東芝、世界初のHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を本日発売
(株)東芝は、世界初のHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を本日3月31日から出荷開始した。本日東京都内で発表会を開催した。レポートしているように、すでに東京都内では販売が開始されている。全国に行き渡るのは4月7日頃になる見込み。4月27日までの出荷分には「バイオハザード」「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」の2つのHD DVDソフトを同梱する。
価格はオープンだが11万円前後での販売が予想される。今年のCESでは、米国で「HD-A1」を499.99ドル、「HD-XA1」を799.99ドルで発売すると発表していたが、国内では低価格機の「HD-A1」は発売されない。
本機は、HD DVD-ROM、DVDビデオ、DVD-RAM(VRモード)、DVD-R(ビデオモード)、DVD-RW(ビデオ/VRモード)、音楽CD、CD-R/RW(CD-DA/MP3/WMA)の再生に対応。CPRMの1回だけ録画可能タイトルの再生は行えない。
映像出力はHDMI(バージョン1.2a相当)×1、コンポーネント出力×1、D4端子×1、Sビデオ端子×1、ビデオ端子×1。出力は480i/480p/720p/1080iを切り替えることができ、アップ/ダウンコンバートに対応している。解像度は、再生中にもリモコンの専用端子で切り替えることが可能。また、リモコンには「HDMI/D端子」切り替えボタンも用意され、使用していない側の映像回路を遮断し、画質を向上させる工夫も施している。
再生できる映像のコーデックは、MPEG2のほか、MPEG4 AVC/H.264やVC-1。これらはHD DVDの規格に盛り込まれているものだ。同社デジタルAV事業部 DAV商品企画部 部長の伊藤眞一氏は、MPEG4 AVC/H.264の利点を強調。「あす本放送を開始するワンセグにも採用されるなど、世界的に普及が加速するコーデックだ。MPEG2に比べ1.5〜2倍の符号化効率を持ち、今後、効率はさらに上昇すると予想する。たとえば20MbpsのMPEG4 AVC/H.264は、30MbpsのMPEG2映像と同程度の画質になる。30MbpsのMPEG2映像は、デジタル放送のMPEG2のビットレートより高い。HD DVDではデジタル放送を超える高画質再生が可能になる」と説明する。
音声は、従来からのドルビーデジタルのほか、ドルビーデジタルプラス(5.1ch)、ドルビーTrue HD(2ch)、DTS-HD(5.1ch)、リニアPCM(5.1ch)に対応。ドルビーデジタルプラスとDTS-HDについては、7.1chフォーマットのソフトの場合は5.1ch分の出力しか行えない。また、2chを超えるドルビーTrue HDソースは、2chにダウンミックスされる。
音声の出力端子は、2chアナログ出力×1、5.1chアナログ出力×1、同軸デジタル×1、光デジタル出力×1。
本機に搭載されている、バージョン1.2a相当のHDMIではドルビーデジタルプラスやDTS-HDなどのビットストリーム出力に対応していない。このため、これらをHDMI端子から出力する場合はリニアPCM5.1chに変換して出力する。リニアPCM5.1chをAVアンプ側で受けるには、AVアンプのHDMI端子がバージョン1.2相当であることが必要になる。現在のところ、パナソニックの「SU-XR57」が対応している。もちろん、内部でD/A変換を行い、5.1chアナログ出力端子から出力することも可能。なお、本機のHDMI端子は、VIERA Linkで利用されている、HDMIのCEC信号にも対応しており、REGZAなどが対応すれば、電源オンオフの連動などが可能になる。
端子では、本体前面にEXTENSION端子も2基搭載。端子の形状はUSBと同じ。仕様には「将来の機能拡張用」とあり、説明員の話では「ゲームなどへの使用を見込んでいるが、ソフト次第だ」とのこと。HD DVDにはiHDというインタラクティブ機能が盛り込まれており、この機能を使用したゲームなどがソフトに盛り込まれ、その操作にUSB接続のコントローラーを使用するという可能性もありそうだ。
また背面には、機能拡張用のRS-232C端子やLAN端子も備える。
ユーザーインターフェースの面では「アドバンスト機能」を装備。ソフトを再生中に、メニューやチャプターを重ねて表示したり、機能を選択する「ポップアップ・メニュー」機能に対応。また、監督のメッセージやメイキングなどの特典映像をサブ画面で同時に動画として再生するP in P(ピクチャーインピクチャー)機能にも対応する。また、将来的にはLAN端子を介してインターネットに接続し、オンラインショッピングを行うことも可能になる。なお、本日の発表会では、動画再生中にメニューを表示し、特典映像を見た後、再生中の場面に復帰するというデモも行われた。
本機は高画質・高音質再生にこだわった上級機的な位置づけのため、各部の仕様には高品位なものが用いられている。
映像面では、IP変換にART(Advanced Real Theater)モードプログレッシブ回路+D4対応スケーラーを、ビデオエンコーダーにはHD 2倍オーバーサンプリングSSAF採用の216MHz/11ビット仕様「ADV7312」を、アナログ処理回路にはHDフォーマット互換の完全DC結合アクティブIV変換LPFアンプを採用。
オーディオ回路は、D/Aコンバーターに192kHz/24ビット対応マルチビットΔΣ DAC「PCM1755」を4機、アナログ処理回路には多重帰還形アクティブLPFアンプを搭載。
筐体にもこだわりが数多く見られる。シャーシは高剛性デュアル構造で、リアパネルはステンレス製。底部にはアルミ削りだし大型インシュレーターを備える。また、ローカルレギュレーターで回路の安定動作をサポートする「マルチプルレギュレーター方式」も採用した。さらに、AV系のアンプやフィルター回路には基本的に0.5%級金属皮膜抵抗を配置し、オーディオ系のLPF回路にはフィルムコンデンサーを搭載。これによりノイズや歪みの少ない動作を実現した。さらに、オーディオ出力電源には中容量の低インピーダンスケミコンをパラレル接続し、低インピーダンス化をさらに充実させた。
これらの回路や仕様には、同社のハイエンドDVDプレーヤー「SD9500」で培った技術が投入されている。
本体前面のフロントドアは電動で開閉する。リモコンは、手に取るとバックライトが点灯するシアターライト機能を備える。シアターライト機能はリモコンのボタンでON/OFFが可能。高級機にふさわしく「気合いを入れてデザインした」(DAV商品企画部 部長の伊藤眞一氏)という。
リモコンは中央にカーソルキーを、下段に再生や早送りボタンを装備。上部は左右にボタンを配列し、前述したようにD端子/HDMIの映像出力切り替えや解像度切り替えを行う専用ボタンも装備する。また、音声や字幕、アングルなどにもそれぞれ別個の独立ボタンが用意されている。リモコンの最下部はスライドし、中にはテンキーを装備。チャプターなどを選択できる。
メニュー画面は、デザインを3種類から選べる。設定項目は大きく分けて「映像設定」「音声設定」「言語設定」「イーサーネット設定」「各種操作設定」の5種類。音声設定では、光/同軸端子やHDMIのデジタル出力を変更したり、ダイナミックレンジコントロールやムービーボイスなどの設定が行える。
付属品は、リモコンのほか、HDMIケーブル、電源ケーブル、映像・音声コード、リモコン用電池、取扱説明書。
なお同社で、HD DVDドライブを搭載したノートPC“Qosmio”を、今年の第2四半期に発売することも発表。発表会場の後方に試作機を展示し、HD DVDの再生デモを行った。
【問い合わせ先】
東芝DVDインフォメーションセンター
TEL/0120-96-3755
(Phile-web編集部)
価格はオープンだが11万円前後での販売が予想される。今年のCESでは、米国で「HD-A1」を499.99ドル、「HD-XA1」を799.99ドルで発売すると発表していたが、国内では低価格機の「HD-A1」は発売されない。
本機は、HD DVD-ROM、DVDビデオ、DVD-RAM(VRモード)、DVD-R(ビデオモード)、DVD-RW(ビデオ/VRモード)、音楽CD、CD-R/RW(CD-DA/MP3/WMA)の再生に対応。CPRMの1回だけ録画可能タイトルの再生は行えない。
映像出力はHDMI(バージョン1.2a相当)×1、コンポーネント出力×1、D4端子×1、Sビデオ端子×1、ビデオ端子×1。出力は480i/480p/720p/1080iを切り替えることができ、アップ/ダウンコンバートに対応している。解像度は、再生中にもリモコンの専用端子で切り替えることが可能。また、リモコンには「HDMI/D端子」切り替えボタンも用意され、使用していない側の映像回路を遮断し、画質を向上させる工夫も施している。
再生できる映像のコーデックは、MPEG2のほか、MPEG4 AVC/H.264やVC-1。これらはHD DVDの規格に盛り込まれているものだ。同社デジタルAV事業部 DAV商品企画部 部長の伊藤眞一氏は、MPEG4 AVC/H.264の利点を強調。「あす本放送を開始するワンセグにも採用されるなど、世界的に普及が加速するコーデックだ。MPEG2に比べ1.5〜2倍の符号化効率を持ち、今後、効率はさらに上昇すると予想する。たとえば20MbpsのMPEG4 AVC/H.264は、30MbpsのMPEG2映像と同程度の画質になる。30MbpsのMPEG2映像は、デジタル放送のMPEG2のビットレートより高い。HD DVDではデジタル放送を超える高画質再生が可能になる」と説明する。
音声は、従来からのドルビーデジタルのほか、ドルビーデジタルプラス(5.1ch)、ドルビーTrue HD(2ch)、DTS-HD(5.1ch)、リニアPCM(5.1ch)に対応。ドルビーデジタルプラスとDTS-HDについては、7.1chフォーマットのソフトの場合は5.1ch分の出力しか行えない。また、2chを超えるドルビーTrue HDソースは、2chにダウンミックスされる。
音声の出力端子は、2chアナログ出力×1、5.1chアナログ出力×1、同軸デジタル×1、光デジタル出力×1。
本機に搭載されている、バージョン1.2a相当のHDMIではドルビーデジタルプラスやDTS-HDなどのビットストリーム出力に対応していない。このため、これらをHDMI端子から出力する場合はリニアPCM5.1chに変換して出力する。リニアPCM5.1chをAVアンプ側で受けるには、AVアンプのHDMI端子がバージョン1.2相当であることが必要になる。現在のところ、パナソニックの「SU-XR57」が対応している。もちろん、内部でD/A変換を行い、5.1chアナログ出力端子から出力することも可能。なお、本機のHDMI端子は、VIERA Linkで利用されている、HDMIのCEC信号にも対応しており、REGZAなどが対応すれば、電源オンオフの連動などが可能になる。
端子では、本体前面にEXTENSION端子も2基搭載。端子の形状はUSBと同じ。仕様には「将来の機能拡張用」とあり、説明員の話では「ゲームなどへの使用を見込んでいるが、ソフト次第だ」とのこと。HD DVDにはiHDというインタラクティブ機能が盛り込まれており、この機能を使用したゲームなどがソフトに盛り込まれ、その操作にUSB接続のコントローラーを使用するという可能性もありそうだ。
また背面には、機能拡張用のRS-232C端子やLAN端子も備える。
ユーザーインターフェースの面では「アドバンスト機能」を装備。ソフトを再生中に、メニューやチャプターを重ねて表示したり、機能を選択する「ポップアップ・メニュー」機能に対応。また、監督のメッセージやメイキングなどの特典映像をサブ画面で同時に動画として再生するP in P(ピクチャーインピクチャー)機能にも対応する。また、将来的にはLAN端子を介してインターネットに接続し、オンラインショッピングを行うことも可能になる。なお、本日の発表会では、動画再生中にメニューを表示し、特典映像を見た後、再生中の場面に復帰するというデモも行われた。
本機は高画質・高音質再生にこだわった上級機的な位置づけのため、各部の仕様には高品位なものが用いられている。
映像面では、IP変換にART(Advanced Real Theater)モードプログレッシブ回路+D4対応スケーラーを、ビデオエンコーダーにはHD 2倍オーバーサンプリングSSAF採用の216MHz/11ビット仕様「ADV7312」を、アナログ処理回路にはHDフォーマット互換の完全DC結合アクティブIV変換LPFアンプを採用。
オーディオ回路は、D/Aコンバーターに192kHz/24ビット対応マルチビットΔΣ DAC「PCM1755」を4機、アナログ処理回路には多重帰還形アクティブLPFアンプを搭載。
筐体にもこだわりが数多く見られる。シャーシは高剛性デュアル構造で、リアパネルはステンレス製。底部にはアルミ削りだし大型インシュレーターを備える。また、ローカルレギュレーターで回路の安定動作をサポートする「マルチプルレギュレーター方式」も採用した。さらに、AV系のアンプやフィルター回路には基本的に0.5%級金属皮膜抵抗を配置し、オーディオ系のLPF回路にはフィルムコンデンサーを搭載。これによりノイズや歪みの少ない動作を実現した。さらに、オーディオ出力電源には中容量の低インピーダンスケミコンをパラレル接続し、低インピーダンス化をさらに充実させた。
これらの回路や仕様には、同社のハイエンドDVDプレーヤー「SD9500」で培った技術が投入されている。
本体前面のフロントドアは電動で開閉する。リモコンは、手に取るとバックライトが点灯するシアターライト機能を備える。シアターライト機能はリモコンのボタンでON/OFFが可能。高級機にふさわしく「気合いを入れてデザインした」(DAV商品企画部 部長の伊藤眞一氏)という。
リモコンは中央にカーソルキーを、下段に再生や早送りボタンを装備。上部は左右にボタンを配列し、前述したようにD端子/HDMIの映像出力切り替えや解像度切り替えを行う専用ボタンも装備する。また、音声や字幕、アングルなどにもそれぞれ別個の独立ボタンが用意されている。リモコンの最下部はスライドし、中にはテンキーを装備。チャプターなどを選択できる。
メニュー画面は、デザインを3種類から選べる。設定項目は大きく分けて「映像設定」「音声設定」「言語設定」「イーサーネット設定」「各種操作設定」の5種類。音声設定では、光/同軸端子やHDMIのデジタル出力を変更したり、ダイナミックレンジコントロールやムービーボイスなどの設定が行える。
付属品は、リモコンのほか、HDMIケーブル、電源ケーブル、映像・音声コード、リモコン用電池、取扱説明書。
なお同社で、HD DVDドライブを搭載したノートPC“Qosmio”を、今年の第2四半期に発売することも発表。発表会場の後方に試作機を展示し、HD DVDの再生デモを行った。
【問い合わせ先】
東芝DVDインフォメーションセンター
TEL/0120-96-3755
(Phile-web編集部)
- ブランドTOSHIBA
- 型番HD-XA1
- 発売日2006年3月31日
- 価格¥OPEN(予想実売価格11万円前後)
【SPEC】
●再生可能メディア:HD DVD-ROM(DVDとのツインフォーマットディスクを含む)、DVDビデオ、DVD-RAM(VRモード)、DVD-R(ビデオモード)、DVD-RW(ビデオ/VRモード)、音楽CD、CD-R/RW(CD-DA/MP3/WMA) ●映像出力:480i/480p/720p/1080i ●音声出力:ドルビーデジタルプラス(5.1ch)、ドルビーTrue HD(2ch)、DTS-HD(5.1ch)、リニアPCM(5.1ch) ●HDMI出力端子:1(Ver1.2a相当) ●映像出力端子:コンポーネント出力×1、D4端子×1、Sビデオ端子×1、ビデオ端子×1 ●音声出力端子:2chアナログ出力×1、5.1chアナログ出力×1、同軸デジタル×1、光デジタル出力×1 ●その他端子:EXTENSION端子2、LAN端子、RS-232C端子 ●外形寸法:437W×115H×354Dmm ●質量:8.9kg ●消費電力:79W
●再生可能メディア:HD DVD-ROM(DVDとのツインフォーマットディスクを含む)、DVDビデオ、DVD-RAM(VRモード)、DVD-R(ビデオモード)、DVD-RW(ビデオ/VRモード)、音楽CD、CD-R/RW(CD-DA/MP3/WMA) ●映像出力:480i/480p/720p/1080i ●音声出力:ドルビーデジタルプラス(5.1ch)、ドルビーTrue HD(2ch)、DTS-HD(5.1ch)、リニアPCM(5.1ch) ●HDMI出力端子:1(Ver1.2a相当) ●映像出力端子:コンポーネント出力×1、D4端子×1、Sビデオ端子×1、ビデオ端子×1 ●音声出力端子:2chアナログ出力×1、5.1chアナログ出力×1、同軸デジタル×1、光デジタル出力×1 ●その他端子:EXTENSION端子2、LAN端子、RS-232C端子 ●外形寸法:437W×115H×354Dmm ●質量:8.9kg ●消費電力:79W