<その後のHD DVDプレーヤー> 第一回バージョンアップにトライしました!
世界初のHD DVDプレーヤー TOSHIBA HD-XA1 |
さて、先日(5月18日付)で東芝からHD DVDプレーヤーのバージョンアップソフトがリリースされた。東芝によると「HD DVDプレーヤーの読み取り性能を向上しました」とある。読み取り性能といわれると、物理的なレンズ周りを思い浮かべてしまうが、いったい何が変わったのだろう。
購入者として、まずもって言いたいことは、なぜHD DVDのホームページでなく、HDD+DVDレコーダーRD内のお客様サポートFAQページなのかということだ。HD DVDのホームページには本日(2006年5月23日)現在も新着情報はなく、かつFAQページは工事中のままである。
「HD DVDユーザー」=「RDユーザー」(=ヴァルディア?)ということなのか。今回のソフトバージョンアップは、同社でいうところの「メンテナンス」に相当し、「無料点検・修理」を要するところの「重要なお知らせ」ではない。使い勝手の向上レベルなので、お知らせするほどのことではないのかもしれないが、その割にはRDのバージョンアップと異なり、バージョンアップの具体的な内容が見えていない。説明も舌足らずだ。
バージョンアップはPCでは日常茶飯事だが、AV家電製品ではまだまだ非日常事態。家電サービスに保守的な人たちからは「不良品を買わされた」といわれかねない。それでもデジタル放送の普及に伴い、各社とも「放送波ダウンロード」などのバージョンアップをたびたび行い、バージョンアップの是非は別として、デジタル家電にもその習慣は普及しつつある。
今回のソフトウェアバージョンアップは放送機器ではないので、自主的にソフトウェアを更新する必要がある。方法は2通りで、
(1)サーバからのダウンロード
(2)CD-ROMからのバージョンアップ
から選択できる。
古臭いAVファンの思考回路からいうとCD-ROMを取り寄せてトレイに乗せて行うのがレガシーな手法でいいが、1週間もかかるということなので、今回はイーサネット経由のサーバダウンロードにトライしてみた。
まずは、通常の視聴には必要のなかった「イーサネット設定」を行わなければならない。これはHD-XA1の初期設定で行う。東芝によると今回のバージョンアップは「ブロードバンド常時接続のインターネット環境に接続する必要」があるという。編集部は視聴室も含めて常時接続のLAN環境にあるので、LANケーブルを引っ張ってきてHD-XA1のリアパネル端子に接続する。DHCP(dynamic host configuration protocol)で自動的に接続設定ができた。個人ユーザーレベルでは個々に環境が異なると思う。
そしてバージョンアップ作業に入る。以下、東芝のホームページの指示に従って行っていく。
(1)本機の停止中にリモコンの【設定】ボタンを押す。
→【設定】ボタンはリモコン下部のフタの下にある。ボタンを押すと本体側では「SET UP」が表示され、モニターディスプレイには「設定メニュー」が表示される。
(2)「各種操作設定」の中の「メンテナンス」を選ぶ。
(3)メニューからソフトウェアダウンロードを選ぶ。
(4)更新を行なう場合は「はい」を選び【決定】を押す。
→ソフトのバージョン名と思しき「1.0/1.09/2.0」という名前が出てくる。淡々とリモコン決定キーで進行していくだけだ。更新を行わない場合「いいえ」を選べば、元の画面に戻る。実際の本体表示は東芝の説明する「はい」「いいえ」ではなく「Yes」「No」だった。
バージョンアップ中は電源を切ったり、足を引っ掛けてコンセントプラグが外れないように注意したい。これはPCと同様である。バージョンアップ中の本体表示は「UPDATE 10Pct」と表示された。徐々に「10Pct」「20Pct」「30Pct」と数値が増えていくので、これはバージョンアップの進行度合を示しており、「10パーセント」「20パーセント」「30パーセント」ということなのだろう。
「50パーセント」を超えると急に5%刻みになった。50%までがソフトダウンロードで、55%からがインストールなのかもしれない。動きはPCそのものだ。よって、完了すると自動的に電源が落ちる。バージョンアップに要した時間は約10分そこそこ。あっという間である。
再度、電源をオンする。試しに米国版HD DVDソフト「アポロ13」を再生してみる。何ら変わった様子はない。動画早送り・巻き戻しが気持ちスムーズになったような気がするが・・・。米国版で早送り中にフリーズしてしまったことがあるので、その対策なのだろうか。いずれにしてもアナウンスがないのでわからない。バージョンアップしないユーザーは問題ないのだろうか? 一応、東芝には問い合わせ中だが、なんとも奇妙なバージョンアップだ。
(月刊AVレビュー編集部)