ケンウッドとビクター、2008年に経営統合へ − 10月からカー/オーディオ事業で協業
以前から、ビクターの筆頭株主である松下電器産業が、ビクター株を売却するとの観測がされており、ケンウッドがその最有力候補と見られていた。
ビクターが8月10日に発行する、約350億円の第三者割り当ての新株式を、ケンウッドと投資ファンドのスパークス・グループが引き受ける。増資引き受け後のケンウッドの出資比率は17%で、スパークスの同比率は12.8%となる。
約350億円の資金は、ビクターが本日発表した経営改革計画「アクションプラン2007」に基づき、構造改革に200億円、基盤整備に150億円を投じる予定。同時にケンウッドは、自らが2002年度から取り組み、完了した構造改革の経験やノウハウを用い、ビクターの経営改革を支援していく。
今回の増資により松下電器産業(株)による、ビクター株の出資比率は、現在の52.4%から36.8%に下がり、ビクターは松下の連結子会社から、持ち分法適用関連会社という位置づけに変わる。ただし当面の間は、松下電器がビクターの筆頭株主にとどまる。
まずケンウッドとビクターの両社は、10月からカーエレクトロニクス事業とホーム/ポータブルオーディオ事業分野で協業を開始する。具体的には、共同開発や共同資材調達、相互製造委託などによって、スケールメリットによるコスト競争力強化を目指す、としている。
資本提携が実施されたあと、両社は経営統合に関する検討委員会を設置する。経営統合の時期は2008年を目標としている。具体的な経営統合の方法はまだ決定していないが、共同で持ち株会社を新設し、ケンウッドとビクターそれぞれの株式を100%保有する形式などが案として挙げられている。
なお本日、本件に関する記者説明会が開催される予定。詳細は追ってお伝えする。
(Phile-web編集部)