【更新】東芝、「HD Rec」対応のHD DVDレコーダー“VARDIA”発売 − 予想実売価格は10万円以下
(株)東芝はデジタルビデオレコーダー“VARDIA”シリーズに、「HD Rec」によるDVDへのハイビジョン記録にも対応する新製品「RD-A301」を12月中旬から発売する。価格はオープンだが市場では100,000円以下で販売される見込みだ。
本機はHD DVD記録に対応するハイグレードモデル「Aシリーズ」に新しく加わるモデル。既発売のHD DVDレコーダー「RD-A600/A300」の販売については、本機の発売以降も継続される。
本体には300GBのハードディスクが搭載されるとともに、内蔵するドライブはHD DVD-R/-R DL、片面1層のDVD-R/-RW/-RAM、片面2層のDVD-R DLへの書き込みに対応する。なお、DVD-RAMのカートリッジメディアには対応しない。
チューナーは地上・BS・110度CSデジタルチューナーを各2基ずつ、アナログチューナーを1基搭載する全7チューナー構成。「デジタル×デジタル」、「デジタル×アナログ」の2番組同時録画に対応する。なお、W録時にはレコーダーの側で「TS1」「TS2」の空き状況を確認し、状況に応じて録画モードを自動的に切り替える機能も新設された。
本機の最大の特徴となるのが、「HD Rec」の規格に対応し、MPEG4 AVC/H.264形式でのフルHD記録を実現する「HDトランスコーダー」を搭載した点だ。「HD Rec」はDVDフォーラムで承認されたDVDへのハイビジョン記録を実現する規格である(関連ニュース)。DVD-R/-RW/-RAMのいずれか、または複数で3倍速の読み出しに対応した記録ドライブを搭載しており、3倍速以上でCPRMに対応しているメディアにAACSのコピー保護技術を使って書き込みができること、HD DVDアプリケーション規格である「HD DVD-VRフォーマット」でDVD-R/-RW/-RAMのいずれか、または全てに記録が可能な機器であることが「HD Rec」対応の条件だ。
本機に搭載する「HDトランスコーダー」では、MPEG2 TSで内蔵ハードディスクに録画したデータを変換し、MPEG4 AVC/H.264方式でHD DVDディスクやDVDディスクに1,920×1,080画素のフルHD解像度でダビングができる。4Mbpsの画質設定時では、HD DVD-R DLに約12時間、片面1層のDVDに約2時間のハイビジョン映像が記録できる。トランスコードの画質レートはMN3.6からMN17までの「47段階」を設定し、ディスクの容量に合わせて好みのレートでダビングが可能だ。一方で映像はH.264形式に変換して記録されるが、音声についてはオリジナルのまま無劣化で2ストリームまで記録ができる。AAC 5.1chのサラウンド音声信号も、そのまま放送時のAACで残すことが可能だ。
■HD DVD-VRフォーマット時の録画方式ごとの記録時間
※記録時間は入力映像の画質やその他の条件によって表記の時間を下回る場合もある
※TSの場合はチャンネルや番組によってビットレートが異なる。e2 by スカパー!の約5MbpsやBSデジタルの約7Mbpsは東芝調べの参考値
※H.264[TSE]の場合、音声のストリーム数やチャンネル数によって記録時間は短くなる。表はAAC5.1ch 1ストリーム記録時
※VRの場合、音声モードM1時
なお、本機発売時では「HDトランスコーダー」によるハイビジョン記録はダビング時のみの対応となるが、将来的にソフトウェアアップデートにより、H.264形式でのダイレクトエンコード機能が追加できるよう検討されているという。
さらにHDDにTSモードで録画したフルハイビジョン映像のコンテンツについても、CPRM対応のDVDディスクをHDVRフォーマットで初期化して残すことができる。これにより、1枚のDVDディスクにTS/H.264/VR(MPEG2)タイトルを混在して記録することも可能だ。
■HDVRフォーマットを行えばDVDにHD DVDと同様のフルハイビジョン記録が可能になる
ただし、本機でビットレートの高いBSデジタル放送の番組(24Mbps)をTSモードで「録画」した場合、本機搭載ドライブの読み出し速度の都合上、「再生」はHD DVD-R/R DL、DVD-Rのみが正式対応とされている。なお、H.264/VRモードでの自己録再は本機がカバーする全てのHD DVD、DVDディスクで問題なく行うことができる。また本機でDVDにTS記録したディスクについては、現時点では本機でのみ再生ができる。
HDMIはVer.1.3a対応の端子を1系統搭載。同社の薄型テレビとの連動操作を実現する“レグザリンク”に対応する。なおDeepColorやxvColorには非対応。ドルビーTrueHD、DTS-HDなど、次世代サラウンドフォーマットについては、それぞれLPCMに変換しHDMIから出力が可能だ。
「RD-A600/A300」にも採用されたi.Linkダビング機能「RD間 i.LinkダビングHD」は、i.Link搭載の従来機だけでなくD-VHSにも対応し、ハイビジョン番組を本機にムーブすることができる。タテ・ヨコの表示切り替えが可能になった同社独自の電子番組表「WEPG」は、前機種に引き続き採用する。CATVチューナーとVARDIAをIRブラスターで接続して、対応するケーブルテレビ局のチャンネルをVARIDAの番組表から自動で予約録画ができるCATV連動機能を新たに採用している。なおスカパー!連動機能については、本機では省略されている。
デジタル放送のダビングに関する新ルールとなる「ダビング10」については、運用スタート時にはソフトウェアのアップデートによる対応を予定しているという。本件の詳細は決定次第、VARDIAの特設サイトで明らかにされる見込みだ。
メインチップセットとソフトウエアをHD DVDに対応させた新アーキテクチャー「VARDIAエンジン」は、RD-A600/A300に引き続き搭載する。高速対応のGUIを搭載し、USBキーボードによるメニュー操作も可能だ。その他にDLNA機能にも対応し、「ネットdeサーバーHD」機能ではDTCP-IP規格に対応する同社の液晶テレビ“REGZA”シリーズにつないで、VARDIAに録画したTSモードのハイビジョン映像やアナログ放送のコンテンツをホームネットワーク経由でストリーミング再生できる。
その他にも、従来モデルで好評の「おまかせ自動録画」、「お楽しみ番組自動録画」、「おまかせプレイ」等の機能も引き続き採用されている。また再生時の便利機能として、再生を停止すると、「再生中のドラマの続きの回を再生する/録画予約する」など、内容に応じた次の操作をレコーダーが自動的に呼び出す「つぎこれ」機能も搭載された。
本日行われた新製品発表会では、CEATEC JAPAN 2007会場で出展された新フラグシップモデル「RD-X7(仮)」(関連ニュース)についても、「まもなく登場の新製品ラインナップ」として紹介された。「RD-X7」については大容量HDDを搭載し、1080/24p出力やディープカラー、高画質アップコン回路の搭載などが予定されていることが明らかにされた。
本体の縦寸法はRD-A600/A300から29mm薄型化した69mmを実現している。
(Phile-web編集部)
本機はHD DVD記録に対応するハイグレードモデル「Aシリーズ」に新しく加わるモデル。既発売のHD DVDレコーダー「RD-A600/A300」の販売については、本機の発売以降も継続される。
本体には300GBのハードディスクが搭載されるとともに、内蔵するドライブはHD DVD-R/-R DL、片面1層のDVD-R/-RW/-RAM、片面2層のDVD-R DLへの書き込みに対応する。なお、DVD-RAMのカートリッジメディアには対応しない。
チューナーは地上・BS・110度CSデジタルチューナーを各2基ずつ、アナログチューナーを1基搭載する全7チューナー構成。「デジタル×デジタル」、「デジタル×アナログ」の2番組同時録画に対応する。なお、W録時にはレコーダーの側で「TS1」「TS2」の空き状況を確認し、状況に応じて録画モードを自動的に切り替える機能も新設された。
本機の最大の特徴となるのが、「HD Rec」の規格に対応し、MPEG4 AVC/H.264形式でのフルHD記録を実現する「HDトランスコーダー」を搭載した点だ。「HD Rec」はDVDフォーラムで承認されたDVDへのハイビジョン記録を実現する規格である(関連ニュース)。DVD-R/-RW/-RAMのいずれか、または複数で3倍速の読み出しに対応した記録ドライブを搭載しており、3倍速以上でCPRMに対応しているメディアにAACSのコピー保護技術を使って書き込みができること、HD DVDアプリケーション規格である「HD DVD-VRフォーマット」でDVD-R/-RW/-RAMのいずれか、または全てに記録が可能な機器であることが「HD Rec」対応の条件だ。
本機に搭載する「HDトランスコーダー」では、MPEG2 TSで内蔵ハードディスクに録画したデータを変換し、MPEG4 AVC/H.264方式でHD DVDディスクやDVDディスクに1,920×1,080画素のフルHD解像度でダビングができる。4Mbpsの画質設定時では、HD DVD-R DLに約12時間、片面1層のDVDに約2時間のハイビジョン映像が記録できる。トランスコードの画質レートはMN3.6からMN17までの「47段階」を設定し、ディスクの容量に合わせて好みのレートでダビングが可能だ。一方で映像はH.264形式に変換して記録されるが、音声についてはオリジナルのまま無劣化で2ストリームまで記録ができる。AAC 5.1chのサラウンド音声信号も、そのまま放送時のAACで残すことが可能だ。
■HD DVD-VRフォーマット時の録画方式ごとの記録時間
ディスクの種類 | DVD-R | HD DVD-R | |||
録画方式 | 容量 | 4.7GB | 8.5GB | 15GB | 30GB |
TS MPEG2(HD/SD) | e2 by スカパー! 約5Mbps時(SD) | 1:50 | 3:30 | 6:21 | 12:51 |
BSデジタル 約7Mbps時(SD) | 1:18 | 2:30 | 4:33 | 9:13 | |
地上デジタル/e2 by スカパー! 約17Mbps時(HD) | 0:31 | 1:01 | 1:52 | 3:48 | |
BSデジタル 約24Mbps時(HD) | 0:21 | 0:42 | 1:19 | 2:41 | |
H.264 [TSE] MPEG4 AVC(HD/SD) | 最長記録時 3.6Mbps(HD) | 2:15 | 4:18 | 7:48 | 15:46 |
TSE推奨 8.2Mbps(HD) | 1:03 | 2:01 | 3:41 | 7:28 | |
SPモード 15Mbps(HD) | 0:34 | 1:07 | 2:03 | 4:11 | |
最高レート 17Mbps(HD) | 0:30 | 0:59 | 1:49 | 3:42 | |
VR MPEG2(SD) | 最長記録時 1.0Mbps(SD) | 7:38 | 14:30 | 26:12 | 52:54 |
LPモード 2.2Mbps(SD) | 3:47 | 7:12 | 13:02 | 26:20 | |
SPモード 4.6Mbps(SD) | 1:54 | 3:39 | 6:37 | 13:24 | |
最高レート 9.2Mbps(SD) | 0:58 | 1:52 | 3:23 | 6:53 |
※記録時間は入力映像の画質やその他の条件によって表記の時間を下回る場合もある
※TSの場合はチャンネルや番組によってビットレートが異なる。e2 by スカパー!の約5MbpsやBSデジタルの約7Mbpsは東芝調べの参考値
※H.264[TSE]の場合、音声のストリーム数やチャンネル数によって記録時間は短くなる。表はAAC5.1ch 1ストリーム記録時
※VRの場合、音声モードM1時
なお、本機発売時では「HDトランスコーダー」によるハイビジョン記録はダビング時のみの対応となるが、将来的にソフトウェアアップデートにより、H.264形式でのダイレクトエンコード機能が追加できるよう検討されているという。
さらにHDDにTSモードで録画したフルハイビジョン映像のコンテンツについても、CPRM対応のDVDディスクをHDVRフォーマットで初期化して残すことができる。これにより、1枚のDVDディスクにTS/H.264/VR(MPEG2)タイトルを混在して記録することも可能だ。
■HDVRフォーマットを行えばDVDにHD DVDと同様のフルハイビジョン記録が可能になる
VRタイトル(SP/LP/MVモードなど) | TSタイトルHD放送をTSモードで記録 | H.264タイトル HD放送をMPEG4 AVCで記録 | |
VRフォーマットで初期化 | ○ | − | − |
HDVRフォーマット初期化 | ○ | ○ | ○ |
ただし、本機でビットレートの高いBSデジタル放送の番組(24Mbps)をTSモードで「録画」した場合、本機搭載ドライブの読み出し速度の都合上、「再生」はHD DVD-R/R DL、DVD-Rのみが正式対応とされている。なお、H.264/VRモードでの自己録再は本機がカバーする全てのHD DVD、DVDディスクで問題なく行うことができる。また本機でDVDにTS記録したディスクについては、現時点では本機でのみ再生ができる。
HDMIはVer.1.3a対応の端子を1系統搭載。同社の薄型テレビとの連動操作を実現する“レグザリンク”に対応する。なおDeepColorやxvColorには非対応。ドルビーTrueHD、DTS-HDなど、次世代サラウンドフォーマットについては、それぞれLPCMに変換しHDMIから出力が可能だ。
「RD-A600/A300」にも採用されたi.Linkダビング機能「RD間 i.LinkダビングHD」は、i.Link搭載の従来機だけでなくD-VHSにも対応し、ハイビジョン番組を本機にムーブすることができる。タテ・ヨコの表示切り替えが可能になった同社独自の電子番組表「WEPG」は、前機種に引き続き採用する。CATVチューナーとVARDIAをIRブラスターで接続して、対応するケーブルテレビ局のチャンネルをVARIDAの番組表から自動で予約録画ができるCATV連動機能を新たに採用している。なおスカパー!連動機能については、本機では省略されている。
デジタル放送のダビングに関する新ルールとなる「ダビング10」については、運用スタート時にはソフトウェアのアップデートによる対応を予定しているという。本件の詳細は決定次第、VARDIAの特設サイトで明らかにされる見込みだ。
メインチップセットとソフトウエアをHD DVDに対応させた新アーキテクチャー「VARDIAエンジン」は、RD-A600/A300に引き続き搭載する。高速対応のGUIを搭載し、USBキーボードによるメニュー操作も可能だ。その他にDLNA機能にも対応し、「ネットdeサーバーHD」機能ではDTCP-IP規格に対応する同社の液晶テレビ“REGZA”シリーズにつないで、VARDIAに録画したTSモードのハイビジョン映像やアナログ放送のコンテンツをホームネットワーク経由でストリーミング再生できる。
その他にも、従来モデルで好評の「おまかせ自動録画」、「お楽しみ番組自動録画」、「おまかせプレイ」等の機能も引き続き採用されている。また再生時の便利機能として、再生を停止すると、「再生中のドラマの続きの回を再生する/録画予約する」など、内容に応じた次の操作をレコーダーが自動的に呼び出す「つぎこれ」機能も搭載された。
本日行われた新製品発表会では、CEATEC JAPAN 2007会場で出展された新フラグシップモデル「RD-X7(仮)」(関連ニュース)についても、「まもなく登場の新製品ラインナップ」として紹介された。「RD-X7」については大容量HDDを搭載し、1080/24p出力やディープカラー、高画質アップコン回路の搭載などが予定されていることが明らかにされた。
本体の縦寸法はRD-A600/A300から29mm薄型化した69mmを実現している。
(Phile-web編集部)
関連リンク
トピック
- ブランドTOSHIBA
- 型番RD-A301
- 発売日2007年12月中旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格100,000円以下)
【SPEC】●HDD容量:300GB ●記録メディア:HD DVD-R/-R DL、DMD-R/-RW/-RAM、DVD-R DL ●映像DAコンバーター:12bit/148MHz ●音声DAコンバーター:192kHz/24bit ●受信チャンネル:地上デジタル/BSデジタル/110度CS/地上アナログ ●入出力端子:HDMI×1、i.Link×1、EXTENSION×2、D4映像出力×1、S映像(入力×2、出力×1)、コンポジット映像(入力×2、出力×1)、光音声出力×1、アナログ音声出力×2 ●外形寸法:430W×69H×375Dmm ●質量:6.1kg