ブラウン管からの買い換え需要も意識
「省エネのトップランナーを常に狙う」 - シャープが“AQUOS Dシリーズ”の説明会を実施
シャープ(株)から2月20に発売された液晶テレビ“AQUOS”の省エネ性能向上モデル“Dシリーズ”。同社では本日、マスコミ向けに製品の説明会を行った。
説明会には、商品企画に携わった同社AVシステム事業本部 液晶デジタルシステム第1事業部 商品企画部 副参事の中沢健一氏が出席。製品の特徴や開発に至った背景などを説明した。
製品発表時にPhile-webでも記事にした通り(関連ニュース)、本シリーズは優れた省エネ性能を特徴としている。こうした製品を開発するに至った経緯については「消費者のエコ意識の高まりを感じた」という点があったと中沢氏はコメントする。
「今まで、省エネ分野は日本とヨーロッパがリードしてきたが、CES2009(関連ニュース一覧)でも環境訴求や省エネに関するポップが目立っていた。アメリカを含めて、省エネは世界的な流れになってきている」と語る中沢氏。AV家電でも省エネはますます重要なキーワードになりつつあると改めて感じているという。
そうした社会状況を受けて開発された“Dシリーズ”。“AQUOS”は以前から省エネ性能で業界のトップランナーを走っていたが、本シリーズでは32V型の「LC-32DE5」で消費電力を66kWh/年と、前モデル「LC-32D30」に比べてほぼ半減させた。しかし、「当たり前だが、電力を下げても画質や音質のクオリティーは上がっている」と中沢氏はコメントし、「中・小型モデルでもトップランナーを狙っていく」と力強く宣言した。
こうした省エネ性能を実現するためには、「バックライトの電力をいかに下げるかがポイントだった」と中沢氏は説明する。液晶テレビの消費電力は8割ほどがバックライトが原因であるためここに注力。バックライトの電力を1/3に削減した。
消費電力削減の具体的方法については過去記事に詳しいのでそちらを参照頂きたいが、説明会では蛍光管の本数を減らしていることも明かされた。その説明によれば、「LC-32DE5」は前モデル「LC-32D30」から蛍光管を約6割削減しながらも同じ明るさを実現しているという。
しかし、単純に蛍光管を減らすだけでは映像にムラが出てしまう。同社ではこの点に配慮し、光の拡散技術などでカバー。450cd/m2の明るさを実現した。
また、同シリーズにはバックライトの輝度を自動調整する「明るさセンサー」や、音声のみを出力できる「映像オフ」など様々な節電機能も装備されている。中沢氏によれば、現在はメニュー画面から辿って各機能を選択する形式だが、将来的にはリモコンに専用ボタンを設けることも検討するかもしれないとのことだ。
続いて中沢氏は画質および音質面についても言及。新開発のLSIには、XシリーズやRシリーズなど上位モデルで培った技術の一部を投入していることなどが明らかにされた。
階調表現能力を向上させ、新たなノイズリダクション機能も搭載した同LSIには、プログレッシブ変換技術も新たなものが搭載されている。この点について中沢氏は「これまでは、どちらかというとBDなど高画質な映像をより高画質にというニーズが中心だった。しかし、一般社会ではまだDVDなどのニーズも高い」という背景があったと説明する。
そして、中沢氏は音質面をつかさどる「フルデジタル1ビットアンプ」についても説明。従来は一部の処理でアナログ変換をする必要があったが、アナログにはノイズを拾いやすいという特性があった。フルデジタル処理にすることにより、そうした問題をクリアしたという。
また、「LC-32DE5」ではスタンドの高さを60.4cmと58.0cmの2段階から選択可能という特徴も持っている。このユニークな特徴は、ブラウン管からの買い換え需要を意識してのものだという。
中沢氏は、28V型のワイドテレビや4対3の29V型のブラウン管テレビの高さがおよそ58cmであることを説明。そうしたテレビにジャストサイズのラックや棚を使っているユーザーがスムーズに買い換えられるように配慮し、こうした機能を盛り込んだと語った。
クオリティを上げつつも省エネ性能を磨き社会のニーズに応えようとしている同シリーズ。中沢氏は「各社の春モデルと比較しても、本シリーズの省エネ性能はトップランナーだ」と胸を張る。そしてまた、「抜きつ抜かれつはあると思うが、省エネのトップランナーを常に狙っていきたい」と、今後もさらなる省エネ能力向上に励んでいくと語った。
説明会には、商品企画に携わった同社AVシステム事業本部 液晶デジタルシステム第1事業部 商品企画部 副参事の中沢健一氏が出席。製品の特徴や開発に至った背景などを説明した。
製品発表時にPhile-webでも記事にした通り(関連ニュース)、本シリーズは優れた省エネ性能を特徴としている。こうした製品を開発するに至った経緯については「消費者のエコ意識の高まりを感じた」という点があったと中沢氏はコメントする。
「今まで、省エネ分野は日本とヨーロッパがリードしてきたが、CES2009(関連ニュース一覧)でも環境訴求や省エネに関するポップが目立っていた。アメリカを含めて、省エネは世界的な流れになってきている」と語る中沢氏。AV家電でも省エネはますます重要なキーワードになりつつあると改めて感じているという。
そうした社会状況を受けて開発された“Dシリーズ”。“AQUOS”は以前から省エネ性能で業界のトップランナーを走っていたが、本シリーズでは32V型の「LC-32DE5」で消費電力を66kWh/年と、前モデル「LC-32D30」に比べてほぼ半減させた。しかし、「当たり前だが、電力を下げても画質や音質のクオリティーは上がっている」と中沢氏はコメントし、「中・小型モデルでもトップランナーを狙っていく」と力強く宣言した。
こうした省エネ性能を実現するためには、「バックライトの電力をいかに下げるかがポイントだった」と中沢氏は説明する。液晶テレビの消費電力は8割ほどがバックライトが原因であるためここに注力。バックライトの電力を1/3に削減した。
消費電力削減の具体的方法については過去記事に詳しいのでそちらを参照頂きたいが、説明会では蛍光管の本数を減らしていることも明かされた。その説明によれば、「LC-32DE5」は前モデル「LC-32D30」から蛍光管を約6割削減しながらも同じ明るさを実現しているという。
しかし、単純に蛍光管を減らすだけでは映像にムラが出てしまう。同社ではこの点に配慮し、光の拡散技術などでカバー。450cd/m2の明るさを実現した。
また、同シリーズにはバックライトの輝度を自動調整する「明るさセンサー」や、音声のみを出力できる「映像オフ」など様々な節電機能も装備されている。中沢氏によれば、現在はメニュー画面から辿って各機能を選択する形式だが、将来的にはリモコンに専用ボタンを設けることも検討するかもしれないとのことだ。
続いて中沢氏は画質および音質面についても言及。新開発のLSIには、XシリーズやRシリーズなど上位モデルで培った技術の一部を投入していることなどが明らかにされた。
階調表現能力を向上させ、新たなノイズリダクション機能も搭載した同LSIには、プログレッシブ変換技術も新たなものが搭載されている。この点について中沢氏は「これまでは、どちらかというとBDなど高画質な映像をより高画質にというニーズが中心だった。しかし、一般社会ではまだDVDなどのニーズも高い」という背景があったと説明する。
そして、中沢氏は音質面をつかさどる「フルデジタル1ビットアンプ」についても説明。従来は一部の処理でアナログ変換をする必要があったが、アナログにはノイズを拾いやすいという特性があった。フルデジタル処理にすることにより、そうした問題をクリアしたという。
また、「LC-32DE5」ではスタンドの高さを60.4cmと58.0cmの2段階から選択可能という特徴も持っている。このユニークな特徴は、ブラウン管からの買い換え需要を意識してのものだという。
中沢氏は、28V型のワイドテレビや4対3の29V型のブラウン管テレビの高さがおよそ58cmであることを説明。そうしたテレビにジャストサイズのラックや棚を使っているユーザーがスムーズに買い換えられるように配慮し、こうした機能を盛り込んだと語った。
クオリティを上げつつも省エネ性能を磨き社会のニーズに応えようとしている同シリーズ。中沢氏は「各社の春モデルと比較しても、本シリーズの省エネ性能はトップランナーだ」と胸を張る。そしてまた、「抜きつ抜かれつはあると思うが、省エネのトップランナーを常に狙っていきたい」と、今後もさらなる省エネ能力向上に励んでいくと語った。