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「K9 Pro ESS」のオーディオ回路を採用

FIIO、AKMフラッグシップ・セパレートDACシステムを採用したヘッドホンアンプ「K9 AKM」

公開日 2024/01/12 10:00 編集部 : 伴 修二郎
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エミライは、FIIOのAKMフラッグシップ・セパレートDACシステムを搭載したヘッドホンアンプ「K9 AKM」を2024年1月19日より発売する。価格はオープンだが、税込89,100円前後での実売が予想される。

「K9 AKM」

旭化成エレクトロニクス(以下AKM)製のフラグシップDACシステムを搭載し、同ブランドの最上位モデル「K9 Pro ESS」と共通のオーディオ回路や基板レイアウトを採用したヘッドホンアンプ。

「THX-AAA 788+」アンプ回路、デュアルクロック管理技術、ADCボリュームコントロールといった主要な設計や技術は上位機種と共通のものを採用。DACチップをはじめとする搭載コンポーネントを変更することで、従来のパフォーマンスを維持しながらも低価格化を実現したとアピールする。

デジタルフィルターとデルタシグマ変調を担当する「AK4191EQ」と、アナログDACを担当する「AK4499EX」からなるセパレートDAC方式を搭載。デジタル処理とアナログ処理という性質の全く異なる機能をチップレベルで分離することに加え、抵抗素子の個体差を平準化する「DWA Routing Technology」を組み合わせ、チップレベルでのS/N比を向上させたとしている。

AKMのフラッグシップ・セパレートDACシステム「AK4191EQ+AK4499EX」を搭載

アンプ回路には信号の増幅時に発生する歪みを補正する高品質なフィードフォワード技術を備えた「THX-AAA 788+」を搭載する。透明性の高いピュアなサウンドを理想に掲げて設計された「THX-AAA 788」回路をベースにFIIOとTHXが共同で開発したアンプ回路で、このアンプ回路を左右のチャンネルあたり1基ずつの計2基搭載することによって、低歪みながら32Ω負荷時に最大2,000mW、300Ω負荷時に最大780mWの高出力を両立したと説明している。

オーディオ回路はDACからボリュームコントロール、ヘッドホンアンプに至るまで、左右のチャンネルで分けられた回路に差動信号の入力を徹底するフルバランス構成としている。また、DAC、ローパスフィルタ、ボリュームコントロール、バッファアンプ、プリアンプ、ヘッドホンアンプの6ブロックに分離。据置製品らしい雄大さと細やかなディテール表現を両立したサウンドの実現を目指し、ブロック毎に入念な設計が施されている。

さらに、基板においても主要な処理を行う部分ごとに分離・最適化してレイアウトし、悪影響を及ぼす相互干渉を極限まで排除し、信号忠実性の高い高品質な音楽再生を可能にする。

USBデコードチップにはXMOS製「XUF208」を採用。PCM最大768kHz/32bit、DSDは最大DSD512のデコード能力を備え、入力されたソースに対して常に最適なクロックを選択するデュアル・クロック管理技術で信号忠実性の高い高品質なD/Aコンバートが行えるとしている。

本体内部に搭載する電源トランスは、4つの4700uF大容量コンデンサと組み合わせ、内部のオーディオ回路にクリーンな電源を供給する。デジタル部とアナログ部の各回路にそれぞれ独立した電源供給を行うことで、音質に悪影響を及ぼす電源ノイズを抑制するとともに、各ブロック間の相互干渉を抑制する。回路上の各ブロックは低ノイズLDOによってクリーンな状態に保たれ、それぞれ適切な量に昇圧された電力を供給することで、高いS/N感と重厚な音像表現を実現するという。

音量調整ができるADCボリュームコントロール機能を装備。音楽信号を流した可変抵抗を直接操作するアナログボリューム方式とは異なり、ボリュームノブの回転変化量をAD変換した値に基づいてボリュームICを制御することで音量調節を行う。120段階の細やかな音量調整が可能で、アナログボリュームの問題点である左右の音量差やノイズを排除するとアピールする。

SoCにはQualcomm製の「QCC5124」を搭載。BluetoothコーデックはSBC/AAC/aptX/aptX HD/aptX LL/aptX Adaptive/LDACに対応する。入出力端子はデジタル入力がUSB Type-C、USB Type-B、同軸デジタル、角型光デジタル、Bluetooth、アナログ入力が4.4mmバランス、RCAライン、ヘッドホン出力が4ピンXLRバランス、4.4mmバランス、6.35mmヘッドホン、ライン出力がRCAライン、3ピンXLRバランスを装備する。

前面部

背面部

本体前面に備えるINPUTボタンで各入力を切り替えられ、ボタンを押すと設定に対応するLEDが点灯する。OUTPUTスイッチでは3つの出力モードの切り替えを、GAINスイッチではハードウェアゲインをHigh(高)/Medium(中)/Low(低)の3段階から調整が可能だ。

本体前面のGAINスイッチ

ボリュームノブを囲むように備え付けられたRGBインジケーターライトでは、再生しているファイルのサンプリングレートや接続に使用しているBluetoothコーデックをカラフルに表示する。UAC1.0と2.0の両方の規格の接続に対応するので、家庭用ゲームコンソール機等も含めた様々な機器との接続互換性を有する。接続モードの切り替えは、スマートフォン向けアプリ「FIIOコントロール」から行える。

アプリ上から接続モードの切り替えが行える

アプリでは、デジタルフィルター、イコライザー機能、チャンネルバランスの変更、LED表示の設定等も行える。筐体はアルミニウム合金を素材に、ストレッチ加工やCNC加工を施して成形された部品で組み立てられ、「高剛性で美しい仕上げのボディを実現した」とアピールする。加熱、過負荷、過電圧から製品を保護する安全装置を内蔵する。

付属の縦置きスタンドを使用すれば、デスク上にもすっきりと配置できる。外形寸法は200W×72H×224.5Dmm(脚部除く)、本体質量は約2,660g。

縦置きスタンドも付属

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