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プリメインアンプ「TRV-35SE」 |
本機の前身TRV-34SEは、同社の創立10周年記念として500台限定で発売されたもの。好評のため型番を変えて継続販売することにしたのである。この限定解除に伴って価格も多少変更されたが、TRV-34SEとは同じものと考えていい。
トライオードはわが国管球アンプの定番といっていいが、リーズナブルな価格を保ちつつ真空管の味わいを残した正統的な設計で定評がある。本機は価格も抑えられたハイC/Pモデル。出力段はEL34のAB級動作によるプッシュプル構成。各45Wを備え、低能率なスピーカーでもそれほど駆動に困ることはないはずだ。また10Hzから100kHzという広大なレスポンスも異例に属する。初段に12AX7、ドライバーに12AU7を2本というオーソドックスな設計。録音用端子とヘッドフォン端子も備える。
十分なパワーと広いレンジを備えているが、それを強調した音調ではない。EL34の性能を無理なく引き出した印象で、落ち着いたバランスと純度の高い質感が特に快い。ジャズはやや小振りでウッドベースの低音を押し出すような力感ではないが、ピチカートを繊細に捉えて表現がきれいだ。ピアノもやや丸みを帯びながら、曇りのない質感を描く。出力に不満はなく、音量を上げてもクリップはしない。
ボーイソプラノは余韻を豊かに乗せてハーモニーがふくよかだ。薄絹をかけたような高域の音調が、独特の柔らかさを巧まずして演出している。シルキーなタッチの声の質感に洗練度の高さを感じる。
オーケストラでは低域の重厚な音調が安定感を高め、分離のいいディテールのきめ細かな再現が共感を呼ぶ。バランスが落ち着いて純度の高い出方である。
現代的な性能と管球式らしい瑞々しさ、柔らかさを備えた本機は、管球アンプの最大公約数といってもいいように思う。フレキシブルな対応力に富んだコストバリューの高いモデルである。
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背面端子部。スピーカー端子は当然金メッキ仕様だ |
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TRV-4SEと同様、LINE入力を前面にも備える。さらにヘッドホン端子も装備する |
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EL34をAB級プッシュプルで駆動 |
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サイドウッドは4SEと同様、オプション仕様となる。追加料金は5,250円 |
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底面にはがっしりしたインシュレーターを備える |
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