設定の自由度も向上

アキュフェーズ、第5世代デジタルチャンネルデバイダー「DF-75」。AD/DA回路やDSPを強化

公開日 2024/06/12 12:04 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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ACCUPHASE(アキュフェーズ)は、デジタルチャンネルデバイダーの第5世代モデルとなる「DF-75」を、6月中旬より発売する。価格は1,078,000円(税込)。

デジタルチャンネルデバイダー「DF-75」

同社のチャンネルデバイダーとしては1976年に発売された初号機「F-5」から数えて11世代目、デジタルチャンネルデバイダーとしては1999年の「DF-35」から数えて5世代目にあたる製品。2017年発売の前モデル「DF-65」からは約7年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

AD/DAコンバーター回路を前モデルより高性能化。ADコンバーターには旭化成マイクロデバイスの「AK5578」を、DAコンバーターにはESSテクノロジーの「ES9028PRO」を4並列で搭載。いずれも独自技術のANCCを採用することで、セパレーションの向上やノイズの低減を図っている。

DF-75の内部構造

DSPとしてアナログデバイセズの「ADSP-21565KSWZ10」を採用し、フィルタ計算をさらに高精度化。これにともない、カットオフ周波数は従来の59ポイントから3101ポイントへ拡大し、設定の自由度が大幅に向上した。10Hzから99.9Hzまでは0.1Hz刻み、100Hzから999Hzまでは1Hz刻み、1kHzから9.99kHzまでは10Hz刻み、10kHzから50kHzまでは100Hz刻みで、それぞれ設定が可能となっている。

より精度の高い演算が可能なアナログデバイセズのDSP「ADSP-21565KSWZ10」を採用

192kHzまでは64bit浮動小数点で演算、192kHzを超える周波数では40bitにて計算を実施。スロープについても、6、12、18、24dB/octに加えて20Hzから31.4Hzでは48dB/oct、31.5Hzから50kHzでは96dB/octも選択できる。

DF-75に搭載されるフィルターアンプ回路

DAコンバーター回路

またスピーカーユニット間の遅延時間を調整するディレイ機能や、フィルター通過時の遅延を自動補正するディレイ・コンペンセーターを搭載。従来モデルに存在していたDSPメモリー容量の制約が解消されたため、2台組み合わせて使用する場合でもディレイ値を正確に設定できるようになった。

そのほか、ロゴLED以外のすべての表示を消灯するためのディスプレイ・オフスイッチを追加。消灯時には入力も含めすべての設定ができなくなるので、不意の設定変更を防ぐことができる。

入力端子は、RCA、XLRのアナログ入力が1系統ずつと、Optical、Coaxial、HS-LINKの3系統のデジタル入力を搭載する。アナログ出力はチャンネルAからDまで4系統を備える。サイズは465W×151H×396Dmm、質量は15.1kg。消費電力は33Wとなっている。

DF-75の背面端子。4ウェイ・チャンネルデバイダーとして使用できる

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