<CEDIA2008>パナソニック、倍速対応/コントラスト比6万対1の液晶PJ「AE3000」を披露
デンバーで現地時間9月3日に開幕した「CEDIA EXPO 2008」。初日に行われたパナソニックのプレスカンファレンスでは、液晶プロジェクター「PT-AE3000」や新BDプレーヤーなどが披露された。
■倍速駆動/コントラスト比60,000対1の「AE3000」
PT-AE3000は、先日のIFA 2008では実機展示が行われなかったため、CEDIAが世界初公開ということになった。全世界同時展開を行うモデルで、日本でも発売を予定する。米国での販売価格は3,499ドルで、10月に発売する。
写真を見てお分かりの通り、外観はこれまでとほとんど変わっていないが、後述するように、中身は大幅な性能向上が図られている。まず基本スペックを紹介すると、輝度は1,600ルーメンで、電動2倍ズームを搭載。レンズシフト幅は上下100%、水平40%と広い。ECOモード時の騒音レベルは22dB。
製品の詳細については、北米のプロジェクター販売マネージャーを務めるスコット・ウェリントン氏が説明した。同氏によると、2007年の北米のホームシアター向けプロジェクター金額シェアは、同社が1080p/720pモデルの両方で35%以上のシェアを獲得し、どちらもブランド別シェア1位を獲得したのだという。この好調を持続するため、ブラッシュアップを図ったのがAE3000ということになる。
新製品の特徴は数多いが、注目したいポイントは2つ。1つは光漏れを抑える新たな光学エンジン「Pure Contrast Panel」技術の搭載により、コントラスト比を60,000対1に向上させたこと。もう1つは倍速駆動に対応したことだ。
「Pure Contrast Panel」については、エプソンのDEEPBLACKテクノロジーと同じ考え方の技術と考えて良い。オートアイリス技術との併用によりコントラスト比が劇的に高まり、「暗いシーンをよりリッチに再現することができる」(ウェリントン氏)という。
光学系の見直しでは、レンズも新たにチューニングされた。レンズはLUMIXに搭載されるライカレンズを生産しているところと同じ、日本国内の工場で、熟練の技術者によって生産される。フォーカス感とユニフォーミティーに優れているという。なお、輝度は前モデルのAE2000の1,500ルーメンから1,600ルーメンへと、わずかに向上した。
倍速駆動技術については、60Hzの映像の場合、コマとコマのあいだに補間コマを生成して120Hzで表示する技術で、動画解像度が向上する。液晶テレビではおなじみの技術だ。24p映像を入力した場合、96Hzで表示することもできる。
そのほか、新たに搭載された高画質処理技術「Detail Clarity Processor 2」にも注目したい。フレーム内の画像の周波数をエリアごとに解析し、それぞれの特徴にあわせてシャープネスをかける技術。従来の技術では映像全体に対して均一にシャープネスがかかってしまってたが、この技術ではより自然で鮮明な映像が可能になるという。
使い勝手を高める工夫では、新たに「Lens Memory」機能を搭載。その名の通り、レンズのズーム/フォーカス設定を記憶しておく機能で、アスペクト比が異なるコンテンツを再生する場合でも、ボタンを押すだけで設定値を呼び出せるため、常にスクリーン一杯に映像を表示することができる。
■新BDプレーヤー「DMP-BD55」「DMP-BD35」
そのほかプレスカンファレンスでは、BDプレーヤー「DMP-BD55」「DMP-BD35」も発表。秋の発売を予定する。BD50/30の後継となるモデルで、北米だけでなくアジア圏なども含め、グローバルで展開するが、日本はレコーダーに注力するため、残念ながら発売の予定はない。価格は現在調整中とのことだが、BD50の599ドル、BD30の399ドルというプライスタグに対して、若干上乗せされる程度だという。
両機とも、パナソニックハリウッド研究所(PHL)の研究成果をもとにした色信号処理技術「PHL Reference Chroma Processor Plus」を搭載。BD-LIVEにも両機とも対応し、さらにSDメモリーカードスロットやVIERA LINK機能も備える。HDオーディオのビットストリーム出力は両機とも対応し、さらに上位機のBD55はHDMIからのPCMデコード出力と7.1chアナログ出力も行える。
AVアンプについては、先日国内で発表されたものとほぼ同じ仕様のものと思われる「SA-BX500」の発売をアナウンス。HDオーディオに対応した7.1ch AVアンプで、5.1ch接続時に、バーチャルで7.1ch再生を行う機能も備える。価格は799ドル。
さらに、“フリーアングル”HDMIケーブル「RP-CDHF」シリーズも発表された。コネクターの部分が180度回転するというもので、1.5mと3.0mの製品を用意。テレビの薄型化が加速しているが、通常のHDMIケーブルの場合、ケーブルを曲げることを考えると、壁にあまり近づけられないケースがあった。この製品を使えば、壁からの距離を1.2インチ程度まで近接させることができるという。
VIERAについては、Youtube視聴や写真共有サービス「PiCaSa」、Bloombergのニュース閲覧などに対応した「VIERA CAST」対応のPZ850シリーズ新機種を発表。新たに58V型の「TH-58PZ850」と65V型の「TH-65PZ850」が加わる。これまで、PZ850シリーズは50V/46V型の2モデルが発売されていたが、今回の2モデルの投入により、ラインナップを強化する。また、PZ800シリーズについても新サイズとして58インチ「TH-58PZ800」が発表された。
そのほか、CEDIAならではの発表として、CRESTRONやAMXといったホームオートメーション機器の操作やモニターが行える電話機も発表。プレゼンでは、実際に電話を操作して会場内の照明を落としたり、マイクのボリュームを上げ下げするなどのデモンストレーションが行われ、出席者の喝采を浴びていた。
(Phile-web編集部・風間)
■倍速駆動/コントラスト比60,000対1の「AE3000」
PT-AE3000は、先日のIFA 2008では実機展示が行われなかったため、CEDIAが世界初公開ということになった。全世界同時展開を行うモデルで、日本でも発売を予定する。米国での販売価格は3,499ドルで、10月に発売する。
写真を見てお分かりの通り、外観はこれまでとほとんど変わっていないが、後述するように、中身は大幅な性能向上が図られている。まず基本スペックを紹介すると、輝度は1,600ルーメンで、電動2倍ズームを搭載。レンズシフト幅は上下100%、水平40%と広い。ECOモード時の騒音レベルは22dB。
製品の詳細については、北米のプロジェクター販売マネージャーを務めるスコット・ウェリントン氏が説明した。同氏によると、2007年の北米のホームシアター向けプロジェクター金額シェアは、同社が1080p/720pモデルの両方で35%以上のシェアを獲得し、どちらもブランド別シェア1位を獲得したのだという。この好調を持続するため、ブラッシュアップを図ったのがAE3000ということになる。
新製品の特徴は数多いが、注目したいポイントは2つ。1つは光漏れを抑える新たな光学エンジン「Pure Contrast Panel」技術の搭載により、コントラスト比を60,000対1に向上させたこと。もう1つは倍速駆動に対応したことだ。
「Pure Contrast Panel」については、エプソンのDEEPBLACKテクノロジーと同じ考え方の技術と考えて良い。オートアイリス技術との併用によりコントラスト比が劇的に高まり、「暗いシーンをよりリッチに再現することができる」(ウェリントン氏)という。
光学系の見直しでは、レンズも新たにチューニングされた。レンズはLUMIXに搭載されるライカレンズを生産しているところと同じ、日本国内の工場で、熟練の技術者によって生産される。フォーカス感とユニフォーミティーに優れているという。なお、輝度は前モデルのAE2000の1,500ルーメンから1,600ルーメンへと、わずかに向上した。
倍速駆動技術については、60Hzの映像の場合、コマとコマのあいだに補間コマを生成して120Hzで表示する技術で、動画解像度が向上する。液晶テレビではおなじみの技術だ。24p映像を入力した場合、96Hzで表示することもできる。
そのほか、新たに搭載された高画質処理技術「Detail Clarity Processor 2」にも注目したい。フレーム内の画像の周波数をエリアごとに解析し、それぞれの特徴にあわせてシャープネスをかける技術。従来の技術では映像全体に対して均一にシャープネスがかかってしまってたが、この技術ではより自然で鮮明な映像が可能になるという。
使い勝手を高める工夫では、新たに「Lens Memory」機能を搭載。その名の通り、レンズのズーム/フォーカス設定を記憶しておく機能で、アスペクト比が異なるコンテンツを再生する場合でも、ボタンを押すだけで設定値を呼び出せるため、常にスクリーン一杯に映像を表示することができる。
■新BDプレーヤー「DMP-BD55」「DMP-BD35」
そのほかプレスカンファレンスでは、BDプレーヤー「DMP-BD55」「DMP-BD35」も発表。秋の発売を予定する。BD50/30の後継となるモデルで、北米だけでなくアジア圏なども含め、グローバルで展開するが、日本はレコーダーに注力するため、残念ながら発売の予定はない。価格は現在調整中とのことだが、BD50の599ドル、BD30の399ドルというプライスタグに対して、若干上乗せされる程度だという。
両機とも、パナソニックハリウッド研究所(PHL)の研究成果をもとにした色信号処理技術「PHL Reference Chroma Processor Plus」を搭載。BD-LIVEにも両機とも対応し、さらにSDメモリーカードスロットやVIERA LINK機能も備える。HDオーディオのビットストリーム出力は両機とも対応し、さらに上位機のBD55はHDMIからのPCMデコード出力と7.1chアナログ出力も行える。
AVアンプについては、先日国内で発表されたものとほぼ同じ仕様のものと思われる「SA-BX500」の発売をアナウンス。HDオーディオに対応した7.1ch AVアンプで、5.1ch接続時に、バーチャルで7.1ch再生を行う機能も備える。価格は799ドル。
さらに、“フリーアングル”HDMIケーブル「RP-CDHF」シリーズも発表された。コネクターの部分が180度回転するというもので、1.5mと3.0mの製品を用意。テレビの薄型化が加速しているが、通常のHDMIケーブルの場合、ケーブルを曲げることを考えると、壁にあまり近づけられないケースがあった。この製品を使えば、壁からの距離を1.2インチ程度まで近接させることができるという。
VIERAについては、Youtube視聴や写真共有サービス「PiCaSa」、Bloombergのニュース閲覧などに対応した「VIERA CAST」対応のPZ850シリーズ新機種を発表。新たに58V型の「TH-58PZ850」と65V型の「TH-65PZ850」が加わる。これまで、PZ850シリーズは50V/46V型の2モデルが発売されていたが、今回の2モデルの投入により、ラインナップを強化する。また、PZ800シリーズについても新サイズとして58インチ「TH-58PZ800」が発表された。
そのほか、CEDIAならではの発表として、CRESTRONやAMXといったホームオートメーション機器の操作やモニターが行える電話機も発表。プレゼンでは、実際に電話を操作して会場内の照明を落としたり、マイクのボリュームを上げ下げするなどのデモンストレーションが行われ、出席者の喝采を浴びていた。
(Phile-web編集部・風間)