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日本の最先端環境技術を結集

LED AQUOSのパネルも生産 − 新工場「シャープグリーンフロント 堺」を見てきた

公開日 2009/12/03 18:39 AVレビュー編集部・西山 巨
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シャープ第10世代マザーガラスを生産する、大阪・堺の「シャープグリーンフロント 堺」の見学会が、11月30日(月)に、現地でメディア向けに行われた。

パネル工場の外観

オリエンテーション会場ではシャープ(株)代表取締役兼副社長執行役員の濱野稔重氏が登壇。「日本が持つ最先端環境技術を集めて、先進国・途上国が共有する課題を当社が微力ながら貢献していきたい」と挨拶した。

代表取締役兼副社長執行役員の濱野稔重氏

この「シャープグリーンフロント 堺」は、最先端の環境先進企業19社を同地に集め、環境性能に優れた製品を生み出すためのプロジェクトだ。進出企業の内訳は、旭硝子、岩谷産業、大阪ガス、関西電力、大日本印刷、凸版印刷、日本通運など。日本を代表する会社がズラリと並んでいる。

各社を束ねる役割を果たしているのがシャープだ。同社の今冬新製品、“LED AQUOS”LXシリーズはこの堺工場で作られている。薄膜トランジスター、TFTガラス基板、生産管理システム、耐震システム、そして物流、それぞれに一日の長を持つシャープを含む全19社の技術を持ち寄り、もの作りを進めている。

堺工場受付にあるLED AQUOSの展示

第10世代マザーガラスのサイズは2,880W×3,130Hmm。これは60型換算で8枚、40型換算では18枚分に相当するという。

クリーンさを極限まで保った工場内部

同社では2007年7月にグリーンフロント 堺の建設を発表後、本年10月に液晶パネル工場の稼働を開始。本年度末までには薄膜太陽電池工場の稼働開始を予定している。各ファクトリーが集まるグリーンフロント 堺の敷地面積は亀山工場の約4倍に相当する約127万m2

敷地内にある薄膜太陽電池工場

「シャープグリーンフロント 堺」全体を俯瞰

液晶パネル工場の主な生産品目は大型液晶パネル(40型/50型/60型)で、最大投入能力は一月あたり72,000枚だ。また、太陽電池工場では薄膜シリコン太陽電池を生産する。

堺工場設立に関するシャープの戦略は、「事業拡大と環境保全を両立する環境先進企業」を実現することだ。また、新たなビジョン「エコ・ポジティブ カンパニー」に基づき、温暖化負荷ゼロ企業の実現を目指している。

エコ・ポジティブ戦略には4つの視点がある。「テクノロジー」「オペレーション」「プロダクト」「リレーションシップ」だ。堺発の省エネ・創エネパネルでCO2削減に貢献し、同時にプロダクト(製品)を生み出す。堺工場全体でのCO2原単位排出量も大幅に削減されている。同社の亀山工場と比べても35%も削減されているという。

「シャープグリーンフロント 堺」における環境取り組みは、大企業・中小企業・研究機関がコーディネートされた「日本的なオープンイノベーション」だ。この工場から次々と産み出される製品に注目する必要がある。

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