12月中旬・49万円
<ヘッドホン祭>ULTRASONEから世界555台限定のフラグシップ「edition 5」
(株)タイムロードは、26日から始まった「秋のヘッドホン祭 2013」のイベント会場にて、ULTRASONEの新製品「editon 5」の発表会を開催した。
本機は2003年に発売された「edition 7」以来、editionシリーズの10周年を飾るフラグシップとして全世界限定555台が製造、販売される。日本では12月中旬からの発売が予定されており、価格は税込で493,500円。
editionシリーズとして初めてイヤーカップ全体に木製素材を用いた点が特徴。木材にはBog-Wood(埋もれ木)を採取したオーク(樫)材が使われている。今から約650年から8500年ほど昔から湿地帯に埋もれていたという稀少なオーク材を採取して、バイエルン地方の木工職人が一つ一つハンドメイドでイヤーカップに仕上げたパーツが採用されている。
ハウジングは密閉型で、40mmチタンプレイテッド・マイラードライバーを搭載する。インピーダンスは32Ω、周波数帯域は5Hz〜46kHz、音圧レベルは96dB。
同社の特許技術である、自然な頭外定位を実現する「S-Logic」の技術を進化させ、本機から新しく「S-Logic EX」を採用した。ドライバーをイヤーカップ内部に、前後・上下にそれぞれ斜めに傾けて、振動板と耳の距離を離れた位置に配置することで、通常耳と平行の向きにドライバーを置いた場合よりも、ナチュラルな臨場感と立体感を持つサウンドを再現することができるようになる。
もうひとつのULTRASONEの特許技術である低域の電磁波低減技術「ULE(Ultra Low Emission)」も継承されている。
ヘッドバンド、およびイヤーパッドにはeditionシリーズのトレードマークであるエチオピアン・シープスキンレザーを採用。メタル製のヘッドバンドはカラーリングをブラック系のガンメタルとした。イヤーカップの表側にはULTRASONEのブランドロゴを、ヒンジの内側には限定モデルのシリアルナンバーをそれぞれ配置している。
ケーブルは着脱式で、コネクタ形状はMMCXを採用する。商品パッケージにはポータブルリスニング用に金メッキ3.5mmミニ端子搭載の1.5mケーブルと、金メッキ処理のノイトリック製コネクターを搭載する4.0mケーブルが付属する。4mのケーブルは導線に銀メッキ銅編込み構造の99.9%無酸素銅を使ったフレックス・ケーブルとした。
付属品は特製のハードケースのほか、キャリングポーチに変換端子、クリーニングクロスとステンレス製のオリジナルヘッドホンスタンド。
本日の発表会にはULTRASONEの本社からCEOのミヒャエル・ウィルバーグ氏、COOのミヒャエル・ジルケル氏が来日した。発表会場でのスピーチとともに、お二人へのインタビューから「edition 5」の詳細を伺うことができた。
新しい「edition」シリーズのフラグシップモデルの、イヤーカップに「木」を使うというアイデアは、今から約2年前に「S-Logic EX」の開発を立ち上げた際に生まれたものであるという。「木のハウジングを使うというチャレンジは困難なものでした。素材にどのような木を使うかについても、色々と試行錯誤を繰り返してきました。私たちのedition 10やedition 8 LTDでは、本体に木製のインレイを使っていますが、このインレイを製作してくれたドイツ・バイエルンの木工職人が、今回のedition 5の製作にも力を貸してくれました。樫という木は軽量だけれども、とても硬い素材です。その上に“埋も木”という稀少な素材を使うため、加工の作業は大変難しいものでしたが、結果、素晴らしいかたちのイヤーカップが完成しました」(ウィルバーグ氏)
本体を手に取ってみると、その「軽さ」に驚かされる。この理由をウィルバーグ氏は「樫の軽さが大きく貢献していることが大きな理由ですが、内部の設計も見直したことで、オーバーヘッドタイプのヘッドホンとしては他に類を見ない280gという本体質量を実現しました」と説明する。
イヤーカップの仕上げも洗練されている。加工の工程について、ジルケル氏は「埋も木の樫材は、高級品のパイプなどにもよく使われていますが、非常に稀少かつ成形の難しい素材です。今回はその素材を全てハンドクラフトで加工しています。まず木製のイヤーカップの表面に、レーザーカットによるアルミ製の“edition 5”ロゴを装着したあと、7層のレイヤー塗装を施しています。これによって、木の部分に艶を与えるとともに、アルミロゴの輝きを保ち続けることができます」とし、そこに数々の工夫が凝らされているとした。また表面の仕上げについても「木の素材自体には一切着色をしていませんので、アンティークな木製素材が持つ独特の色味や風合いを楽しんでいただけます」とアピールする。
「S-Logic EX」の技術については「ドライバーを立体方向に角度を付けて配置し、バッファボードを深くえぐって奥行きを持たせたことよって、ドライバーと人間の耳との間に最適な距離を付け、完璧なサウンドバランスを調整しています。臨場感のあるサウンドとともに、正確な再現を可能にしています」と語るウィルバーグ氏。イヤーパッド自体もedition 8など他のシリーズの機種よりも少し厚みを持たせて、耳との距離感を最適化した。「その分、イヤーパッドはよりソフトに仕上げています」(ウィルバーグ氏)
イヤーカップの形状はedition 8シリーズの丸みを帯びたスタイルから変更され、独特な菱形のデザインとした。「S-Logic EX」技術を採用したドライバーはイヤーカップ内の最も下側の位置に配置されている。
本体のメタル素材には「edition 8 Romeo」のハウジングにも採用されたPVDコーティングが用いられている。PVDはメタル素材の強度を高めるためのコーティング技術として工業用のドリル製品などにも採用されているが、本体にパラディウム金属の粒子を吹き付けることで、鋼鉄よりもさらに優れた表面硬度を与えることができる。「表面の美しさ、滑らかな肌触りがいつまでも楽しめるよう本機にも採用しました」というウィルバーグ氏。
editionシリーズの新モデルのナンバリングが「5」に決定された理由については、ジルケル氏は「アリストテレスが提唱した“5番目の元素=Quintessence”から来ています。第5の“重要な要素”という意味を取っています」と説明する。
新製品「edition 5」はシリーズの10周年を記念するアニバーサリーモデルだ。今後のULTRASONEの開発コンセプトについてウィルバーグ氏は「これからの10年も、ULTRASONEはきっとヘッドホンを作り続けているでしょう。ハイエンドでは現状と同じNo.1のポジションでありたいし、全てのヘッドホンでそれを実現したいと思っています。そのためには多くのファン、ユーザーの方々から様々な意見をいただけると嬉しい」と述べた。ジルケル氏は「日本のヘッドホンのファンの皆様には大変感謝しています。editionシリーズを10年の長い間、支えていただけたことで、ここまでの高みに到達することができました。これからも日本は非常に重要なマーケットだと考えています。edition 5についても、皆様からの意見が多くいただけることを期待しています」とコメントした。
本機は2003年に発売された「edition 7」以来、editionシリーズの10周年を飾るフラグシップとして全世界限定555台が製造、販売される。日本では12月中旬からの発売が予定されており、価格は税込で493,500円。
editionシリーズとして初めてイヤーカップ全体に木製素材を用いた点が特徴。木材にはBog-Wood(埋もれ木)を採取したオーク(樫)材が使われている。今から約650年から8500年ほど昔から湿地帯に埋もれていたという稀少なオーク材を採取して、バイエルン地方の木工職人が一つ一つハンドメイドでイヤーカップに仕上げたパーツが採用されている。
ハウジングは密閉型で、40mmチタンプレイテッド・マイラードライバーを搭載する。インピーダンスは32Ω、周波数帯域は5Hz〜46kHz、音圧レベルは96dB。
同社の特許技術である、自然な頭外定位を実現する「S-Logic」の技術を進化させ、本機から新しく「S-Logic EX」を採用した。ドライバーをイヤーカップ内部に、前後・上下にそれぞれ斜めに傾けて、振動板と耳の距離を離れた位置に配置することで、通常耳と平行の向きにドライバーを置いた場合よりも、ナチュラルな臨場感と立体感を持つサウンドを再現することができるようになる。
もうひとつのULTRASONEの特許技術である低域の電磁波低減技術「ULE(Ultra Low Emission)」も継承されている。
ヘッドバンド、およびイヤーパッドにはeditionシリーズのトレードマークであるエチオピアン・シープスキンレザーを採用。メタル製のヘッドバンドはカラーリングをブラック系のガンメタルとした。イヤーカップの表側にはULTRASONEのブランドロゴを、ヒンジの内側には限定モデルのシリアルナンバーをそれぞれ配置している。
ケーブルは着脱式で、コネクタ形状はMMCXを採用する。商品パッケージにはポータブルリスニング用に金メッキ3.5mmミニ端子搭載の1.5mケーブルと、金メッキ処理のノイトリック製コネクターを搭載する4.0mケーブルが付属する。4mのケーブルは導線に銀メッキ銅編込み構造の99.9%無酸素銅を使ったフレックス・ケーブルとした。
付属品は特製のハードケースのほか、キャリングポーチに変換端子、クリーニングクロスとステンレス製のオリジナルヘッドホンスタンド。
本日の発表会にはULTRASONEの本社からCEOのミヒャエル・ウィルバーグ氏、COOのミヒャエル・ジルケル氏が来日した。発表会場でのスピーチとともに、お二人へのインタビューから「edition 5」の詳細を伺うことができた。
新しい「edition」シリーズのフラグシップモデルの、イヤーカップに「木」を使うというアイデアは、今から約2年前に「S-Logic EX」の開発を立ち上げた際に生まれたものであるという。「木のハウジングを使うというチャレンジは困難なものでした。素材にどのような木を使うかについても、色々と試行錯誤を繰り返してきました。私たちのedition 10やedition 8 LTDでは、本体に木製のインレイを使っていますが、このインレイを製作してくれたドイツ・バイエルンの木工職人が、今回のedition 5の製作にも力を貸してくれました。樫という木は軽量だけれども、とても硬い素材です。その上に“埋も木”という稀少な素材を使うため、加工の作業は大変難しいものでしたが、結果、素晴らしいかたちのイヤーカップが完成しました」(ウィルバーグ氏)
本体を手に取ってみると、その「軽さ」に驚かされる。この理由をウィルバーグ氏は「樫の軽さが大きく貢献していることが大きな理由ですが、内部の設計も見直したことで、オーバーヘッドタイプのヘッドホンとしては他に類を見ない280gという本体質量を実現しました」と説明する。
イヤーカップの仕上げも洗練されている。加工の工程について、ジルケル氏は「埋も木の樫材は、高級品のパイプなどにもよく使われていますが、非常に稀少かつ成形の難しい素材です。今回はその素材を全てハンドクラフトで加工しています。まず木製のイヤーカップの表面に、レーザーカットによるアルミ製の“edition 5”ロゴを装着したあと、7層のレイヤー塗装を施しています。これによって、木の部分に艶を与えるとともに、アルミロゴの輝きを保ち続けることができます」とし、そこに数々の工夫が凝らされているとした。また表面の仕上げについても「木の素材自体には一切着色をしていませんので、アンティークな木製素材が持つ独特の色味や風合いを楽しんでいただけます」とアピールする。
「S-Logic EX」の技術については「ドライバーを立体方向に角度を付けて配置し、バッファボードを深くえぐって奥行きを持たせたことよって、ドライバーと人間の耳との間に最適な距離を付け、完璧なサウンドバランスを調整しています。臨場感のあるサウンドとともに、正確な再現を可能にしています」と語るウィルバーグ氏。イヤーパッド自体もedition 8など他のシリーズの機種よりも少し厚みを持たせて、耳との距離感を最適化した。「その分、イヤーパッドはよりソフトに仕上げています」(ウィルバーグ氏)
イヤーカップの形状はedition 8シリーズの丸みを帯びたスタイルから変更され、独特な菱形のデザインとした。「S-Logic EX」技術を採用したドライバーはイヤーカップ内の最も下側の位置に配置されている。
本体のメタル素材には「edition 8 Romeo」のハウジングにも採用されたPVDコーティングが用いられている。PVDはメタル素材の強度を高めるためのコーティング技術として工業用のドリル製品などにも採用されているが、本体にパラディウム金属の粒子を吹き付けることで、鋼鉄よりもさらに優れた表面硬度を与えることができる。「表面の美しさ、滑らかな肌触りがいつまでも楽しめるよう本機にも採用しました」というウィルバーグ氏。
editionシリーズの新モデルのナンバリングが「5」に決定された理由については、ジルケル氏は「アリストテレスが提唱した“5番目の元素=Quintessence”から来ています。第5の“重要な要素”という意味を取っています」と説明する。
新製品「edition 5」はシリーズの10周年を記念するアニバーサリーモデルだ。今後のULTRASONEの開発コンセプトについてウィルバーグ氏は「これからの10年も、ULTRASONEはきっとヘッドホンを作り続けているでしょう。ハイエンドでは現状と同じNo.1のポジションでありたいし、全てのヘッドホンでそれを実現したいと思っています。そのためには多くのファン、ユーザーの方々から様々な意見をいただけると嬉しい」と述べた。ジルケル氏は「日本のヘッドホンのファンの皆様には大変感謝しています。editionシリーズを10年の長い間、支えていただけたことで、ここまでの高みに到達することができました。これからも日本は非常に重要なマーケットだと考えています。edition 5についても、皆様からの意見が多くいただけることを期待しています」とコメントした。