったりとした展示が行われている。来場者をディーラーなどに限定した初日の会場は特にゆとりが感じられ、じっくり見ることができた。目についた展示のなかから一部を紹介することにしよう。
ディナウディオは会場で同社の新しいラインナップ「Excite」シリーズを発表した。ホームオーディオ用スピーカーの中核をなすAudienceシリーズを継承するラインで、フロア型とブックシェルフ型それぞれ2モデルとセンタースピーカー1モデルの計5機種で構成される。Audienceシリーズは1990年の登場以来2回の世代交代を経た人気シリーズ。それを継承するExciteシリーズには当然ながらこれまで蓄積してきた技術がふんだんに盛り込まれている。設計思想は「どんなアンプで駆動しても優れた音楽性を発揮すること」にあるとされ、ディナウディオらしい真摯なモノ作りの姿勢が伝わってくる。会場ではまだ再生音を聴くことができなかったので、またあらためて紹介することにしよう。
ユニットはすべて新開発でウーファーは振動板にMSP、ボイスコイルはアルミニウムワイアを採用。1インチ厚のバッフルを組み合わせたMDF製キャビネットは見るからに堅固で剛性が高そうだ。外見自体は保守的と言っていいほどオーソドックスなものだが、中身は大幅に生まれ変わっている。ドイツの市場価格はフロア型の「Excite X36」が2500ユーロ、「Excite X32」が1980ユーロ、センタースピーカー「Excite X22 Center」が590ユーロ、ブックシェルフ型の「Excite X16」が1100ユーロ、「Excite X12」が780ユーロとされ、発売は6月初旬を予定している。日本にも夏以降順次導入される見込みだ。
昨年のHigh Endに続いてMuonを出展したKEFは例年以上に広大なブースを用意し、同社のフルラインナップをゆったりと展示した。強い存在感を放っていたのはハイエンドクラスの2機種のサブウーファー「Reference 208」と「Reference 209」である。前者は30cm、後者は45cmの大口径ウーファーユニットを搭載し、208が500W、209が1000Wの大出力アンプを内蔵。209の再生周波数帯域は最低周波数がなんと15Hzで、パイプオルガンの最低音16Hzをカバーしてしまう。キャビネットはかなり大振りだが密閉型であることを考えるとユニット径から想像するほどには大きくない。それは内部にKEF独自の効率的な吸音材ACEコンパウンドを大量に内蔵していることに理由がある。ユニットもキャビネットもほとんど手作業で作られるというだけあって、作りの良さと外見の美しさが際立っている。
会場ではReferenceシリーズとの組み合わせでReference208が実際に鳴っていた。量感よりもスピードと質感にこだわった良質な超低音は既存のサブウーファーと一線を画すもので、メインスピーカーときわめて自然につながっている。日本での発売が楽しみである。
(山之内 正)
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