発売前モデルのファーストインプレッション
Astell&Kernの新ハイレゾDAP「AK120II」「AK100II」の音を聴いてみた − AK240とも比較試聴
先日開催された「春のヘッドホン祭り」やミュンヘン「HIGHEND2014」で登場し注目を集めているiriver社・Astell&Kernブランドのハイレゾポータブルオーディオプレーヤー「AK120II」と「AK100II」。両機とも既に仕様が発表され(関連ニュース)、「AK120II」は6月13日の発売とアナウンスされている(「AK100II」の発売時期や価格は未発表)。
今回、発売に先駆けて実機に触れ、音を聴く機会を得た。その内容を以下にレポートしていこう。
■まずは概要をおさらい
「AK120II」と「AK100II」はそれぞれ「AK120」「AK100」の第2世代に位置づけられ、フラッグシップモデルである「AK240」の技術や機能を継承したモデル。バランスアウト端子の搭載や、DSD5.6MHz再生(PCM変換)への対応、Wi-Fiストリーミングなどの機能追加が目玉となる。また、外観デザインも大きく変更された。
それぞれのポジショニングやサウンド志向の違いについて、Iriver社のグローバルビジネスユニット ヴァイスプレジデントのJames Lee氏、販売代理店アユートの藤川氏にお話しをうかがった。
「AK240」(28.5万円/税込)は、“原音再生”を掲げAstell&Kernの理想を体現したフラグシップモデル。DSDネイティブ再生やバランス接続などの機能を搭載するほか、“光と影”からインスピレーションを得たジュラルミン製ボディを採用。『据え置きSACDプレーヤーを超えるクオリティを、ポータブルプレーヤーで実現する』ことをコンセプトのひとつとしており、ピュアオーディオ志向の強い製品と言える。
「AK120II」(20.8万円/税込)は、AK240の機能を継承しつつポイントを絞り、価格を抑えたモデル。その音は“スタジオリファレンス”を目指したとのことで、S/Nの高いフラットサウンドを持ち味としているという
そして「AK100II」(発売日/価格未定)は、フラットサウンドはそのままに“オーディオファイルを満足させるクオリティの音”を目指したという。
各モデルの構成や機能の違いは下記のとおり。
■音質をチェック
短時間ではあるが、それぞれの音を試聴してみた。試聴音源はノラ・ジョーンズ「Don't Know Why」(192kHz/24bit)。
音の傾向は「AK240とAK120II」、そして「AK100II」に分けられると感じる。AK240で印象的なのは、圧倒的な見通しの良さと解像感。各パートが全てクッキリと描き分けられ、細部まで音が見えるような感覚を覚える。ボーカルは、歌い手の体温まで感じられるようだ。ギターの音は透明感高く弦のハリが感じ取れ、それらを支えるベースのバランスも心地よい。
AK120IIは、フラットできめ細かいサウンド傾向はAK240と共通しているが、AK240が「生演奏の現場に立ち会うような」感覚の音だとすると、AK120IIはもう少し整理された音になる印象だ。低音がやや持ち上がるのか、ベースラインがクッキリとして一層ハリが出る。AK240が完全にモニターライクなサウンドとすると、AK120IIはそれをベースに、もっと“聴いて楽しい”感じを付け加えた音だと感じた。
AK100IIは、AK240/120IIに比べてややウォームで柔らかなサウンド傾向になる。解像感はAK240/120IIに譲るが、すべての音色が絶妙に一体化したサウンドで楽しめると感じた。
■フォトレポート
今回、発売に先駆けて実機に触れ、音を聴く機会を得た。その内容を以下にレポートしていこう。
■まずは概要をおさらい
「AK120II」と「AK100II」はそれぞれ「AK120」「AK100」の第2世代に位置づけられ、フラッグシップモデルである「AK240」の技術や機能を継承したモデル。バランスアウト端子の搭載や、DSD5.6MHz再生(PCM変換)への対応、Wi-Fiストリーミングなどの機能追加が目玉となる。また、外観デザインも大きく変更された。
それぞれのポジショニングやサウンド志向の違いについて、Iriver社のグローバルビジネスユニット ヴァイスプレジデントのJames Lee氏、販売代理店アユートの藤川氏にお話しをうかがった。
「AK240」(28.5万円/税込)は、“原音再生”を掲げAstell&Kernの理想を体現したフラグシップモデル。DSDネイティブ再生やバランス接続などの機能を搭載するほか、“光と影”からインスピレーションを得たジュラルミン製ボディを採用。『据え置きSACDプレーヤーを超えるクオリティを、ポータブルプレーヤーで実現する』ことをコンセプトのひとつとしており、ピュアオーディオ志向の強い製品と言える。
「AK120II」(20.8万円/税込)は、AK240の機能を継承しつつポイントを絞り、価格を抑えたモデル。その音は“スタジオリファレンス”を目指したとのことで、S/Nの高いフラットサウンドを持ち味としているという
そして「AK100II」(発売日/価格未定)は、フラットサウンドはそのままに“オーディオファイルを満足させるクオリティの音”を目指したという。
各モデルの構成や機能の違いは下記のとおり。
AK240 | AK120II | AK100II | |
ボディカラー | ガンメタル | ストーンシルバー | スモーキーブルー |
ボディの材質 | 航空機グレードジュラルミン | アルミニウム | アルミニウム |
外形寸法 | 66W×107H×17.5Dmm | 55W×118H×14.9Dmm | 55W×111H×14.9Dmm |
質量 | 185g | 177g | 170g |
DSD再生対応 | ネイティブ再生(5.6MHzまで) | PCM変換での再生 | |
出力レベル | アンバランス:2.1Vmrs バランス:2.3Vrms | アンバランス:2.0Vmrs バランス:1.7Vrms | |
DAC | シーラスロジック CS4398×2 | シーラスロジック CS4398×1 | |
周波数特性 | ±0.023dB(20Hz〜20kHz時)/ ±0.3dB(10Hz〜70kHz時) | ±0.025dB(20Hz〜20kHz時)/ ±0.6dB(10Hz〜70kHz時) | |
SN比 | 116dB@1kHz:アンバランス | 114dB@1kHz:アンバランス 115dB@1kHz:バランス | |
クロストーク | 130dB@1kHz:アンバランス 135dB@1kHz:バランス | 127dB@1kHz:アンバランス) 130dB@1kHz:バランス | |
THD+N | 0.0007%@1kHz:アンバランス 0.0005%@1kHz:バランス | 0.0009%@1kHz:アンバランス 0.0008%@1kHz:バランス | |
IMD SMPTE | 0.0004% 800Hz 10kHz(4:1):アンバランス 0.0003% 800Hz 10kHz(4:1):バランス | 0.0004% 800Hz 10kHz(4:1):アンバランス 0.0003% 800Hz 10kHz(4:1):バランス | |
出力インピーダンス | 2.5mmバランス出力(1Ω) 3.5mmステレオミニ(2Ω) | 2.5mmバランス出力(1Ω) 3.5mmステレオミニ(2Ω) | |
クロックジッター | 50ps(typ) | 50ps(typ) | |
内蔵バッテリー容量 | 3,520mAh | 3,150mAh | |
メモリー | 内蔵256GB(SSD) 外部メモリ:microSD(最大128GB)×1 | 内蔵128GB(SSD) 外部メモリ:microSD(最大128GB)×1 | 内蔵64GB(SSD) 外部メモリ:microSD(最大128GB)×1 |
■音質をチェック
短時間ではあるが、それぞれの音を試聴してみた。試聴音源はノラ・ジョーンズ「Don't Know Why」(192kHz/24bit)。
音の傾向は「AK240とAK120II」、そして「AK100II」に分けられると感じる。AK240で印象的なのは、圧倒的な見通しの良さと解像感。各パートが全てクッキリと描き分けられ、細部まで音が見えるような感覚を覚える。ボーカルは、歌い手の体温まで感じられるようだ。ギターの音は透明感高く弦のハリが感じ取れ、それらを支えるベースのバランスも心地よい。
AK120IIは、フラットできめ細かいサウンド傾向はAK240と共通しているが、AK240が「生演奏の現場に立ち会うような」感覚の音だとすると、AK120IIはもう少し整理された音になる印象だ。低音がやや持ち上がるのか、ベースラインがクッキリとして一層ハリが出る。AK240が完全にモニターライクなサウンドとすると、AK120IIはそれをベースに、もっと“聴いて楽しい”感じを付け加えた音だと感じた。
AK100IIは、AK240/120IIに比べてややウォームで柔らかなサウンド傾向になる。解像感はAK240/120IIに譲るが、すべての音色が絶妙に一体化したサウンドで楽しめると感じた。
■フォトレポート