<山之内正のCES2008レポート>勝利宣言!? ワーナー独占で注目のBDAプレスカンファレンス
CESの開幕初日夕刻からブルーレイディスクアソシエーション(BDA)のプレスカンファレンスが行われた。ワーナーがBDでの独占販売移行を発表した直後とあって大きな注目を集め、Venetian Hotelのカンファレンス会場はプレス関係者で埋め尽くされた。参加メンバーは昨年とほぼ同じ顔ぶれで、BDをサポートするハリウッドのメジャー映画スタジオの代表が揃ったが、昨年は参加していたパラマウントは当然ながら今年は欠席。ワーナーの社長に多くの質問が集まるなど、ほぼ予想通りの展開となった。
冒頭に昨年の市場の概要を紹介したのは、去年と同様、BDA米国チェアマンのAndy Parsons氏である。2007年はすべての週でBDがHD DVDの販売数を上回り、年間を通じての米国における販売数はBDが64%、HD DVDが36%とほぼ2対1の割合になったという。日本を含む他の市場ではさらにBDの比率が大きい地域が多く、トータルではBDが66%、HD DVDが34%と差が開いている。さらにハードウェアのシェアについても言及し、BDが85%、HD DVDが15%という数字が紹介されたが、その中には従来通りPS3の販売台数が含まれている。
ワーナーがBD独占に移行したことにより、ハリウッドのスタジオのシェアはBDが68.4%、HD DVDが22.8%になったが、その他にBDをサポートする勢力を加えるとほぼ7割を超える映画会社がBDのみを発売する状況だという。最後にParsons氏は、「この変化はHDソフトをめぐる重大な状況の変化であり、消費者の選択が容易になったことを意味する」とコメントした。
続いて20世紀フォックス・ホームエンターテイメント副社長のDanny Kaye氏がBD産業の概要を紹介。特にプレーヤー市場が2008年に向けて著しい伸びを見せており、アーリーアダプター層が支持する段階から次の段階へとステップアップが起こっているとした。さらに、VHSからDVDへメディアの世代交代が起きた2000年前後の状況と現在の状況を比較し、旧世代メディアの伸びの鈍化と新世代メディアの急激な伸長という構図が再びDVDとBDに間に起こっていることを指摘した。同氏は2008年末までに市場に浸透するBD再生機器の台数を1000万台と予測している。
次にソニーピクチャーズ・ホームエンターテインメント社長のDavid Bishop氏が登場し、PS3がBD市場の拡大に貢献していることを力説。PS3はたんなるゲーム機としてではなく、BDプレーヤーとして受け入れられていると説明した。その後でBD Profile1.1について実例(Evil Resident)を挙げながら紹介が行われ、ピクチャー・イン・ピクチャー機能、予告編のダウンロードやオンラインゲームなどが可能になるBD Liveの多彩な機能の一端が紹介された。なお、BD Liveについてはコンベンション会場のBDAブースで実演が行われており、大きな注目集めている。
ウォルト・ディズニースタジオ・ホームエンタテインメント社長のBob Chapek氏は、消費者の間にBDとハイビジョンの認知度を上げる活動(ディズニー・マジカル・ブルーレイツアー)の一例を紹介し、今後さらに活動範囲を広げていくことを宣言した。ハイビジョンの良さについて半信半疑の消費者が、実際に映像を体験することでメリットを理解するという。
ワーナーブラザーズ・ホームエンターテイメント社長のRon Sanders氏はBDの普及のために繰り広げてきた活動について触れ、今後はBDがDVDを受け継ぐ存在であることを訴える「The Future is Blu」キャンペーンを展開するという。
最後にライオンズゲート・ホームエンターテイメント社長のSteve Beeks氏が、「市場がBDを唯一のフォーマットして選択した。これからはフォーマット戦争に費やしたエネルギーを、BDでフォーマット統一というコンセンサスを広めることに使う」と、事実上の勝利宣言を行った。
(山之内正)
冒頭に昨年の市場の概要を紹介したのは、去年と同様、BDA米国チェアマンのAndy Parsons氏である。2007年はすべての週でBDがHD DVDの販売数を上回り、年間を通じての米国における販売数はBDが64%、HD DVDが36%とほぼ2対1の割合になったという。日本を含む他の市場ではさらにBDの比率が大きい地域が多く、トータルではBDが66%、HD DVDが34%と差が開いている。さらにハードウェアのシェアについても言及し、BDが85%、HD DVDが15%という数字が紹介されたが、その中には従来通りPS3の販売台数が含まれている。
ワーナーがBD独占に移行したことにより、ハリウッドのスタジオのシェアはBDが68.4%、HD DVDが22.8%になったが、その他にBDをサポートする勢力を加えるとほぼ7割を超える映画会社がBDのみを発売する状況だという。最後にParsons氏は、「この変化はHDソフトをめぐる重大な状況の変化であり、消費者の選択が容易になったことを意味する」とコメントした。
続いて20世紀フォックス・ホームエンターテイメント副社長のDanny Kaye氏がBD産業の概要を紹介。特にプレーヤー市場が2008年に向けて著しい伸びを見せており、アーリーアダプター層が支持する段階から次の段階へとステップアップが起こっているとした。さらに、VHSからDVDへメディアの世代交代が起きた2000年前後の状況と現在の状況を比較し、旧世代メディアの伸びの鈍化と新世代メディアの急激な伸長という構図が再びDVDとBDに間に起こっていることを指摘した。同氏は2008年末までに市場に浸透するBD再生機器の台数を1000万台と予測している。
次にソニーピクチャーズ・ホームエンターテインメント社長のDavid Bishop氏が登場し、PS3がBD市場の拡大に貢献していることを力説。PS3はたんなるゲーム機としてではなく、BDプレーヤーとして受け入れられていると説明した。その後でBD Profile1.1について実例(Evil Resident)を挙げながら紹介が行われ、ピクチャー・イン・ピクチャー機能、予告編のダウンロードやオンラインゲームなどが可能になるBD Liveの多彩な機能の一端が紹介された。なお、BD Liveについてはコンベンション会場のBDAブースで実演が行われており、大きな注目集めている。
ウォルト・ディズニースタジオ・ホームエンタテインメント社長のBob Chapek氏は、消費者の間にBDとハイビジョンの認知度を上げる活動(ディズニー・マジカル・ブルーレイツアー)の一例を紹介し、今後さらに活動範囲を広げていくことを宣言した。ハイビジョンの良さについて半信半疑の消費者が、実際に映像を体験することでメリットを理解するという。
ワーナーブラザーズ・ホームエンターテイメント社長のRon Sanders氏はBDの普及のために繰り広げてきた活動について触れ、今後はBDがDVDを受け継ぐ存在であることを訴える「The Future is Blu」キャンペーンを展開するという。
最後にライオンズゲート・ホームエンターテイメント社長のSteve Beeks氏が、「市場がBDを唯一のフォーマットして選択した。これからはフォーマット戦争に費やしたエネルギーを、BDでフォーマット統一というコンセンサスを広めることに使う」と、事実上の勝利宣言を行った。
(山之内正)