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第8期の活動がスタート − RWPPPIが第43回目の定例会議を開催

公開日 2007/06/14 10:08
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RWプロダクツ・プロモーション・イニシアティブ(略称:RWPPI)は12日、第43回目の定例会議をパイオニア(株)の目黒本社にて開催した。

最初に団体の代表、副代表、並びに監査役の改選が行われた。それぞれ代表にパイオニア(株)の相澤宏紀氏、副代表にシャープ(株)の千葉滋氏、監査役にTDK(株)の水野寛氏が選ばれた。


RWPPI代表の相澤宏紀氏

副代表の千葉滋氏
第8期も代表に選任された相澤氏は「今期RWPPIの活動は、ラウンドロビンテストにシフトして進めていく考えだ。記録型DVD会議(略称:RDVDC)のCWG(Compatible Working Group)の参加メンバーとも連携を図りながら、RWPPI事務局も引き続きジョイント・ラウンドロビンテストの活動を盛り立てて行きたい」と語った。また副代表に選出された千葉氏は「今後もRWPPI会員にとって利益になるような活動を積極的に推し進めていきたい」とコメントした。


RWPPI事務局長の森下氏
続いて今期の活動計画の概要をRWPPI事務局長の森下氏が説明した。RWPPIとして、第8期はイベント出展等のプロモーション活動は行わず、海外活動を含むラウンドロビンテストを中心に進めて行く方向性が改めて確認され、今期予算もラウンドロビンテスト活動に重点配分し承認された。また定期ミーティングについては3ヶ月に1回(年4回)の開催とし、ラウンドロビンテスト会議と前後して開催することで出席者の利便性の向上を図っていく。


パイオニア(株)谷口氏
続いて、DVDフォーラム WG6チェアマンであるパイオニア(株)谷口氏より、DVDフォーラムにおいて審議されているCSSダウンロード記録に関する規格アップデートの説明が行われた。

CSSダウンロード規格とは、Webからダウンロード可能な映像コンテンツを専用のDVDダウンロードディスクへ、CSS(Content Scramble System)のコンテンツ保護技術を使って書き込むサービスモデルだ。規格が提案された当初はDVD-Rのオプションブックとして検討されてきたが、先達て規格自体をDVDダウンロードとしてのメインブックへ切り替えることがDVDフォーラムで確認され、本年2月には独自のロゴも策定された。CSSダウンロードディスクに記録されたコンテンツは、対応するDVDプレーヤーで再生して楽しむことが可能になる。現在具体的なビジネスモデルとして検討されているのは、キオスク端末等でCSS対応ディスクに書き込んだコンテンツをユーザーに販売する、いわば「B to B」スタイルのMOD(Manufacturing On Demand)と、個人がパソコン等のサービス対応機器でダウンロードしたコンテンツを専用ディスクに記録して楽しめるEST(Electronic Sell-Through)の2種類だ。

谷口氏は今回CSSダウンロード規格の詳細を説明するとともに、本規格に基づいたサービスのスタートに向けてDVDフォーラムでは今後、「既存のDVDプレーヤー等機器での再生互換性能の向上」や、「CSSダウンロードとしてのメインブックの策定」、並びに「CSSダウンロードの2層ディスクの検証」などがテーマとして議論されていくことを紹介した。


(株)Nero 服部氏
続いて(株)Neroの服部氏より、同社がLG電子と共同開発した、CD/DVD向けの新セキュリティ技術「SecurDisc」が紹介された。

SecurDiscは対応するハードとソフトの組み合わせにより堅牢な暗号化を実装する独自技術だ。ディスクに記録されたデータの改ざん等を防止するための様々な機能を提供するとともに、ダメージディスクの読み取り性能向上機能やファイル単位での文書アクセス制限機能等が、本技術により実現されると服部氏は説明した。SecurDisc対応のディスクを作成するにはLG電子が製品化した対応ドライブと、Neroのレコーディングアプリケーション「NeroExpress」が必要になる。同社は今後LG電子とともにSecurDiscのライセンスプログラムについて、Webサイトなどを通じて積極的に発表していくという。

全体会議の最後には、ワーナー エンターテイメント ジャパン(株)ワーナー・ホーム・ビデオ シニアバイスプレジデントの長谷瓦二氏により「映画コンテンツのCSSダウンロード配信ビジネスの展開」と題した特別講演が行われた。


ワーナー・ホーム・ビデオの長谷瓦二氏
はじめに長谷氏は北米地域でのデータを例示しながら映像ソフトビジネスの現状を紹介した。「北米では2004年頃からDVD関連のハードウェアの売上げ台数が落ち込み始めている。ソフトについても2005年から売上げが足踏み状態になりつつあり、単価の下落に伴って利益率も下がり始めているのが今の深刻な問題だ」とした。その上で、長谷氏は「これからはパッケージDVDの成長を期待するよりもダウンロードやBD、HD DVDなど次世代フォーマットを軸としたビジネスを伸ばしていくことを検討する時期にある」と述べた。

CSSダウンロードビジネスの可能性についてコメントした長谷氏は「ユーザーの手軽にハイクオリティな映像を楽しみたいという要求や、ニッチな作品への期待に応えるものだ」としながら、さらに「流通の側では在庫のリスクを軽減することができるだろう。またワーナーにとっても映画やテレビシリーズの数多のライブラリーから埋もれた宝も掘り起こし、需要を喚起できるサービス形態と考えている。ダウンロードビジネスを上手に軌道に乗せることができれば、そこに関わる全ての人々にプラスの効果をもたらすのでは」とコメントした。

一方でダウンロードのビジネスにはまだコピープロテクションの課題も指摘されており「サービスが立ち上がるまでに今後大変な産みの苦しみを経験することになるだろう」と長谷氏は付け加える。他方ではCSSダウンロードディスクと現行DVDプレーヤーとの互換性のさらなる向上も課題となる。これらの課題を踏まえた上で、長谷氏は「成長鈍化が予測されるパッケージ販売中心のDVDビジネスに代わるものとして、ダウンロードやBD、HD DVD関連ビジネスを育てることにワーナーは力を注ぎたい。10何年前にDVDを立ち上げた迫力でもう一度取り組みたいと考えている」と意気込みを語った。

(Phile-web編集部)

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