ソニー、2007年度の連結決算を発表 − 過去最高の売上高/純利益を記録
ソニー(株)は、本日2007年度の連結業績説明会を開催。同社執行役EVP兼CFOの大根田伸行氏らが出席した。
2007年度の通期売上高は、好調だった前年度を+6.9%上回る8兆8,714億円、営業利益は3,745億円(+421.9%)、当期純利益は3,694億円(+192.4%)と、いずれも前年から大きく数字を伸ばした。連結営業利益率は4.2%。売上高と当期純利益は過去最高、営業利益は史上2番目の結果となった。
■エレクトロニクス分野 ー BRAVIAの販売力強化を図る
エレクトロニクス分野の今期売上高は6兆6,138億円(+8.9%)。営業利益は3,560億円(+121.8%)と、過去最高を記録した。ユーロに対する円安の影響に加え、VAIO、サイバーショット、ハンディカム、システムLSIなどの売り上げが好調だったことが分野全体の増益を実現した。
BRAVIAは出荷台数を全世界的に伸ばし増収を果たしたが、製品単価の下落や製造コストなどの問題から、営業利益は減益に転じた。これについて大根田氏は「製品自体の競争力が弱かったほか、パネル調達が難航したため」と分析。今後は「中〜下位モデルは標準パネル、上位モデルはソニー仕様パネルを搭載するなど、パネルやシャーシの大幅なコストダウンを実施する」という。
また、エントリーモデルを中心にラインナップを強化し、販売チャネルを広げていく考えを示した。先日生産能力を増強したスロバキアのニトラ工場(関連ニュース)などを中心に全世界的に生産台数を増強。これにより、コストダウンも図り、分野の黒字化を狙うという。
なお、リアプロジェクションテレビは引き続き市場縮小を続け、減益を計上。同社はリアプロジェクションテレビ事業から撤退することを決定した。
また、BDレコーダーの利益に対する寄与について訊かれた大根田氏は「確かに2007年度は赤字だったBDレコーダー部門だが、2008年度後半からは売り上げ台数自体が伸び、黒字化すると見ている」と回答した。
■ゲーム分野 ー PS3がハード/ソフトともに売り上げを大きく伸ばす
ゲーム分野の売上高は1兆2,842億円(+26.3%)と前年から伸びを見せたほか、営業損失は昨年度の2,323億円から縮小し、1,245億円とした。営業損失縮小の理由について大根田氏は「PS3の製造コスト改善とソフトの売り上げ増加、PSP新モデルの好調」と説明。
PS3はハードウェアは924万台(+156%)、ソフトウェアは5,790万本(+335%)と共に大きく前年度を上回った。一方PS2はハード1,373万台(-7%)、ソフト1億5,400万本(-20%)と共に減少。PSPはハードは1,389万台(+46%)と伸ばしたものの、ソフトは5,500万本(+1%)とほぼ変化がなかった。
大根田氏は「PS3はソフトのラインナップも多くなり、ハードの売り上げも伸びている。これはPS3がプラットフォームのひとつとして確立できてきたということだと捉えている。今後はネットワーク関連のサービスなどを強化していく予定。PS3は低価格化が売上数に大きく影響する製品ではないと考えているため、闇雲に価格を安くするのではなく、市場やコストの状況を鑑みて対応していきたい」と述べた。
■2008年度連結業績見通し ー ほぼ今年度の状態を維持する構え
2008年度の業績見通しでは、売上高が9兆円(+1%)、営業利益が4,500億円(+20%)と昨年から大きく変化はない。
エレクトロニクス分野では、主に米ドルに対する円高の影響により全体では減益となると見込んでいるものの、BRAVIAを始めVAIO、サイバーショットなどは増収、テレビ事業の大幅な損益改善を見込んでいるという。ゲーム分野はPS3のハードウェアコスト削減やソフトの充実により、分野全体で黒字化すると予想している。
(Phile-web編集部)
2007年度の通期売上高は、好調だった前年度を+6.9%上回る8兆8,714億円、営業利益は3,745億円(+421.9%)、当期純利益は3,694億円(+192.4%)と、いずれも前年から大きく数字を伸ばした。連結営業利益率は4.2%。売上高と当期純利益は過去最高、営業利益は史上2番目の結果となった。
■エレクトロニクス分野 ー BRAVIAの販売力強化を図る
エレクトロニクス分野の今期売上高は6兆6,138億円(+8.9%)。営業利益は3,560億円(+121.8%)と、過去最高を記録した。ユーロに対する円安の影響に加え、VAIO、サイバーショット、ハンディカム、システムLSIなどの売り上げが好調だったことが分野全体の増益を実現した。
BRAVIAは出荷台数を全世界的に伸ばし増収を果たしたが、製品単価の下落や製造コストなどの問題から、営業利益は減益に転じた。これについて大根田氏は「製品自体の競争力が弱かったほか、パネル調達が難航したため」と分析。今後は「中〜下位モデルは標準パネル、上位モデルはソニー仕様パネルを搭載するなど、パネルやシャーシの大幅なコストダウンを実施する」という。
また、エントリーモデルを中心にラインナップを強化し、販売チャネルを広げていく考えを示した。先日生産能力を増強したスロバキアのニトラ工場(関連ニュース)などを中心に全世界的に生産台数を増強。これにより、コストダウンも図り、分野の黒字化を狙うという。
なお、リアプロジェクションテレビは引き続き市場縮小を続け、減益を計上。同社はリアプロジェクションテレビ事業から撤退することを決定した。
また、BDレコーダーの利益に対する寄与について訊かれた大根田氏は「確かに2007年度は赤字だったBDレコーダー部門だが、2008年度後半からは売り上げ台数自体が伸び、黒字化すると見ている」と回答した。
■ゲーム分野 ー PS3がハード/ソフトともに売り上げを大きく伸ばす
ゲーム分野の売上高は1兆2,842億円(+26.3%)と前年から伸びを見せたほか、営業損失は昨年度の2,323億円から縮小し、1,245億円とした。営業損失縮小の理由について大根田氏は「PS3の製造コスト改善とソフトの売り上げ増加、PSP新モデルの好調」と説明。
PS3はハードウェアは924万台(+156%)、ソフトウェアは5,790万本(+335%)と共に大きく前年度を上回った。一方PS2はハード1,373万台(-7%)、ソフト1億5,400万本(-20%)と共に減少。PSPはハードは1,389万台(+46%)と伸ばしたものの、ソフトは5,500万本(+1%)とほぼ変化がなかった。
大根田氏は「PS3はソフトのラインナップも多くなり、ハードの売り上げも伸びている。これはPS3がプラットフォームのひとつとして確立できてきたということだと捉えている。今後はネットワーク関連のサービスなどを強化していく予定。PS3は低価格化が売上数に大きく影響する製品ではないと考えているため、闇雲に価格を安くするのではなく、市場やコストの状況を鑑みて対応していきたい」と述べた。
■2008年度連結業績見通し ー ほぼ今年度の状態を維持する構え
2008年度の業績見通しでは、売上高が9兆円(+1%)、営業利益が4,500億円(+20%)と昨年から大きく変化はない。
エレクトロニクス分野では、主に米ドルに対する円高の影響により全体では減益となると見込んでいるものの、BRAVIAを始めVAIO、サイバーショットなどは増収、テレビ事業の大幅な損益改善を見込んでいるという。ゲーム分野はPS3のハードウェアコスト削減やソフトの充実により、分野全体で黒字化すると予想している。
(Phile-web編集部)