ハイレゾ用アンプやDACの開発も予定
ロームがオーディオ用デバイスの取り組みを説明。聴感で音決め、ハイレゾ対応DACやアンプも開発予定
既報のとおり、ロームは昨日同社のオーディオに関する取り組みを紹介するセミナーを開催。ハイレゾ対応新オーディオSoC「BM94803AEKU」も発表した(関連ニュース)。本稿では同社のこれまでのあゆみとオーディオ関連の実績についてレポートしたい。
ロームは1958年に設立。1969年からLSI事業をスタートし、1971年には日本企業として初めてシリコンバレーに進出した。現在の主力は車載用・産機向け製品だが、オーディオ向けLSIの歴史も1970年代からと長い。
また、公益社団法人ローム ミュージック ファンデーションを擁しており、若い音楽家の育成やコンサートの支援に取り組み。昨年1月にはロームシアター京都をオープンするなど、音楽文化を支える企業としての顔も持つ。
同社の特長は、開発から製造、販売に至るまで自社で手掛ける垂直統合ラインと、幅広いラインナップ。担当エンジニアがひとつの製品を量産まで手掛けるほか、回路設計やレイアウト、製造プロセスや材質に至るまできめ細かくカスタムが可能。またIC単体ではなくソリューション提案を行うことをポリシーとしており、組織内に「高品質設計室」を設けるほか、活用方法まで含めた提案を推し進めているという。
こういった思想はオーディオ向け製品にも活かされているとのこと。昨年秋にリリースしたハイエンドAVアンプ向けサウンドプロセッサー「BD34704KS2/BD34705KS2」では、「ボリューム回路の抵抗ラダーに使う抵抗素子のノイズ」「電源/GNDの共通インピーダンス」「ボンディングワイヤーの材質」など音質に影響する28のパラメーターを、メーカーのニーズに合わせて最適化することで、狙いの音質を実現したという。
測定数値だけでなく、同社横浜テクノロジーセンター内に用意された専用リスニングルームにて聴感評価による最終チェックを経て音質設計を行っていることもアピールされた。
また年間10社以上のメーカーに新製品を持ち込み、性能をアピールする試聴会も開催。同社オーディオ開発課の佐藤陽亮氏は「道場破りのようなかたち」と話す。
ロームはこれまでヤマハのフラグシップAVアンプ「CX-A5100」の電子ボリュームや、テクニクスのG30シリーズ/コンポ“OTTAVA"のフルデジタルアンプを共同開発してきた。またデノンのAVアンプ「AVR-X2300W」やアルパインのカーナビなどにも導入実績を持つ。
今後はハイレゾ時代にあわせ、オーディオ用超低ノイズ電源ICやハイレゾ対応アンプ、ハイレゾ対応DACなどの開発も予定しているという。
今後開発予定のオーディオ用超低ノイズ電源ICは、ハイレゾオーディオに適した超低ノイズLDOで、ノイズレベルは5μVrms以下、PSRRは50dB以上(1MHz時)を狙う。
またハイレゾ対応アンプは、50W以上の高出力スピーカーアンプを予定。DSP内蔵タイプで、SiCなどスピーカー駆動用トランジスタを外付けできるものになるという。
ハイレゾ対応DACはフラグシップオーディオ機器向けのもので、数値性能だけでなく力強い低音と伸びやかなボーカルを再現することを目指している。また車載にも使える信頼性も確保したいとしている。
説明会に登壇したオーディオ評論家の山之内 正氏は「これまではデバイスメーカーが提供したDACをオーディオメーカーが使いこなすのが普通のスタイルだった。しかし昨今のように音源が多様化すると、DAC部分にオリジナル技術を投入するといったメーカーも登場する。最近だとマランツがSA-10に搭載したディスクリートDACなどが記憶に新しい。デバイスメーカーが持つアナログ半導体のノウハウと、オーディオメーカーのチューニング技術を融合させる必要が出てくる。今後両者が一緒に開発に取り組む機会が増えていくと思う」と、ロームの取り組みについても期待を込めて語った。
ロームは1958年に設立。1969年からLSI事業をスタートし、1971年には日本企業として初めてシリコンバレーに進出した。現在の主力は車載用・産機向け製品だが、オーディオ向けLSIの歴史も1970年代からと長い。
また、公益社団法人ローム ミュージック ファンデーションを擁しており、若い音楽家の育成やコンサートの支援に取り組み。昨年1月にはロームシアター京都をオープンするなど、音楽文化を支える企業としての顔も持つ。
同社の特長は、開発から製造、販売に至るまで自社で手掛ける垂直統合ラインと、幅広いラインナップ。担当エンジニアがひとつの製品を量産まで手掛けるほか、回路設計やレイアウト、製造プロセスや材質に至るまできめ細かくカスタムが可能。またIC単体ではなくソリューション提案を行うことをポリシーとしており、組織内に「高品質設計室」を設けるほか、活用方法まで含めた提案を推し進めているという。
こういった思想はオーディオ向け製品にも活かされているとのこと。昨年秋にリリースしたハイエンドAVアンプ向けサウンドプロセッサー「BD34704KS2/BD34705KS2」では、「ボリューム回路の抵抗ラダーに使う抵抗素子のノイズ」「電源/GNDの共通インピーダンス」「ボンディングワイヤーの材質」など音質に影響する28のパラメーターを、メーカーのニーズに合わせて最適化することで、狙いの音質を実現したという。
測定数値だけでなく、同社横浜テクノロジーセンター内に用意された専用リスニングルームにて聴感評価による最終チェックを経て音質設計を行っていることもアピールされた。
また年間10社以上のメーカーに新製品を持ち込み、性能をアピールする試聴会も開催。同社オーディオ開発課の佐藤陽亮氏は「道場破りのようなかたち」と話す。
ロームはこれまでヤマハのフラグシップAVアンプ「CX-A5100」の電子ボリュームや、テクニクスのG30シリーズ/コンポ“OTTAVA"のフルデジタルアンプを共同開発してきた。またデノンのAVアンプ「AVR-X2300W」やアルパインのカーナビなどにも導入実績を持つ。
今後はハイレゾ時代にあわせ、オーディオ用超低ノイズ電源ICやハイレゾ対応アンプ、ハイレゾ対応DACなどの開発も予定しているという。
今後開発予定のオーディオ用超低ノイズ電源ICは、ハイレゾオーディオに適した超低ノイズLDOで、ノイズレベルは5μVrms以下、PSRRは50dB以上(1MHz時)を狙う。
またハイレゾ対応アンプは、50W以上の高出力スピーカーアンプを予定。DSP内蔵タイプで、SiCなどスピーカー駆動用トランジスタを外付けできるものになるという。
ハイレゾ対応DACはフラグシップオーディオ機器向けのもので、数値性能だけでなく力強い低音と伸びやかなボーカルを再現することを目指している。また車載にも使える信頼性も確保したいとしている。
説明会に登壇したオーディオ評論家の山之内 正氏は「これまではデバイスメーカーが提供したDACをオーディオメーカーが使いこなすのが普通のスタイルだった。しかし昨今のように音源が多様化すると、DAC部分にオリジナル技術を投入するといったメーカーも登場する。最近だとマランツがSA-10に搭載したディスクリートDACなどが記憶に新しい。デバイスメーカーが持つアナログ半導体のノウハウと、オーディオメーカーのチューニング技術を融合させる必要が出てくる。今後両者が一緒に開発に取り組む機会が増えていくと思う」と、ロームの取り組みについても期待を込めて語った。
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