<CES2007>ビクターがフルHD撮影対応の新Evrioを発表 ― 60GBHDD内蔵。専用DVDライターもリリース
日本ビクター(JVC)は、ラスベガス市内のホテルにてプライベートブースを開設。同社の北米向けのモデルを中心に、幅広い商品の展示が行われていた。
●フルHD撮影対応の60GBHDD内蔵HDエブリオ
会場に展示が行われ同時に北米でリリースが行われたのが新型エブリオ、60GBのHDDを内蔵したハイビジョン・ハードディスクムービーカメラ「GZ-HD7」だ。リリースによると、記録モードはフルHD(1920×1080i)のMPEG2-TS形式に対応する。録画モードは3種類が用意され、最高画質の「フルHDモード」は1920×1080iで最高30MbpsのVBR(平均26.6Mbps)の約5時間録画、「SPモード」は1440×1080iで最高22MbpsのVBR(平均19Mbps)の約7時間録画、「1440CBRモード」は1440×1080iで固定27Mbpsの約5時間録画に対応。音声はすべてMP2を採用する。
レンズには新開発のフジノン製レンズが採用され、光学10倍ズームに対応。ズーム全域でF1.8-F1.9という明るさを確保している。CCDは1/5インチを3枚使用した3CCDシステムで、放送局向けHDカメラと同じフジノン製の実装技術を採用した。光学手ぶれ補正も搭載している。マニュアルフォーカスリング、マニュアルホワイトバランス、露出コントロールなどの調整にも対応する。
外部機器との接続は、USB、HDMI、i.Linkと3つのデジタル端子に対応。HDMI端子によってHD画質で録画した映像を出力できるのはもちろん、i.Link端子はDV端子を使ったダウンコンバート出力も可能としている。もちろん、コンポーネント、S端子、ビデオ端子も別途用意されている。
PCを使ったアーカイブ向けにサーバーリンク社のHD対応編集ソフト「CyberLinkBD Solution」が付属しており、「PowerDirector 5 NE Express」「PowerProducer 3 NE」「PowerCinema NE for Everio」によって、PCを使ったブルーレイへの保存も可能となっている。
●再生対応のDVDライターをリリース
エブリオの特徴であったPCレスのDVD保存機能には、専用DVDライターに再生機能付きの「CU-VD40」が新たに追加された。これはハイビジョンエブリオとUSBで接続することで録画した番組をDVDビデオとして保存する従来の使い方だけでなく、HDエブリオとの連携は、MPEG2-TS形式の動画ファイルを保存したデータDVDとして保存する使い方を可能としている。
さらに新機能としてHDMI端子とコンポーネント出力、AV出力を搭載したことで、テレビと本機を接続してエブリオ本体なしで保存したディスクを再生する使い方が可能となった。DVDメディアはDVD-DLにも対応しているため、面白い使い方ができるかもしれない。なお、本製品はPCと接続してUSBタイプのDVDドライブとして使用することもできる。
●フルHD液晶の高速応答モデルが登場
プライベートブース内のテレビのコーナーは、D-ILAのリアプロジェクションテレビの本場アメリカらしく、大画面モデルが並べられリアプロの存在感を示していた。なかでも目を引いたのが110型のHD-ILAリアプロジェクションテレビで、プライベートブースの入り口正面に設置されていた。
すぐ隣にはブルーレイプレーヤーの展示機もあったが、係員の話によると「現時点では発売は特に決まっていない」とのことだ。
液晶テレビのコーナーには、北米向けの液晶ラインナップのほかに、昨年のCEATECでも展示されていたフルHD・120kHzの倍速駆動によって残像を軽減したモデルの展示が行われていた。フルHDで倍速駆動対応の液晶パネルについては生産のメドがたったことで、国内でも今年中の発売が見込まれているという。
●LED光源HD-ILAリアプロジェクタなど最新技術も展示
プライベートブース内でも撮影禁止エリアとして指定されていた一角には、テレビを中心とした製品の展示が行われていた。
展示品のなかで最も目を引いたものが「LED HD-ILA」として展示されていたリアプロジェクションテレビだ。これはHD-ILAのテレビの光源にLEDを採用した研究所レベルの製品で、LEDの採用によって制限なく色が出せるようになり高い水準の映像を表示できるという。
展示機の映像は、暗部の階調表現力の向上がすさまじく、映画の黒フチの部分は文字通り漆黒を出せているのはもちろん、デモに使われていた「バットマンビギンズ」の闇の中動く映像のディティールがしっかりと現れている。展示機は完全にフィルム再現に特化した調整を行ったものでリビングで使うためのテレビとしては明るさが足りないようにも感じたが、リアプロを高画質にする筋道として期待できそうだ。
なおコントラスト比の測定値について係員に尋ねたところ「D-ILAプロジェクタのDLA-HD1と比較して少なくとも桁一つは上を行くコントラスト比が出ている」とのことだ。
同じくD-ILA採用のリアプロジェクションテレビで見た目にもユニークな展示が「Cinema Wide HD-ILA」だ。これは画面サイズがシネスコ(2.35:1)になるように上下をカットして作られたモデルで、劇場の映画のアスペクト比をそのまま表示できるモニタとして制作された。これによりシネスコの映像を黒フチなしで表示できるのはもちろん、16:9の映像はレターボックスとして表示できる。4:3であれば2画面表示も可能で、映画以外にも活用の道があるかもしれない。
このほかにもテレビ関連では3Dで制作された映画をリアプロジェクションテレビにスコープ形状のメガネと赤外線レシーバーを組み合わせて3Dで表示するデモ、厚さ1cm程度の「32-Inch Super Slim LCD TV」モックアップなどの展示も行われた。
同コーナーには企画した商品の展示として、カムコーダー向けのバッテリーを使えるこぶし大のプロジェクター、DVCテープをDVDに直接書き込める「DVD Burner」、DVCテープを直接再生する「DVC Player」も設置されていた。
●北米向けの様々な製品を展示
このほか、プライベートブース内にはラジカセ、カーオーディオ、DVDメディアなどまで幅広い同社のラインナップの展示が行われていた。気になった製品を簡単に紹介しよう。
(折原一也)
●フルHD撮影対応の60GBHDD内蔵HDエブリオ
会場に展示が行われ同時に北米でリリースが行われたのが新型エブリオ、60GBのHDDを内蔵したハイビジョン・ハードディスクムービーカメラ「GZ-HD7」だ。リリースによると、記録モードはフルHD(1920×1080i)のMPEG2-TS形式に対応する。録画モードは3種類が用意され、最高画質の「フルHDモード」は1920×1080iで最高30MbpsのVBR(平均26.6Mbps)の約5時間録画、「SPモード」は1440×1080iで最高22MbpsのVBR(平均19Mbps)の約7時間録画、「1440CBRモード」は1440×1080iで固定27Mbpsの約5時間録画に対応。音声はすべてMP2を採用する。
レンズには新開発のフジノン製レンズが採用され、光学10倍ズームに対応。ズーム全域でF1.8-F1.9という明るさを確保している。CCDは1/5インチを3枚使用した3CCDシステムで、放送局向けHDカメラと同じフジノン製の実装技術を採用した。光学手ぶれ補正も搭載している。マニュアルフォーカスリング、マニュアルホワイトバランス、露出コントロールなどの調整にも対応する。
外部機器との接続は、USB、HDMI、i.Linkと3つのデジタル端子に対応。HDMI端子によってHD画質で録画した映像を出力できるのはもちろん、i.Link端子はDV端子を使ったダウンコンバート出力も可能としている。もちろん、コンポーネント、S端子、ビデオ端子も別途用意されている。
PCを使ったアーカイブ向けにサーバーリンク社のHD対応編集ソフト「CyberLinkBD Solution」が付属しており、「PowerDirector 5 NE Express」「PowerProducer 3 NE」「PowerCinema NE for Everio」によって、PCを使ったブルーレイへの保存も可能となっている。
●再生対応のDVDライターをリリース
エブリオの特徴であったPCレスのDVD保存機能には、専用DVDライターに再生機能付きの「CU-VD40」が新たに追加された。これはハイビジョンエブリオとUSBで接続することで録画した番組をDVDビデオとして保存する従来の使い方だけでなく、HDエブリオとの連携は、MPEG2-TS形式の動画ファイルを保存したデータDVDとして保存する使い方を可能としている。
さらに新機能としてHDMI端子とコンポーネント出力、AV出力を搭載したことで、テレビと本機を接続してエブリオ本体なしで保存したディスクを再生する使い方が可能となった。DVDメディアはDVD-DLにも対応しているため、面白い使い方ができるかもしれない。なお、本製品はPCと接続してUSBタイプのDVDドライブとして使用することもできる。
●フルHD液晶の高速応答モデルが登場
プライベートブース内のテレビのコーナーは、D-ILAのリアプロジェクションテレビの本場アメリカらしく、大画面モデルが並べられリアプロの存在感を示していた。なかでも目を引いたのが110型のHD-ILAリアプロジェクションテレビで、プライベートブースの入り口正面に設置されていた。
すぐ隣にはブルーレイプレーヤーの展示機もあったが、係員の話によると「現時点では発売は特に決まっていない」とのことだ。
液晶テレビのコーナーには、北米向けの液晶ラインナップのほかに、昨年のCEATECでも展示されていたフルHD・120kHzの倍速駆動によって残像を軽減したモデルの展示が行われていた。フルHDで倍速駆動対応の液晶パネルについては生産のメドがたったことで、国内でも今年中の発売が見込まれているという。
●LED光源HD-ILAリアプロジェクタなど最新技術も展示
プライベートブース内でも撮影禁止エリアとして指定されていた一角には、テレビを中心とした製品の展示が行われていた。
展示品のなかで最も目を引いたものが「LED HD-ILA」として展示されていたリアプロジェクションテレビだ。これはHD-ILAのテレビの光源にLEDを採用した研究所レベルの製品で、LEDの採用によって制限なく色が出せるようになり高い水準の映像を表示できるという。
展示機の映像は、暗部の階調表現力の向上がすさまじく、映画の黒フチの部分は文字通り漆黒を出せているのはもちろん、デモに使われていた「バットマンビギンズ」の闇の中動く映像のディティールがしっかりと現れている。展示機は完全にフィルム再現に特化した調整を行ったものでリビングで使うためのテレビとしては明るさが足りないようにも感じたが、リアプロを高画質にする筋道として期待できそうだ。
なおコントラスト比の測定値について係員に尋ねたところ「D-ILAプロジェクタのDLA-HD1と比較して少なくとも桁一つは上を行くコントラスト比が出ている」とのことだ。
同じくD-ILA採用のリアプロジェクションテレビで見た目にもユニークな展示が「Cinema Wide HD-ILA」だ。これは画面サイズがシネスコ(2.35:1)になるように上下をカットして作られたモデルで、劇場の映画のアスペクト比をそのまま表示できるモニタとして制作された。これによりシネスコの映像を黒フチなしで表示できるのはもちろん、16:9の映像はレターボックスとして表示できる。4:3であれば2画面表示も可能で、映画以外にも活用の道があるかもしれない。
このほかにもテレビ関連では3Dで制作された映画をリアプロジェクションテレビにスコープ形状のメガネと赤外線レシーバーを組み合わせて3Dで表示するデモ、厚さ1cm程度の「32-Inch Super Slim LCD TV」モックアップなどの展示も行われた。
同コーナーには企画した商品の展示として、カムコーダー向けのバッテリーを使えるこぶし大のプロジェクター、DVCテープをDVDに直接書き込める「DVD Burner」、DVCテープを直接再生する「DVC Player」も設置されていた。
●北米向けの様々な製品を展示
このほか、プライベートブース内にはラジカセ、カーオーディオ、DVDメディアなどまで幅広い同社のラインナップの展示が行われていた。気になった製品を簡単に紹介しよう。
(折原一也)