参考出展。発売は年内を予定
<ヘッドホン祭>デノン、新DDFA採用のフルデジタルヘッドホンアンプ/USB-DAC「DA-310USB」
デノンは、本日から開幕したフジヤエービック主催「秋のヘッドホン祭2016」にて旗艦ヘッドホン「AH-D7200」の発表会を開催。こちらで、新USB-DAC/ヘッドホンアンプ「DA-310USB」の参考出展を発表。製品の詳細が明かされた。
発売日や価格については、現時点では明かされていないが、2016年内の発売を予定。11月上旬に正式発表されるという。
「DA-310USB」は、2013年に登場した同社初のUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「DA-300USB」(関連ニュース)の後継モデルとなる。
クアルコム社のデジタルアンプデバイス「DDFA」による、フルデジタルプロセッシング・ヘッドホンアンプを採用したことが最大の特徴。さらに、本機では従来から大きく進化した最新世代DDFAを初採用。このDDFAは現時点では正式発表もされていないもので、搭載されたのはDA-310USBが世界初になるという。
DDFAによるフルデジタルプロセッシング・ヘッドホンアンプは、デノンのネットワークプレーヤー「DNP-2500NE」(関連ニュース)で初搭載。こちらは従来品のDDFAによるものだった。
DDFAは従来は複数のチップで構成されていたが、新DDFAでは膨大な処理能力をコンパクトな1チップに集積。本機のようなコンパクトな筐体にDDFAを搭載することを可能にした。レイアウトもゼロから見直しを行い、より理想的な構成を実現。音質をさらに向上させたという。
USB入力は11.2MHz DSDや384kHz/32bit PCMの再生、およびアシンクロナスモードに対応する。ヘッドホン出力は、入力から最終段までフルデジタルで処理。一方でUSB-DACでもあるため、アナログライン出力用にD/Aコンバーターも搭載。DACチップは、バー・ブラウン「PCM1795」を採用する。デノン最高峰のアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing Plus」も備えている。
PC等と接続できるUSB-B入力に加えて、光デジタル入力を2系統、同軸デジタル入力を1系統搭載する。光/同軸は192kHz/24bitまでの対応となる。
フルデジタルプロセシング・ヘッドホンアンプの採用により、35bit処理され0.5dBステップで調整できるボリュームを実現。全ての音量域での細かな音量調整が可能で、ギャングエラーも排除した。
また、高アンプゲイン設計により、300Ωや600Ωのハイインピーダンス・ヘッドホンも余裕をもって駆動できるという。3段階のゲイン切り替え機能も備える。
筐体は従来より一回り大きくなり、縦置き・横置きに対応するデザインを採用(従来はスタンドを使っての縦置きが可能だった)。縦置きすると、ディスプレイ表示の縦・横も追随する。新たに3mm厚のアルミカバーを採用した。
外形寸法は180W×65H×180Dmm(横置き時)、質量は1.5kg。
■新DDFAを正式発表に先駆けて世界初搭載
発表会では、USB-310USBの設計に携わったディーアンドエムホールディングス 飯原弘樹氏が登壇。本機の詳細について語った。また、DDFAを手がけるクアルコムの大島勉氏も登場した。
飯原氏はフルデジタルプロセッシング・ヘッドホンアンプの優位性について、D/A変換の変換処理が最小限に抑えらることで、それに伴うロスを防げるとのこと。さらには、DDFAのフィードバックシステムが音質に悪影響のあるDCオフセットをキャンセルするため、このDCオフセット除去に必要なカップリングコンデンサーを省略することが可能になった。これによりコンデンサー固有の色づけも排除し、可聴帯域の下限までフラットに延びる周波数特性を実現した。「非常に鮮度の高く、立ち上がりの早いサウンドになった」と飯原氏。
また、飯原氏はDDFAの最もユニークな点として、フルデジタルアンプでありながら、特徴的なフィードバック回路を備えていることを挙げた。「大電流を流しつつも周波数によってインピーダンスが大きく変動するヘッドホンを駆動するには、フィードバック回路は重要です」(飯原氏)。
なお、DA-300USBでは、DDFAにおいてデジタル領域でボリューム処理まで行われるため、DDFAから出力された信号は、ローパスフィルターのみを経てヘッドホンへ出力される。飯原氏は「当初、ローパスフィルターも省略するという案もありました。しかし、高い周波数の信号でヘッドホンが破損する可能性もあるので、ローパスフィルターは通る仕様としました」と語った。ローパスフィルターは音質的にも重要な要素で、部品選定などにも細心の注意を払ったという。
フルデジタルプロセッシング・ヘッドホンアンプの回路構成については、DNP-2500NEに搭載されたものと、ほぼ同等とのこと。ただ、部品選定や回路の面積については、サイズや価格に合わせて変更が行われているという。
大島氏は新DDFAについて「クアルコムのエンジニアの英知を集積した新チップです。初代DDFAのコンセプトは継承しつつ、最新のテクノロジーを惜しみなく投入していいます」と紹介。またデジタルフィルターやオーバーサンプリングなどの見直しも実施しているとのことだった。
電源には、AC電源を採用。スイッチング電源からのノイズ対策も行い、リニアレギュレーターを内蔵することで電源を安定化させている。
ゲストとして登場したオーディオ評論家の岩井喬氏は、本機のサウンドについて「S/Nや空間再現に優れていて、従来機からの純粋な進化を感じます。デジタルっぽさを感じない音調も魅力です」と紹介。
また「DA-300USBも優れたヘッドホンアンプを搭載していたが、ハイインピーダンスのヘッドホンを組み合わせると非力な印象もありました。DA-310USBは、ハイインピーダンスのヘッドホンでも余裕を持って鳴らし切ってくれるところに魅力があると思います」とコメントしていた。
質疑応答では、「DDFAが1チップ化されたことで、ポータブルヘッドホンアンプへの採用もあり得るのか」という質問も。デノンの宮原氏は「可能性はあるでしょう」と答えていた。
発売日や価格については、現時点では明かされていないが、2016年内の発売を予定。11月上旬に正式発表されるという。
「DA-310USB」は、2013年に登場した同社初のUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「DA-300USB」(関連ニュース)の後継モデルとなる。
クアルコム社のデジタルアンプデバイス「DDFA」による、フルデジタルプロセッシング・ヘッドホンアンプを採用したことが最大の特徴。さらに、本機では従来から大きく進化した最新世代DDFAを初採用。このDDFAは現時点では正式発表もされていないもので、搭載されたのはDA-310USBが世界初になるという。
DDFAによるフルデジタルプロセッシング・ヘッドホンアンプは、デノンのネットワークプレーヤー「DNP-2500NE」(関連ニュース)で初搭載。こちらは従来品のDDFAによるものだった。
DDFAは従来は複数のチップで構成されていたが、新DDFAでは膨大な処理能力をコンパクトな1チップに集積。本機のようなコンパクトな筐体にDDFAを搭載することを可能にした。レイアウトもゼロから見直しを行い、より理想的な構成を実現。音質をさらに向上させたという。
USB入力は11.2MHz DSDや384kHz/32bit PCMの再生、およびアシンクロナスモードに対応する。ヘッドホン出力は、入力から最終段までフルデジタルで処理。一方でUSB-DACでもあるため、アナログライン出力用にD/Aコンバーターも搭載。DACチップは、バー・ブラウン「PCM1795」を採用する。デノン最高峰のアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing Plus」も備えている。
PC等と接続できるUSB-B入力に加えて、光デジタル入力を2系統、同軸デジタル入力を1系統搭載する。光/同軸は192kHz/24bitまでの対応となる。
フルデジタルプロセシング・ヘッドホンアンプの採用により、35bit処理され0.5dBステップで調整できるボリュームを実現。全ての音量域での細かな音量調整が可能で、ギャングエラーも排除した。
また、高アンプゲイン設計により、300Ωや600Ωのハイインピーダンス・ヘッドホンも余裕をもって駆動できるという。3段階のゲイン切り替え機能も備える。
筐体は従来より一回り大きくなり、縦置き・横置きに対応するデザインを採用(従来はスタンドを使っての縦置きが可能だった)。縦置きすると、ディスプレイ表示の縦・横も追随する。新たに3mm厚のアルミカバーを採用した。
外形寸法は180W×65H×180Dmm(横置き時)、質量は1.5kg。
■新DDFAを正式発表に先駆けて世界初搭載
発表会では、USB-310USBの設計に携わったディーアンドエムホールディングス 飯原弘樹氏が登壇。本機の詳細について語った。また、DDFAを手がけるクアルコムの大島勉氏も登場した。
飯原氏はフルデジタルプロセッシング・ヘッドホンアンプの優位性について、D/A変換の変換処理が最小限に抑えらることで、それに伴うロスを防げるとのこと。さらには、DDFAのフィードバックシステムが音質に悪影響のあるDCオフセットをキャンセルするため、このDCオフセット除去に必要なカップリングコンデンサーを省略することが可能になった。これによりコンデンサー固有の色づけも排除し、可聴帯域の下限までフラットに延びる周波数特性を実現した。「非常に鮮度の高く、立ち上がりの早いサウンドになった」と飯原氏。
また、飯原氏はDDFAの最もユニークな点として、フルデジタルアンプでありながら、特徴的なフィードバック回路を備えていることを挙げた。「大電流を流しつつも周波数によってインピーダンスが大きく変動するヘッドホンを駆動するには、フィードバック回路は重要です」(飯原氏)。
なお、DA-300USBでは、DDFAにおいてデジタル領域でボリューム処理まで行われるため、DDFAから出力された信号は、ローパスフィルターのみを経てヘッドホンへ出力される。飯原氏は「当初、ローパスフィルターも省略するという案もありました。しかし、高い周波数の信号でヘッドホンが破損する可能性もあるので、ローパスフィルターは通る仕様としました」と語った。ローパスフィルターは音質的にも重要な要素で、部品選定などにも細心の注意を払ったという。
フルデジタルプロセッシング・ヘッドホンアンプの回路構成については、DNP-2500NEに搭載されたものと、ほぼ同等とのこと。ただ、部品選定や回路の面積については、サイズや価格に合わせて変更が行われているという。
大島氏は新DDFAについて「クアルコムのエンジニアの英知を集積した新チップです。初代DDFAのコンセプトは継承しつつ、最新のテクノロジーを惜しみなく投入していいます」と紹介。またデジタルフィルターやオーバーサンプリングなどの見直しも実施しているとのことだった。
電源には、AC電源を採用。スイッチング電源からのノイズ対策も行い、リニアレギュレーターを内蔵することで電源を安定化させている。
ゲストとして登場したオーディオ評論家の岩井喬氏は、本機のサウンドについて「S/Nや空間再現に優れていて、従来機からの純粋な進化を感じます。デジタルっぽさを感じない音調も魅力です」と紹介。
また「DA-300USBも優れたヘッドホンアンプを搭載していたが、ハイインピーダンスのヘッドホンを組み合わせると非力な印象もありました。DA-310USBは、ハイインピーダンスのヘッドホンでも余裕を持って鳴らし切ってくれるところに魅力があると思います」とコメントしていた。
質疑応答では、「DDFAが1チップ化されたことで、ポータブルヘッドホンアンプへの採用もあり得るのか」という質問も。デノンの宮原氏は「可能性はあるでしょう」と答えていた。
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