DVDフォーラム日本コンファレンス2004開催 次世代DVDの最新動向
●10月6日、東京都内の施設においてDVDフォーラムが主催する「DVDフォーラムジャパンコンファレンス2004」が開催された。本コンファレンスは毎年、DVDフォーラムの活動報告を行うため、日本、アメリカ、欧州、台湾、中国の世界各地域を巡っているものである。
今年も会場には多くの業界関係者が集まりDVDの全般にわたる各作業部会(WG)からの主な報告、ならびに「高倍速DVDの最新動向」「次世代DVDビデオの最新動向」「DVD-Audioの最新動向」などをテーマにした全12本の講演会が朝から夕方まで行われた。
今回は本フォーラムで開催された「次世代DVDビデオの最新動向」を巡る2つの講演会の模様をお伝えしよう。
はじめに日本電機(株)メディア情報研究所 主任研究員である山中豊氏から「HD DVD(物理規格)の最新動向」をテーマとした講演が行われた。
講演内容において山中氏は所属するWG-11において取り組まれている「HD DVDの物理規格作成」「物理規格の概要」に関する詳細を明らかにした。
今9月で79社のメンバーが参加しているWG-11では、現在HD DVDメディアに関する物理規格書の作成が進められており、HD DVD-ROMはVer.1.0が本年6月に発行済み、HD DVD-RewritableがVer.1.0を10月頃に発行予定、HD DVD-RがVer.1.0を2005年初頭に発行予定と、それぞれの進捗状況が明らかにされた。
「HD DVDの規格は現行DVDの規格をできるだけ継承しながら、HD DVDどうし3種類(ROM/書換型/追記型)の間での互換性も最大限に確保していくことが作成上の基本姿勢となっている」と山中氏は語る。
HD DVDの各メディア規格ごとに、現時点で取り決められているユーザーデータ容量も発表された。これによると、HD DVD-ROMの片面・単層ディスクは15GB、両面二層のディスクは60GBの容量を備えるディスクが検討されており、書換型、追記型のディスクともに大容量の高品位コンテンツを記録することが可能な仕様となっている。現在検討されている各規格の仕様一覧も紹介された。詳細は以下の写真でご確認頂きたい。
山中氏からは、現在着実に規格化が進められているHD DVD-RW、HD DVD-Rの記録メディアに関する進捗状況も明らかにされた。HD DVDの各メディアにおいては、基本的にデータ構造や記録メディアのアドレス構造を共通化させながら、アドレス構造の詳細について各記録メディアの特性やトラック構造に合わせた最適化を行っていく。記録メディアの自由度を拡大し、種種のメディア構造やメディア材料が利用可能な規格となっている。また、BCAとプリピットによるシステムリードインを各規格で共通化することによって、媒体の認識や著作権制御が容易な規格となっている。
講演会の最後に山中氏は、今後の作業部会の取り組みとして「来年以降は高速記録化への流れ、2層化へ流れに向けた取り組みを進めていきたい」と目標を語った。
続いて(株)東芝デジタルメディアネットワーク社コアテクノジーセンター 光ディスク開発部参事である三村英紀氏より「次世代DVDビデオの最新動向」を巡る講演会が行われた。
三村氏が所属する作業部会では、DVDディスクに記録されるビデオアプリケーション規格を、家電・PC双方の機器において楽しめるよう作成することがテーマとなっている。現在、次世代DVDビデオ規格では「高画質・高音質コンテンツ収録の実現」「インタラクティブ機能の充実」「Webコンテンツとの融合」を、次世代DVDビデオレコーディング規格ではさらに「高効率ビデオ圧縮による長時間記録」「デジタル放送記録」などをテーマにそれぞれの規格作成を進めているという。
HD DVDをはじめとする次世代DVDビデオアプリケーションの規格作成を進めていく上で、コンテンツ制作サイドとのコミュニケーションも昨今ますます密になってきているようだ。
コンテンツ制作サイドからは、OSや機器に依存しないフォーマット、HD/SD双方の解像度のサポート、マルチチャンネルオーディオのサポート、様々なユーザーインターフェイスへの考慮などが求めらていると三村氏は語る。作業部会の方針としては、これらコンテンツ制作サイドの要求にできるだけ対応しながら、リーズナブルでユーザーが長く楽しめる継続性を重視した規格作成を進めていく考えが三村氏より明らかにされた。
三村氏による講演会の最後にはHD DVDが採用するビデオコーデックである「H.264」「VC-1」それぞれのフォーマットによる高品位映像コンテンツのデモンストレーションが行われ、会場の視線を釘付けにした。
【問い合わせ先】
DVDフォーラム事務局
TEL/03-5777-2881
(Phile-web編集部)
今年も会場には多くの業界関係者が集まりDVDの全般にわたる各作業部会(WG)からの主な報告、ならびに「高倍速DVDの最新動向」「次世代DVDビデオの最新動向」「DVD-Audioの最新動向」などをテーマにした全12本の講演会が朝から夕方まで行われた。
今回は本フォーラムで開催された「次世代DVDビデオの最新動向」を巡る2つの講演会の模様をお伝えしよう。
はじめに日本電機(株)メディア情報研究所 主任研究員である山中豊氏から「HD DVD(物理規格)の最新動向」をテーマとした講演が行われた。
講演内容において山中氏は所属するWG-11において取り組まれている「HD DVDの物理規格作成」「物理規格の概要」に関する詳細を明らかにした。
今9月で79社のメンバーが参加しているWG-11では、現在HD DVDメディアに関する物理規格書の作成が進められており、HD DVD-ROMはVer.1.0が本年6月に発行済み、HD DVD-RewritableがVer.1.0を10月頃に発行予定、HD DVD-RがVer.1.0を2005年初頭に発行予定と、それぞれの進捗状況が明らかにされた。
「HD DVDの規格は現行DVDの規格をできるだけ継承しながら、HD DVDどうし3種類(ROM/書換型/追記型)の間での互換性も最大限に確保していくことが作成上の基本姿勢となっている」と山中氏は語る。
HD DVDの各メディア規格ごとに、現時点で取り決められているユーザーデータ容量も発表された。これによると、HD DVD-ROMの片面・単層ディスクは15GB、両面二層のディスクは60GBの容量を備えるディスクが検討されており、書換型、追記型のディスクともに大容量の高品位コンテンツを記録することが可能な仕様となっている。現在検討されている各規格の仕様一覧も紹介された。詳細は以下の写真でご確認頂きたい。
山中氏からは、現在着実に規格化が進められているHD DVD-RW、HD DVD-Rの記録メディアに関する進捗状況も明らかにされた。HD DVDの各メディアにおいては、基本的にデータ構造や記録メディアのアドレス構造を共通化させながら、アドレス構造の詳細について各記録メディアの特性やトラック構造に合わせた最適化を行っていく。記録メディアの自由度を拡大し、種種のメディア構造やメディア材料が利用可能な規格となっている。また、BCAとプリピットによるシステムリードインを各規格で共通化することによって、媒体の認識や著作権制御が容易な規格となっている。
講演会の最後に山中氏は、今後の作業部会の取り組みとして「来年以降は高速記録化への流れ、2層化へ流れに向けた取り組みを進めていきたい」と目標を語った。
続いて(株)東芝デジタルメディアネットワーク社コアテクノジーセンター 光ディスク開発部参事である三村英紀氏より「次世代DVDビデオの最新動向」を巡る講演会が行われた。
三村氏が所属する作業部会では、DVDディスクに記録されるビデオアプリケーション規格を、家電・PC双方の機器において楽しめるよう作成することがテーマとなっている。現在、次世代DVDビデオ規格では「高画質・高音質コンテンツ収録の実現」「インタラクティブ機能の充実」「Webコンテンツとの融合」を、次世代DVDビデオレコーディング規格ではさらに「高効率ビデオ圧縮による長時間記録」「デジタル放送記録」などをテーマにそれぞれの規格作成を進めているという。
HD DVDをはじめとする次世代DVDビデオアプリケーションの規格作成を進めていく上で、コンテンツ制作サイドとのコミュニケーションも昨今ますます密になってきているようだ。
コンテンツ制作サイドからは、OSや機器に依存しないフォーマット、HD/SD双方の解像度のサポート、マルチチャンネルオーディオのサポート、様々なユーザーインターフェイスへの考慮などが求めらていると三村氏は語る。作業部会の方針としては、これらコンテンツ制作サイドの要求にできるだけ対応しながら、リーズナブルでユーザーが長く楽しめる継続性を重視した規格作成を進めていく考えが三村氏より明らかにされた。
三村氏による講演会の最後にはHD DVDが採用するビデオコーデックである「H.264」「VC-1」それぞれのフォーマットによる高品位映像コンテンツのデモンストレーションが行われ、会場の視線を釘付けにした。
【問い合わせ先】
DVDフォーラム事務局
TEL/03-5777-2881
(Phile-web編集部)