HD Rec対応機は年内発売、DVD Downloadなども紹介 − DVDフォーラム日本コンファレンス開催
DVDフォーラムは本日、「DVDフォーラム日本コンファレンス2007」を都内で開催。DVDやHD DVDの最新動向が紹介された。
今回紹介された内容の中で、特に注目したいのは2点。HD DVDフォーマットのデータをDVD-R/-RW/-RAMに記録する新規格「HD Rec」と、CSSで保護されたDVDビデオのデータをダウンロードし、DVD-Rに記録する「DVD Download」だ。
●HD Rec対応機が年内発売へ
「HD Rec」については、(株)東芝 上席常務待遇 デジタルメディアネットワーク社 主席技監の山田尚志氏が説明した。新規格を策定した背景について山田氏は、「DVDのメディアが安価なので、それにも記録したいとニーズがあるだろうとの考えでガイドラインを策定した」と説明した。
HD Recのメリットとして山田氏は、「H.264やVC-1といった新たなコーデックを採用することで、MPEG2に比べ録画時間が2〜3倍になる。SD映像の場合は、良いエンコーダーを使えば1〜2Mbpsで十分な画質が得られる。HD映像は5〜7Mbpsなら良好な画質が実現でき、片面1層のDVDに1時間程度録画ができる」と説明。さらに、ディスクやレコーダーが安価に製造できること、HD DVDビデオプレーヤー/レコーダーと互換性があることも利点として挙げた。
HD Recの対応メディアは、DVD-R/-RW/-RAM。3倍速以上の読み書きに対応していること、CPRMに対応していることが必須となる。なお、コンテンツのコピープロテクションにはHD DVDと同様にAACSを用いるが、AACSのメディアIDはCPRMのIDでも代用できることなどから、メディアは従来のCPRM対応製品を使用できる。
HD Recを採用した製品の具体例として山田氏は、HD Rec対応のHD DVDプレーヤーや、HD Rec対応DVDレコーダー/カムコーダーなどを紹介。いずれも、メディアはDVD-R/-RW/-RAMのうち1つに対応していれば良く、記録方式もHD DVD-Video、HD DVD-VRのいずれかに対応していれば良い。ただし、自己録再機能については必須となる。
山田氏は、HD Rec対応製品の発売について、「年内には商品が出てくるかなあ、と考えている」と発言。CEATECの東芝ブースに、HD Rec対応モデルとして参考出品されていた、「RD-X7(仮称)」「RD-A201」「RD-A101」(関連ニュース)の正式発表が待たれるところだ。
なおHD DVD関連ではこのほか、日本電気(株)標準化推進本部 シニアエキスパートの山中 豊氏により、3層のHD DVD-ROMについても紹介が行われた。容量は51GBで、今年初めのInternational CESで東芝が発表された新規格だ(関連ニュース)。現在、規格の最終仕様であるVer.2.0を作成しているところで、今年末には発行予定という。なお、層の数が増えたことで記録層の厚さが拡大し、球面収差補正を導入する必要があることも説明された。このほか、HD DVD-R/-RW 1層ディスクの4倍速記録や、同2層ディスクの2倍速記録、またHD DVD-RAMの2層ディスクなどについて、今後規格化を進める予定が示された。
●「DVD Download」で新たなビジネスモデルが生まれる
「DVD Download」については、同フォーラム PCC Chairの蚊野 浩氏が執筆した配付資料に基づいてご紹介しよう。
「DVD Download」は、CSSで保護されたコンテンツを、DVD-Rに書き込む規格。コンテンツはインターネットからダウンロードすることが可能。これまでCSSコンテンツをDVD-Rに記録することは禁止されていたが、今回の規格化によって許可された。
従来のDVD再生機器は、DVD-Rに記録されたCSSコンテンツを再生しないように設計されているため、単純にDVD-RにCSSコンテンツを記録するだけでは、これまで普及しているDVD再生機器で再生することができない。このため、DVD Downloadに対応した新たなDVD-Rメディア「DVD Download Disc」を新たに規格化。記録にはこの新たなメディアの使用が必要となる。なお、規格化された「DVD Download Disc TS Ver.1.0」で規定されている書き込み速度は6〜8倍で、1層のみとなっている。また、記録するドライブやレコーダーも、DVD Downloadに対応した新たな機器が必要となる。
DVD Downloadのサービスイメージとして蚊野氏は、個人がサービスサイトから直接データをダウンロードし、対応機器とメディアに書き込む方法のほか、ユーザーの注文に応じてDVDを書き込み、配送する形態や、街頭に設置されたキヨスク端末で書き込む形態など、様々なビジネスモデルが考えられる、としている。
(Phile-web編集部)
今回紹介された内容の中で、特に注目したいのは2点。HD DVDフォーマットのデータをDVD-R/-RW/-RAMに記録する新規格「HD Rec」と、CSSで保護されたDVDビデオのデータをダウンロードし、DVD-Rに記録する「DVD Download」だ。
●HD Rec対応機が年内発売へ
「HD Rec」については、(株)東芝 上席常務待遇 デジタルメディアネットワーク社 主席技監の山田尚志氏が説明した。新規格を策定した背景について山田氏は、「DVDのメディアが安価なので、それにも記録したいとニーズがあるだろうとの考えでガイドラインを策定した」と説明した。
HD Recのメリットとして山田氏は、「H.264やVC-1といった新たなコーデックを採用することで、MPEG2に比べ録画時間が2〜3倍になる。SD映像の場合は、良いエンコーダーを使えば1〜2Mbpsで十分な画質が得られる。HD映像は5〜7Mbpsなら良好な画質が実現でき、片面1層のDVDに1時間程度録画ができる」と説明。さらに、ディスクやレコーダーが安価に製造できること、HD DVDビデオプレーヤー/レコーダーと互換性があることも利点として挙げた。
HD Recの対応メディアは、DVD-R/-RW/-RAM。3倍速以上の読み書きに対応していること、CPRMに対応していることが必須となる。なお、コンテンツのコピープロテクションにはHD DVDと同様にAACSを用いるが、AACSのメディアIDはCPRMのIDでも代用できることなどから、メディアは従来のCPRM対応製品を使用できる。
HD Recを採用した製品の具体例として山田氏は、HD Rec対応のHD DVDプレーヤーや、HD Rec対応DVDレコーダー/カムコーダーなどを紹介。いずれも、メディアはDVD-R/-RW/-RAMのうち1つに対応していれば良く、記録方式もHD DVD-Video、HD DVD-VRのいずれかに対応していれば良い。ただし、自己録再機能については必須となる。
山田氏は、HD Rec対応製品の発売について、「年内には商品が出てくるかなあ、と考えている」と発言。CEATECの東芝ブースに、HD Rec対応モデルとして参考出品されていた、「RD-X7(仮称)」「RD-A201」「RD-A101」(関連ニュース)の正式発表が待たれるところだ。
なおHD DVD関連ではこのほか、日本電気(株)標準化推進本部 シニアエキスパートの山中 豊氏により、3層のHD DVD-ROMについても紹介が行われた。容量は51GBで、今年初めのInternational CESで東芝が発表された新規格だ(関連ニュース)。現在、規格の最終仕様であるVer.2.0を作成しているところで、今年末には発行予定という。なお、層の数が増えたことで記録層の厚さが拡大し、球面収差補正を導入する必要があることも説明された。このほか、HD DVD-R/-RW 1層ディスクの4倍速記録や、同2層ディスクの2倍速記録、またHD DVD-RAMの2層ディスクなどについて、今後規格化を進める予定が示された。
●「DVD Download」で新たなビジネスモデルが生まれる
「DVD Download」については、同フォーラム PCC Chairの蚊野 浩氏が執筆した配付資料に基づいてご紹介しよう。
「DVD Download」は、CSSで保護されたコンテンツを、DVD-Rに書き込む規格。コンテンツはインターネットからダウンロードすることが可能。これまでCSSコンテンツをDVD-Rに記録することは禁止されていたが、今回の規格化によって許可された。
従来のDVD再生機器は、DVD-Rに記録されたCSSコンテンツを再生しないように設計されているため、単純にDVD-RにCSSコンテンツを記録するだけでは、これまで普及しているDVD再生機器で再生することができない。このため、DVD Downloadに対応した新たなDVD-Rメディア「DVD Download Disc」を新たに規格化。記録にはこの新たなメディアの使用が必要となる。なお、規格化された「DVD Download Disc TS Ver.1.0」で規定されている書き込み速度は6〜8倍で、1層のみとなっている。また、記録するドライブやレコーダーも、DVD Downloadに対応した新たな機器が必要となる。
DVD Downloadのサービスイメージとして蚊野氏は、個人がサービスサイトから直接データをダウンロードし、対応機器とメディアに書き込む方法のほか、ユーザーの注文に応じてDVDを書き込み、配送する形態や、街頭に設置されたキヨスク端末で書き込む形態など、様々なビジネスモデルが考えられる、としている。
(Phile-web編集部)