「モービルエレクトロニクスショー」レポート − カーオーディオ最新モデルが多数登場
6月17日、18日に開催された「モービルエレクトロニクスショー」(以下MES)は、カーオーディオとカーナビ、カーセキュリティを中心とした、日本最大規模のカーエレクトロニクスのイベントだ。毎年一回、千葉県幕張メッセで行われ、今回で7回目の開催に至っている。
出展社はカーAVメーカーとセキュリティ、ケーブルなどのパーツメーカー、カーオーディオプロショップで、対象はカーオーディオファンとなり、モーターショーのような華やかさはない。各ブースには商品展示もあるが、実際にクルマに装着された状態での試聴がメインとなるために、見た目には地味なイベントになってしまうのは仕方がない。
しかし、実際に来訪者の多くは、カーオーディオを好きな人や購入予定者なので、メーカーやショップにとっては商談を進める大きなチャンスとなっているようだ。開催は土・日曜の二日間だが、土曜の午前は報道用取材時間にあてられているため、実質は一日半しかない。限られた時間ではあるが、毎回ショップやメーカーのデモカーの試聴に多くの人が訪れる。今回も人出でごった返すといったほどではなかったが、各ブースにはデモカー試聴希望者がとぎれず列をなし、なかなか盛況であった。
カーオーディオの場合、ホームオーディオと違ってクルマに付けた状態で音を聴かないと、そのユニットやシステムの音を参考にできない。ショップのデモボードでは本当の音がわからないため、こうした実際の装着状態をまとめて聴けるチャンスは得難いものなのだ。そのため、メーカーも自社でデモカーを持ち込む一方、ショップと連動して自社製品を付けたデモカーを用意してもらうように働きかけたりもする。
今回のMESで出展された製品の特徴は、車内での高音質を実現するためのユニットが多く出展され、その効果を体験できるデモカーが多かったことだ。特にパイオニア、クラリオン、ラックスマンは、発売されたばかりのデジタルハイエンドユニットのデモカーを持ち込み、車内ならではの高音質を提案していた。パイオニアのcarrozzeria Xは、新製品のデジタルプリアンプとスピーカーの能力の高さをアピール。クラリオンもマイナーチェンジし、音質向上を図ったDRZ9255SEのデモを行い、最近人気が高まっているナビとオーディオ一体機との音質の違いを見せつけていた。
また、大手メーカー以上に専業メーカーの人気が高いのも、MESの特徴だ。ホームオーディオのイベントでは、大手メーカーのブースが大きく専業メーカーは目立ちにくい傾向があるが、カーオーディオの場合は、メインユニット以外は大手以上に専業メーカーのラインアップが多かったり、音質やこだわりが感じられたりする製品が多い。今回は、とくにラックスマンとビーウィズのブースが人気を博していたようだ。ラックスマンは、デジタルクロスオーバーを搭載したデジタルパワーアンプを展示&デモを行った。音源のピュア伝送とスピーカーの性能をフルに引き出すとの触れ込みで、前人気も高かっただけあって、試聴希望者が多数詰めかけた。
また、スピーカー、パワーアンプ、そして新しいメディアユニットのミラーメディアのデモカーの試聴車を4台持ち込んだビーウィズも、非常に注目度が高く試聴者の列が目立っていた。特に雑誌で紹介され、注目されているミラーメディアとアキュレートというパワーアンプは、その使い方や音質に関心が高く、試聴の予約がとぎれることがないほどの盛況ぶりだ。
他のメーカーでも、ディナウディオやソニックデザインなどが、参考出品モデルという名で新製品の事前告知を行い、一般客以上に他メーカーやショップ関係者に注目を受けていた。ケーブルやパーツメーカーに対しても、関心度が高いのがこのイベントの特色だ。ケーブルに関しては、比較試聴できるわけではないし、見てどうなるものではないが、メーカーの技術者と話をできる数少ない機会とあって、熱心に会話をする人も見受けられた。
来場者の数はそれほど大きな数字ではないが、来場者も出展社もメリットのあるイベントといえる。しかし、もう少し入場者を喜ばせる、メーカーの講演なり講座があると、さらにイベント性も高まり、いますぐの購入を考えていない層にも足を運ばせるのではなかろうか。
(岡本伸史)
【岡本伸史氏 プロフィール】
自動車雑誌編集を経て、カーAVを中心に「楽しい生活」を提案するライターとしてさまざまなジャンルで活動中。
出展社はカーAVメーカーとセキュリティ、ケーブルなどのパーツメーカー、カーオーディオプロショップで、対象はカーオーディオファンとなり、モーターショーのような華やかさはない。各ブースには商品展示もあるが、実際にクルマに装着された状態での試聴がメインとなるために、見た目には地味なイベントになってしまうのは仕方がない。
しかし、実際に来訪者の多くは、カーオーディオを好きな人や購入予定者なので、メーカーやショップにとっては商談を進める大きなチャンスとなっているようだ。開催は土・日曜の二日間だが、土曜の午前は報道用取材時間にあてられているため、実質は一日半しかない。限られた時間ではあるが、毎回ショップやメーカーのデモカーの試聴に多くの人が訪れる。今回も人出でごった返すといったほどではなかったが、各ブースにはデモカー試聴希望者がとぎれず列をなし、なかなか盛況であった。
カーオーディオの場合、ホームオーディオと違ってクルマに付けた状態で音を聴かないと、そのユニットやシステムの音を参考にできない。ショップのデモボードでは本当の音がわからないため、こうした実際の装着状態をまとめて聴けるチャンスは得難いものなのだ。そのため、メーカーも自社でデモカーを持ち込む一方、ショップと連動して自社製品を付けたデモカーを用意してもらうように働きかけたりもする。
今回のMESで出展された製品の特徴は、車内での高音質を実現するためのユニットが多く出展され、その効果を体験できるデモカーが多かったことだ。特にパイオニア、クラリオン、ラックスマンは、発売されたばかりのデジタルハイエンドユニットのデモカーを持ち込み、車内ならではの高音質を提案していた。パイオニアのcarrozzeria Xは、新製品のデジタルプリアンプとスピーカーの能力の高さをアピール。クラリオンもマイナーチェンジし、音質向上を図ったDRZ9255SEのデモを行い、最近人気が高まっているナビとオーディオ一体機との音質の違いを見せつけていた。
また、大手メーカー以上に専業メーカーの人気が高いのも、MESの特徴だ。ホームオーディオのイベントでは、大手メーカーのブースが大きく専業メーカーは目立ちにくい傾向があるが、カーオーディオの場合は、メインユニット以外は大手以上に専業メーカーのラインアップが多かったり、音質やこだわりが感じられたりする製品が多い。今回は、とくにラックスマンとビーウィズのブースが人気を博していたようだ。ラックスマンは、デジタルクロスオーバーを搭載したデジタルパワーアンプを展示&デモを行った。音源のピュア伝送とスピーカーの性能をフルに引き出すとの触れ込みで、前人気も高かっただけあって、試聴希望者が多数詰めかけた。
また、スピーカー、パワーアンプ、そして新しいメディアユニットのミラーメディアのデモカーの試聴車を4台持ち込んだビーウィズも、非常に注目度が高く試聴者の列が目立っていた。特に雑誌で紹介され、注目されているミラーメディアとアキュレートというパワーアンプは、その使い方や音質に関心が高く、試聴の予約がとぎれることがないほどの盛況ぶりだ。
他のメーカーでも、ディナウディオやソニックデザインなどが、参考出品モデルという名で新製品の事前告知を行い、一般客以上に他メーカーやショップ関係者に注目を受けていた。ケーブルやパーツメーカーに対しても、関心度が高いのがこのイベントの特色だ。ケーブルに関しては、比較試聴できるわけではないし、見てどうなるものではないが、メーカーの技術者と話をできる数少ない機会とあって、熱心に会話をする人も見受けられた。
来場者の数はそれほど大きな数字ではないが、来場者も出展社もメリットのあるイベントといえる。しかし、もう少し入場者を喜ばせる、メーカーの講演なり講座があると、さらにイベント性も高まり、いますぐの購入を考えていない層にも足を運ばせるのではなかろうか。
(岡本伸史)
【岡本伸史氏 プロフィール】
自動車雑誌編集を経て、カーAVを中心に「楽しい生活」を提案するライターとしてさまざまなジャンルで活動中。