マスターテープのクオリティ再現が目標
キュー・テック、高音質・高画質化を図ったBDマスタリングシステム「FORS system」を発表
(株)キュー・テックは、高音質・高画質を特長とするブルーレイディスクのマスタリングシステム「FORS system」を発表した。
FORSは「Faithful Original Signal」の略で、マスターテープのクオリティを忠実にパッケージングすることを目指している。
同社によれば、これまでのビデオパッケージにはCDやSACDのような高音質を求められることがなく、そのためマスタリングプロセスにはテレビ番組制作と同等の機器が使用されるなど、高音質を追求する環境がなかったという。
しかし、記録容量が多く、高音質・高画質なデータを収録できるブルーレイの登場を機に、同社は「マスタリングの際に発生する、各機器間での伝送時の信号劣化」に注目。これを解消すべくマスタリング工程のシステムを見直し、下記の機器を新たに開発。高音質・高画質化を図る。
■8ch FORS Sound Processor
■Rubidium Master Clock Generator
■FORS Hi-Difinition Data Strage
いずれも筐体に中国産御影石の「山西黒」を3cm厚で使用。振動による影響を低減している。各機器間にはアイソレーショントランスを使用し、音や映像の信号以外をブロック。さらに、機器をつなぐケーブルも精査。フルテック製コネクターを採用した電源ケーブルなどを使用している。
FORS systemは現在キュー・テック内に2ライン用意されており、「FORSマイスター」と呼ばれる音/映像に優れた感性と技術を持つエンジニアが作業にあたる。またブルーレイ製造工程についても、親会社であるメモリーテック(株)と連携。つくば工場内にFORS専用カッティングプロセスを導入したとのことだ。
FORSプロジェクトのリーダーを務める同社企画営業部の小池俊久氏によると、FORSシステムの開発は、制作会社から「デジタル音声なのに、パッケージになるとなぜマスターからこれほど劣化してしまうのか」と尋ねられたことがきっかけだったという。
同社代表取締役の堀 徹氏も「キュー・テックはLDの発売以来、DVD/HD DVD/BDすべてのディスクパッケージメディアを手掛け、ノウハウを積み重ねてきた。しかし、ビデオパッケージにおける“音”は、“画質”よりもなおざりになってしまっていたかも知れない」と語る。
そこで前述のようにシステムを見直し、ミキサーや評論家など70名以上に試聴調査を行ったところ、多くの人が聴感上の向上を感じたという。同社企画営業部の伊藤幸一氏は「音については、解像度が増してすっきりと聴きやすい音になる、音像の定位が増すといった感想をいただいた。映像も、解像感やコントラスト感が向上するという評価をいただいた」と話した。
FORS systemは本日より稼働。現在下記3タイトルの発売が決まっているほか、今後もクラシック、映画、音楽、アニメ作品などを月に4〜8タイトルのペースで順次リリースしていく予定だという。ゆくゆくはCDやDVDのマスタリングにも、応用を図っていきたいとのことだ。
堀社長は「FORSシステムは黒澤明監督作品、ガンダム、中村紘子さんの作品など、日本が誇るコンテンツに採用いただいた。『マスターの信号をそのままパッケージする』ことを目指したFORSシステムでマスタリングした音や映像の違いを、ぜひ実感していただきたい」と話した。
9/16発売
Hiroko Nakamura at 2009(ピアノ・中村紘子)
((株)ドリーミュージック)
※特典ディスクのブルーレイにて採用
9/25発売
機動戦士ガンダムZZ メモリアルボックス Part.1
(バンダイビジュアル(株))
10/23
AKIRA KUROSAWA THE MASTERWORKS Blu-ray Collection
(東宝(株))
FORSは「Faithful Original Signal」の略で、マスターテープのクオリティを忠実にパッケージングすることを目指している。
同社によれば、これまでのビデオパッケージにはCDやSACDのような高音質を求められることがなく、そのためマスタリングプロセスにはテレビ番組制作と同等の機器が使用されるなど、高音質を追求する環境がなかったという。
しかし、記録容量が多く、高音質・高画質なデータを収録できるブルーレイの登場を機に、同社は「マスタリングの際に発生する、各機器間での伝送時の信号劣化」に注目。これを解消すべくマスタリング工程のシステムを見直し、下記の機器を新たに開発。高音質・高画質化を図る。
■8ch FORS Sound Processor
■Rubidium Master Clock Generator
■FORS Hi-Difinition Data Strage
いずれも筐体に中国産御影石の「山西黒」を3cm厚で使用。振動による影響を低減している。各機器間にはアイソレーショントランスを使用し、音や映像の信号以外をブロック。さらに、機器をつなぐケーブルも精査。フルテック製コネクターを採用した電源ケーブルなどを使用している。
FORS systemは現在キュー・テック内に2ライン用意されており、「FORSマイスター」と呼ばれる音/映像に優れた感性と技術を持つエンジニアが作業にあたる。またブルーレイ製造工程についても、親会社であるメモリーテック(株)と連携。つくば工場内にFORS専用カッティングプロセスを導入したとのことだ。
FORSプロジェクトのリーダーを務める同社企画営業部の小池俊久氏によると、FORSシステムの開発は、制作会社から「デジタル音声なのに、パッケージになるとなぜマスターからこれほど劣化してしまうのか」と尋ねられたことがきっかけだったという。
同社代表取締役の堀 徹氏も「キュー・テックはLDの発売以来、DVD/HD DVD/BDすべてのディスクパッケージメディアを手掛け、ノウハウを積み重ねてきた。しかし、ビデオパッケージにおける“音”は、“画質”よりもなおざりになってしまっていたかも知れない」と語る。
そこで前述のようにシステムを見直し、ミキサーや評論家など70名以上に試聴調査を行ったところ、多くの人が聴感上の向上を感じたという。同社企画営業部の伊藤幸一氏は「音については、解像度が増してすっきりと聴きやすい音になる、音像の定位が増すといった感想をいただいた。映像も、解像感やコントラスト感が向上するという評価をいただいた」と話した。
FORS systemは本日より稼働。現在下記3タイトルの発売が決まっているほか、今後もクラシック、映画、音楽、アニメ作品などを月に4〜8タイトルのペースで順次リリースしていく予定だという。ゆくゆくはCDやDVDのマスタリングにも、応用を図っていきたいとのことだ。
堀社長は「FORSシステムは黒澤明監督作品、ガンダム、中村紘子さんの作品など、日本が誇るコンテンツに採用いただいた。『マスターの信号をそのままパッケージする』ことを目指したFORSシステムでマスタリングした音や映像の違いを、ぜひ実感していただきたい」と話した。
9/16発売
Hiroko Nakamura at 2009(ピアノ・中村紘子)
((株)ドリーミュージック)
※特典ディスクのブルーレイにて採用
9/25発売
機動戦士ガンダムZZ メモリアルボックス Part.1
(バンダイビジュアル(株))
10/23
AKIRA KUROSAWA THE MASTERWORKS Blu-ray Collection
(東宝(株))