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地上デジタル・BSデジタルへのコピー制御、質疑応答を全問掲載

公開日 2003/11/17 19:26
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●日本放送協会(NHK)と(社)日本民間放送連盟は、本日東京都内で記者会見を行い、2004年4月より、地上波デジタルとBSデジタルの全番組にコピー制御方式を導入すると発表した。記者会見席上で行われた質疑応答をすべてご紹介する。

Q:映画や音楽など、様々な業界からコピー制御導入の要望があったと思うが、一番強く導入を要請したのはどの業界か。
A:一番と言うことでは、ハリウッドをはじめとする映画業界だ。そのほかにも、音楽業界や芸能プロなど、様々な権利保持者が導入を希望している。

Q:アメリカではニュース番組へのコピー制御導入に反対もあったと聞くが、その点はどうか。
A:番組の中でのコーナーごと、シーンごとに、コピー制御を入れたり入れなかったりするのは不可能に近い。基本的にはすべての番組にコピー制御をかける。

Q:メモリーカードに、QVGAサイズなどの低解像度でダビングする機器が存在するが、この場合にもコピー制御は働くのか。
A:解像度は関係ない。コピーすれば元の映像は消える。

Q:この措置で、本当に海賊版は無くなると思うか。
A:優秀なハッカーが本気になれば、コピー制御を破るのは不可能ではない。だが、業界をあげてコピー防止に取り組むことで、一定の効果は得られるはずだ。また、もしコピー制御が破られれば、技術を高度化するなどして対応する。

Q:結局はイタチごっこになるのではないか。
A:もしそうなったとしても、徹底してコピー防止に努め、不法行為に対処していく。

Q:コピー番組が売買されている場として、ヤフーオークションの名前が挙がったが、具体的に申し入れ等は行っているのか。
A:不法な出品を見つけるたびに、掲載削除を申し入れている。だが、現実的な問題として、即刻削除とはいかない。また、掲載削除を逃れるために土日のみの限定で出品しているケースも多い。

Q:コピー制御について、メーカーの理解は得られているか。
A:メーカーとは、コピー制御導入の検討段階から、相当問題点を詰めている。理解と得られている。

Q:視聴者への告知が重要になると思うが。
A:その通りだ。様々な啓蒙・告知活動を行っていく。

Q:コピー制御導入のコストはどの程度かかるか。
A:具体的な数字が手元にない。計算は少々複雑で、B-CASはBSデジタル放送事業者とメーカーの持ち合いで出資しているが、地上波デジタルもB-CASに参加することで持ち合い比率が変わることになる。

Q:一切コピーができない「ネバーコピー」を導入する可能性は。
A:現在のところ、コピーワンス以外を導入することは考えていない。ただし、5年後、10年後に著作権に対する考え方が変わった場合、どうなるかはわからない。

Q:BSデジタル放送でのB-CASカード自動更新はいつまで行う?
A:3月いっぱいまで行う。4月にはコピー制御を導入するので、当然それまでにはデータ書き換えを完了させなければならない。

Q:未対応カードの2000番台はいつまで販売していたのか、また何枚程度が流通しているのか。
A:00年9月から販売を開始し、地上デジタルとの複合機が登場する今秋まで販売されていた。約180万枚程度が流通している。

Q:B-CASカードの再発行は有償か。
A:B-CASでは、有償で、再発行価格は2,000円としている。ただし、NHKと民放連では、3月末まで特別の配慮をお願いしている。

Q:05年より携帯電話向けの地上デジタル放送がスタート予定だが、携帯向け放送でもコピー制御が導入されるのか。
A:現在、コピー制御を行うかどうか検討している段階だ。メーカー、通信事業者とも協議していかなければならない。

Q:将来的に「ネバーコピー」を主張してくるアーティストや権利団体が現れたらどう対処するのか。
A:NHKと民放連では、ネバーコピーは全く考えていない。録画の自由は守られるべきだと思う。

(Phile-web編集部)

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