HOME > ニュース > 日立、世界初のBD+HDDハイブリッドカメラ“Wooo”「DZ-BD7H」など発売

日立、世界初のBD+HDDハイブリッドカメラ“Wooo”「DZ-BD7H」など発売

公開日 2007/08/02 10:00
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

(株)日立製作所コンシューマ事業グループは、世界初のBlu-ray Discビデオカメラ“Wooo”2機種を8月30日に発売する。

同社は7月20日に、BDビデオカメラを実現する基幹部品を開発したことを発表していた(関連ニュース)。今回の2機種はこれらの基幹部品を搭載したもの。世界初のBDカメラであるだけでなく、同社がハイビジョンカメラを発売するのは今回の2機種が初めてとなる。

発売するのは、BD/DVDドライブと30GB HDDを搭載したハイブリッドタイプの「DZ-BD7H」と、BD/DVDドライブのみを搭載した「DZ-BD70」の2機種。いずれも価格はオープンだが、BD7Hは19万円前後、BD70は16万円前後での販売が予想される。

DZ-BD7H

操作スイッチ部

サイドには「BD+HDD」の文字

撮像から記録・再生・保存まで、すべての工程で1,920×1,080のフルHDに対応している。他社の製品では、撮像時に画素ずらしを行うものや、記録時に1,440×1,080に解像度を落とすものなどもあるが、両機では一貫して1,920 ×1,080画素で処理が行える点が特徴となる。

撮像から映像処理、記録まで、すべての工程を1,920×1,080で行うことが可能

発表会場では今回の新製品と1,440×1,080で記録する他社製品との画質比較デモも行われた

●HDDからBDへのコピーは2倍速


新開発した8cmBD/DVDドライブ
両機種とも、8cmBD/DVDドライブを搭載。BD-RE/-RおよびDVD-RAM/-RW/-Rの5種類の8cmディスクに対応する。BD用とDVD用の2つの光学系部品と、BD用の小型収差補正機能を持つ薄型ピックアップを採用し、従来のDVDカメラとほぼ同じ容積のメカシャーシを実現している。

あわせて、高速記録とメモリーバッファー機能を組み合わせて間欠記録を行うことにより、低消費電力化も実現している。回転制御技術には、高速回転と静音性を両立したP-CAV(Partial- Constant Angular Velocity)技術を新たに開発し、採用した。

ハイブリッドタイプのDZ-BD7Hは、30GB HDDを搭載。フルハイビジョンで撮影した場合、約4時間の記録が行える。衝撃を50%軽減する耐衝撃ダンパーや、非動作時にヘッドを待避させる「ヘッドロード・アンロード」機能も備え、信頼性を高めている。

HDDに記録した映像を、BDやDVDにダビングすることも可能。BDの場合はファイルコピーとなり、MPEG4 AVC/H.264の映像をそのままコピーする。なお、DZ-BD7Hに搭載されたBDドライブの書き込み速度は2倍速。このため、HDDに撮り貯めたハイビジョン映像を、BDディスクに2倍速でダビングすることができる。DVDへのダビングの場合、もとのMPEG 4 AVC/H.264からMPEG2に変換してダビングする。

ダビングや編集を行うメニュー画面

ハイブリッドモデルのBD7HはHDDからBD/DVDにダビングが可能

ダビングモードは4種類を用意。まだダビングしていないシーンだけを自動的に選択してダビングする「はじめて」、指定した日のシーンを自動的に選ぶ「ひにちで」、HDDに記録している全映像をまとめてダビングする「まるごと」、お気に入りのシーンを選ぶ「えらんで」から目的にあわせて選ぶことができる。

HDDやBDに記録したハイビジョン映像は、カメラ単体で分割、削除、結合などかんたんな編集を行うことが可能。プレイリストの作成にも対応している。

●HDD/BDはH.264、DVDはMPEG2で記録

映像コーデックや録画モードは、記録するメディアによって異なる。まず映像コーデックについて見ていくと、HDDはMPEG4 AVC/H.264(独自方式TS)で、BDは同じくMPEG4 AVC/H.264(BD-RE Ver.3.0/BD-R Ver 2.0準拠)。DVDはMPEG2となる。

録画モードは、HDDとBDは「HX」(1,920×1,080ピクセル/平均ビットレート15Mbps)、「HF」(1,440×1,080ピクセル/11Mbps)、「HS」(1,440×1,080ピクセル/7.5Mbps)の3つのモードを用意。DVDについては、「SX」と「SF」の2モードから選択できる。解像度はいずれも720×480ピクセル。

音声記録はドルビーデジタル2chで、ビットレートは約256kbps。これは全メディア/録画モードで共通となる。

上記の仕様を表にすると以下のようになる。

メディア 映像コーデック 録画モード 映像ビットレート 画素数 録画時間
(BD/DVDは片面)
HDD(DZ-BD7Hのみ) MPEG4 AVC/H.264 HX 約15Mbps 1,920×1,080 約4時間
HF 約11Mbps 1,440×1,080 約5時間20分
HS 約7.5Mbps 約8時間
BD MPEG4 AVC/H.264 HX 約15Mbps 1,920×1,080 約1時間
HF 約11Mbps 1,440×1,080 約1時間20分
HS 約7.5Mbps 約2時間
DVD MPEG2 SX 約9Mbps 720×480 約20分
MPEG2 SF 約6Mbps 約30分


なお、映像を記録したBDディスクをほかのAV機器で再生するには、再生機器がBD-RE Ver.3.0/BD-R Ver 2.0に準拠している必要がある。ソニーのプレイステーション3は規格に準拠しており、両機で記録したBDディスクの再生が行える。

映像処理回路は「Picture Master Full HD」。Advanced CCM(Correlative Coefficient Multiplying Method)という画像処理LSIと、MPEG4 AVC/H.264やMPEG2などのコーデックLSIの2つで構成される。

画像処理LSIは、従来のDVDカムの信号処理LSIをフルハイビジョン用に進化させたもので、輝度変化の大きい部分で生じる色の偽信号を抑制する。また、被写体の輪郭部分(高周波信号)と信号レベルの平坦な部分(低周波信号)を判別し、適応的にノイズ低減を行うことで、S/Nの改善も図っている。

コーデックLSIは、同一コアでMPEG4 AVC/H.264(HD用)、MPEG2(SD用)、JPEG(静止画用)の3方式に対応。またMPEG4 AVC/H.264からMPEG2へのダウンコンバートもこのLSIで行う。

新たに、業界初の適応型動き予測(MBAFF(Macro Block Adaptive Frame/Field)制御技術を採用。画面内の動きに応じて、マクロブロック(16×16画素)単位でフレームまたはフィールドの予測処理を切り替え、動きが多いシーンでも高精細な画像が実現できる。

また、映像を常に監視し、前後フレームとの相関からの予測(フレーム間予測)と、同一フレーム内映像での予測(フレーム内予測)とを、独自アルゴリズムで映像の動きに応じて判断し、最適な情報に切替えて符号化する機能も搭載。さらに、視覚特性に基づき、画質劣化が認識されやすい部分にビットレートを最適配分する機能も備えた。

●米企業と開発した530万画素CMOSを搭載

撮像素子は1/2.8型CMOSで、総画素は約530万。日立の協力のもと、アメリカのベンチャー企業AltaSens,Inc.が開発したもの。画素サイズは2.09μmとなる。

読み出しはプログレッシブで、原色カラーフィルターを採用。動画撮影時には、1,920×1,080画素分のみを選択して読み出すことで高速動作を実現し、1,920×1,080/60pの撮影が可能となっている。なお両機はSDメモリーカードスロットも備え、静止画撮影にも対応。静止画撮影時は約432万画素で記録が行える。 手ブレ補正は電子式。

なお両機は、撮影したハイビジョン映像の中から、好みのシーンをキャプチャーして、SDメモリーカードに記録することが可能。フルハイビジョンで撮影した場合、画素数は約207万となり、高品位な静止画をあとから切り出すという使い方が可能。

レンズは高解像度とコンパクトサイズを両立させるため、非球面レンズを採用した新設計のものを採用。光学ズーム倍率は10倍。フレアやゴーストを抑えるマルチコート処理、アイリス小絞り時の解像度低下を抑えるグラデーションNDも採用している。35mm換算の画角は、動画時が約47.0〜470mm、静止画時が約34.5〜345mm。

新開発の大口径レンズを装備

DZ-BD7Hの分解写真

接続端子は、映像出力用に8ピン特殊コネクターと特殊D端子、標準HDMI端子を装備。ほかに外部マイク入力、USB2.0端子も備える。

同梱バッテリーでの電池持続時間は、BD7HがHDD使用時で約100分、BD70がBD使用時で約90分となっている。

筐体は曲線を主体にしたデザインで、大口径レンズを強調しているほか、サイドにはBlu-ray Discをモチーフにした円形の飾りを配している。本体左側の塗装はUV仕上げ。なお、本体サイズはBD7HとBD70でほとんど変わりはなく、BD7Hの横幅が3mm大きいだけ。

サイドにはBDディスクを模した意匠が施されている

DZ-BD7H(左)とDZ-BD70(右)のサイズ比較。BD7Hの方が、幅が3mmほど長い

曲線を主体にしたデザインを採用。BDをモチーフにしたアクセントも

液晶ディスプレイは2.7型21万画素で、その横に同社としてはじめてカーソルボタンを設けた。そのほか、初心者向けに操作方法を説明する「カイケツガイド」機能も備え、使い勝手の向上にも注力している。

ディスプレイは2.7型。その左に操作スティックを装備

ディスプレイを開けた部分にも操作ボタンを配置する

また、撮影した映像をPCで再生したり、12cmBD/DVDに記録するためのソフト「ImageMixer 3 HD Edition for BDカム」も同梱する。対応OSはWindows Vista/XP Pro SP2/XP Home SP2。

本日、両機の発表会が開催された。発表会の模様は別項でお伝えしている。

【問い合わせ先】
(株)日立製作所
お客様相談センター
TEL/0120-3121-11

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
製品スペックやデータを見る
  • ブランドHITACHI
  • 型番DZ-BD7H
  • 発売日2007年8月30日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格19万円前後)
【SPEC】●撮像素子:1/2.8型CMOS、総画素約530万 ●レンズ:光学10倍ズーム、F1.8〜3.0 ●画角(35mm換算):動画時…約47.0〜470mm、静止画時…約34.5〜345mm ●映像記録方式:HDD/BD…MPEG4 AVC/H.264、DVD…MPEG2、SD…JPEG ●映像出力端子:8ピン特殊コネクター、特殊D端子、標準HDMI端子 ●その他端子:外部マイク入力、USB2.0端子 ●消費電力:約5.7W(HDD) ●最大外形寸法:約80W×87H×165Dmm ●本体質量:約630g
  • ブランドHITACHI
  • 型番DZ-BD70
  • 発売日2007年8月30日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格16万円前後)
【SPEC】●撮像素子:1/2.8型CMOS、総画素約530万 ●レンズ:光学10倍ズーム、F1.8〜3.0 ●画角(35mm換算):動画時…約47.0〜470mm、静止画時…約34.5〜345mm ●映像記録方式:BD…MPEG4 AVC/H.264、DVD…MPEG2、SD…JPEG ●映像出力端子:8ピン特殊コネクター、特殊D端子、標準HDMI端子 ●その他端子:外部マイク入力、USB2.0端子 ●消費電力:約6.7W(BD-RE) ●最大外形寸法:約77W×87H×165Dmm ●本体質量:約575g