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【詳報】ソニー、世界初の11V型有機ELテレビ「XEL-1」を発売 − 価格は20万円

公開日 2007/10/01 13:19
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XEL-1

背面部
ソニーは、11V型の有機ELテレビ「XEL-1」を12月1日に発売する。価格は200,000円(税込)で、月産台数は2,000台。

同社は今年1月のCESで、11型と27型の有機ELディスプレイを出展(関連ニュース)。100万対1という高コントラストが話題を呼んだ。さらに今年4月、ソニー(株)代表執行役副社長の井原勝美氏が、年内に11型有機ELテレビを商品化すると宣言していた(関連ニュース)。


中鉢良治社長
製品発表会に中鉢社長が登場

本日行われた発表会には、「どうしても挨拶したい」と中鉢良治社長が登場。同氏は、社長就任後の中期経営方針において、「将来勝ち続ける条件として、次世代ディスプレイの充実有機ELに集中することを宣言した」と説明。今回発売するXEL-1について、「十余年にわたる開発や生産の長い歴史がある」とした上で、「今回の世界初の有機ELテレビを、ソニー復活の象徴とし、反転攻勢の旗印にしたい」と抱負を述べた。


「XEL-1」の画質性能

世界で初めて有機ELディスプレイを採用したテレビ。ディスプレイ部の最薄部は3mmで、テレビチューナーや映像回路、スピーカーはスタンド部に内蔵している。搭載チューナーは地上・BS・110度CSデジタル。また、地上デジタル用アンテナを内蔵しており、アンテナ線を接続することなく地デジを受信することが可能だ。

有機ELパネルは同社独自開発の「オーガニックパネル」で、表示解像度は960×540ドット。コントラストやピーク輝度、色再現、動画表示、寿命などにおいて高い性能を実現している。

側面部。最薄部は3mmを実現

パネル部の部品構成

発表会で製品の詳細を説明したのは、ソニー(株)テレビ事業本部 E事業開発部部長の白石由人氏。オーガニックパネルは「トップエミッション」「マイクロキャビティ」「完全個体封止」の3つからなる「Super Top Emission(スーパートップエミッション)」技術により高い表示性能を実現していると説明した。

白石由人氏

Super Top Emissionの概要

本機に採用された有機材料

トップエミッションは高い開口率を実現する技術。自発光素材である有機ELは、通常パネルの前後に光を発するが、鏡を使用することで全ての光を前面に出すことが可能となっている。またマイクロキャビティは、光を共振させる技術で、より高い輝度と色純度を実現している。

コントラスト比は、バックライトを使用せず、黒の表示時に画素を完全に消灯することができる有機ELの特徴により、1,000,000対1以上を実現。白石氏は「100万対1というコントラスト比は、ソニーが所有している測定器で計測できる限界値。より高性能の測定器を使えばさらに高い値になると思う。黒を完全に消灯した状態で表示するというのは他のパネルでは実現できないことだ」と説明した。また完全な黒を実現したことで高いピーク輝度を実現しており、「太陽光を反射した金属の質感や花火、フラッシュなどの表現力が高まっている」という。


高い輝度ピークを実現

暗いシーンも色鮮やかに再現
色再現性はNTSC比110%を実現。前述のマイクロキャビティ構造とカラーフィルターの効果により、入力レベルの少ない低階調の映像でも高い色再現性をキープすることができる。


動画は60Hz表示
動画についても高い表示性能を実現。有機層から出る光のオン・オフを瞬時にコントロールできるため、高い応答性能を実現している。パネルの駆動は10ビットで、表示フレームレートは60Hz。「フレーム間に画素を消灯した黒を挿入することで、動きの速いスポーツなども滑らかに表示が可能」(白石氏)だという。なお、x.v.ColorやDeepColorの入力には対応していない。

また本製品は、低消費電力と長寿命を実現したのも特長の一つ。消費電力は45Wで、同社20V型液晶に比べ約40%の電力削減を実現している。またパネル寿命は約30,000時間(液晶テレビの約半分)を実現しているという。


「XEL-1」の機能ほか

本体は「浮遊感」を表現したというシンプルなデザインを採用。デザインに合わせたスタイリッシュなリモコンを付属する。

外部入力端子はHDMI1系統を背面に装備。1080p/1080i/720p/480p/480iの映像入力に対応している。

付属のリモコンも新デザインに

背面端子部はシンプルな構成

スピーカーは画面の下に配置


小さな筐体に各種部品を組み込んでいる

ディスプレイ部は上下にのみ可動

本体背面にはLAN端子とUSB端子も装備。LANを使った機能は液晶ブラビアと同様、ソニールームリンク、アクトビラ ベーシック、ブラウザを用意している。またUSB端子は、USBメモリーなどを接続することで保存してある写真や動画、音楽ファイルなどを再生することが可能だ。

メニュー画面はお馴染みのクロスメディアバーを採用。メニュー内の「設定」項目には、「映画本来のなめらかな動きを再現」するという「シネマドライブ」機能が用意されている。また電子番組表は、ブラビアと同仕様のものを採用している。その他、お好みナビやオンタイマー機能、消音ポン機能などを搭載している。


EPGの7ch表示

HDMI CEC機能の設定画面

シネマドライブ機能の設定画面
スピーカーは、スタンド部の天面に配置。1W+!Wのステレオスピーカーで、「S-Forceフロントサラウンド」機能を装備している。

【問い合わせ先】
ソニーマーケティング(株)
お客様ご相談センター 
TEL/0570-00-3311(ナビダイヤル)
TEL/03-5448-3311(携帯電話・PHSの場合)

(Phile-web編集部)

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