オーディオファン・音楽ファン必聴のソフトが登場
KANKAWA×金野貴明 − 禁断のジャズ録音『ORGANIST』発売秘話<その2>
12月8日、CD(HQCD)、マスターCD-R、豪華アナログボックスという3種類で発売されたティートックレコーズのKANKAWA『ORGANIST』(関連ニュース)。
その内容について、オーディオライター鈴木 裕氏がKANKAWA氏とティートックレコーズの金野貴明氏にインタビューした。先週のレポートの続きをお届けする。
なお、『ORGANIST』アナログボックスについては、本ファイル・ウェブでも受け付けている(ご注文はこちらから)。
■こんな録音は初めてだ。丸裸にされたよう
ティートックレコーズのスタジオで初めて演奏した時のKANKAWA氏の感想が興味深い。
「何もかもが初体験で、怖くて弾けなかったよ。鍵盤のタッチを1ミリ変えただけで、その変化が出てしまうんだ。あまりにもクリア過ぎて、グルーヴが見えなくなったりもして、ここのスタジオは難しいと思った」。
これに対して金野氏は「はっきり聴こえ過ぎてしまうくらい、カンカワさんの繊細なニュアンスが忠実に出るんです。こちらも最初はどこでレスリー(ハモンド専用のスピーカー)の音を捉えればいいのか、試行錯誤でした。今回はオルガンの起動音とか、レスリーのゴーッていう回転音とか明確に入れるようにしているんですが、一般的な録音であれば避けるポイントにマイクをセッティングしています。リアルなオルガンの音は相当な大迫力、パワー感がありますので、それをどう録音するか悩みました」。
これに対するKANKAWA氏の言葉も面白い。
「パワー感というけどね、今回はハモンドB3を世界で一番小さい音量で弾いているんですよ。何回も試してみたら、自然にそういう音量で弾くことを自分のカラダが求めた。こんなことは今までやったことがないね。金野君の繊細な世界を理解しないで乱暴に弾くだけだったら、とんでもない(芳しくない)作品になるやろね。今回は僕のセオリーとかキャリアは通用せんかった。こんなに弾きにくくて、困った録音は今までなかったね」。
「KANKAWAさんが苦労していたのはわかっていたんですが、自分も苦労していました。自分はそこまで古いジャズやその録音のやり方をよく知らないので、比べる基準は自分しかなかったんです」と金野氏。
「そこなんだよ、彼が面白いのは。ジャズを録ろうとすると、すぐヴァンゲルダーとか出てくる。この人くらいだね、オリジナルなのは(笑)」。(その3へ続く)
その内容について、オーディオライター鈴木 裕氏がKANKAWA氏とティートックレコーズの金野貴明氏にインタビューした。先週のレポートの続きをお届けする。
なお、『ORGANIST』アナログボックスについては、本ファイル・ウェブでも受け付けている(ご注文はこちらから)。
■こんな録音は初めてだ。丸裸にされたよう
ティートックレコーズのスタジオで初めて演奏した時のKANKAWA氏の感想が興味深い。
「何もかもが初体験で、怖くて弾けなかったよ。鍵盤のタッチを1ミリ変えただけで、その変化が出てしまうんだ。あまりにもクリア過ぎて、グルーヴが見えなくなったりもして、ここのスタジオは難しいと思った」。
これに対して金野氏は「はっきり聴こえ過ぎてしまうくらい、カンカワさんの繊細なニュアンスが忠実に出るんです。こちらも最初はどこでレスリー(ハモンド専用のスピーカー)の音を捉えればいいのか、試行錯誤でした。今回はオルガンの起動音とか、レスリーのゴーッていう回転音とか明確に入れるようにしているんですが、一般的な録音であれば避けるポイントにマイクをセッティングしています。リアルなオルガンの音は相当な大迫力、パワー感がありますので、それをどう録音するか悩みました」。
これに対するKANKAWA氏の言葉も面白い。
「パワー感というけどね、今回はハモンドB3を世界で一番小さい音量で弾いているんですよ。何回も試してみたら、自然にそういう音量で弾くことを自分のカラダが求めた。こんなことは今までやったことがないね。金野君の繊細な世界を理解しないで乱暴に弾くだけだったら、とんでもない(芳しくない)作品になるやろね。今回は僕のセオリーとかキャリアは通用せんかった。こんなに弾きにくくて、困った録音は今までなかったね」。
「KANKAWAさんが苦労していたのはわかっていたんですが、自分も苦労していました。自分はそこまで古いジャズやその録音のやり方をよく知らないので、比べる基準は自分しかなかったんです」と金野氏。
「そこなんだよ、彼が面白いのは。ジャズを録ろうとすると、すぐヴァンゲルダーとか出てくる。この人くらいだね、オリジナルなのは(笑)」。(その3へ続く)
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