iPhoneユーザー高橋敦の使用レポート
ケンウッドの新機軸システム「AS-iP70」はiPhoneの良きパートナーになりうるか?
iPhone/iPodドックと液晶ディスプレイを装備し、動画や音楽再生、スライドショー、FM/AMラジオを楽しんだり、時計としても使用できるケンウッドの新製品「AS-iP70」。これまであるようでなかった新基軸のこのシステム、実際の使い勝手はどんな感じなのか気になるところ。そこでiPhoneユーザー代表として、ライター高橋敦氏に自宅で数日間使用してもらうことにした。果たして「AS-iP70」は高橋氏を満足させることができたのだろうか?
iPhone/iPod対応マルチメディアシステム!との謳い文句だが、マルチメディアシステムとかハイパーメディアクリエイターとか言われても、正直その名称からは製品内容を把握できない。そこでまずは製品情報をちゃんと読んでみる。
ざっくり言えば「フォトフレーム+スピーカー+iPodドック」ということか。僕はiPhoneユーザーなので想定ユーザーに入るだろう。SDスロットとUSB端子も搭載。日常的に聞きたい見たい音楽や写真は、iPhoneとは別にSDカードに入れて本体に常に収めておくのもよさそうだ。クロックラジオ機能も僕にとっては注目点。僕は長年、枕元にチボリ社のライン入力付きラジオを置いて、ラジオまたはiPodからの音を聴きながら眠っている。そんな僕にはフィットする製品かもしれない。
7インチの大きさと800×480の解像度を持つ画面には、普段はそれを生かした大きく滑らかなフォントで現在時刻が表示される。視認性抜群だ。アラームも細かに設定できる2系統を装備している。
筐体右側に収納されているドックを引き出してiPhoneをセット。本体の「iPod/iPhone」キーを押すと画面に「Music」「Photo/Video」の二択が表示された。では本体のカーソルキーと決定キーでまずは「Music」を選択。あとはiPhoneの側で曲を選択すれば再生開始された。再生中は本機の画面に基本的な曲情報が表示される他、一時停止やスキップは本機のキーからも操作できた。
スピーカーが筐体の側面に設置されているからか、音の届き方は独特だ。スピーカーとの距離感を実際以上に感じる。帯域の広さや描写の緻密などはことさらではなく、すっきりとした印象だ。音質にこだわる方にしてみれば「別に…」レベルだろうが、僕としてはこの音を高く評価したい。その距離感のおかげで、例えば枕元に置いてもうるさくないのだ。製品の想定シーンを考えた場合、この音は好音質と言える。
先ほどの手順に戻り今度は「Photo/Video」を選択。あとはやはりiPhone側での操作で写真のスライドショーを再生開始。iPhoneで撮った写真をiPhoneでもPCでもない画面で見るのは新鮮だ。ピントの甘さなども暴かれテンションが下がるが、それはiPhone 3Gのカメラと何より僕自身の問題であるのでじっと耐える。写真によっては縦横比を崩しての拡大が行われるが、忠実度よりも画面いっぱいに表示することを優先するというのも、フォトフレームとしてはひとつの考え方だろう。
さて同じ手順でiPhone側の操作で動画再生を開始すると、さくっと本機の画面でその動画が再生開始された。「本機のiPodボタンからモード選択してiPod側で再生開始する」という流れを理解すれば、操作に迷うことはない。もちろんSDカード/USBメモリーの場合は、本機の画面とカーソルキーで全てを操作する。
なお静止画、動画ともにディスプレイの画質には特に不満を感じなかったが、僕は画質に鈍感なので、その点はあまり信用しないでいただきたい。そんな僕でも判断できる要素としては視野角があるが、わざと角度のある位置から見ても、映像の色合いが大きく崩れることはなかった。僕基準では満足である。
最後にモノとしての雰囲気。艶を抑えた黒で仕上げられた筐体はデザインも大人しいが、僕は嫌いではない。デザイン重視が過ぎて悪趣味な製品よりよほど好ましい。そこいらにぽんと置いて違和感がないというのは、日常品にとって大切なことだ。
と書いている間も音楽を流しっぱなしにしていたのだが、やはりこの緩い距離感の音は心地よい。写真や動画についても、画質どうこうでテンションを落としたりせず、緩く楽しめばよいのだろう。そういう方向にリードしてくれる製品である。
<筆者プロフィール>
高橋 敦
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。
iPhone/iPod対応マルチメディアシステム!との謳い文句だが、マルチメディアシステムとかハイパーメディアクリエイターとか言われても、正直その名称からは製品内容を把握できない。そこでまずは製品情報をちゃんと読んでみる。
ざっくり言えば「フォトフレーム+スピーカー+iPodドック」ということか。僕はiPhoneユーザーなので想定ユーザーに入るだろう。SDスロットとUSB端子も搭載。日常的に聞きたい見たい音楽や写真は、iPhoneとは別にSDカードに入れて本体に常に収めておくのもよさそうだ。クロックラジオ機能も僕にとっては注目点。僕は長年、枕元にチボリ社のライン入力付きラジオを置いて、ラジオまたはiPodからの音を聴きながら眠っている。そんな僕にはフィットする製品かもしれない。
7インチの大きさと800×480の解像度を持つ画面には、普段はそれを生かした大きく滑らかなフォントで現在時刻が表示される。視認性抜群だ。アラームも細かに設定できる2系統を装備している。
筐体右側に収納されているドックを引き出してiPhoneをセット。本体の「iPod/iPhone」キーを押すと画面に「Music」「Photo/Video」の二択が表示された。では本体のカーソルキーと決定キーでまずは「Music」を選択。あとはiPhoneの側で曲を選択すれば再生開始された。再生中は本機の画面に基本的な曲情報が表示される他、一時停止やスキップは本機のキーからも操作できた。
スピーカーが筐体の側面に設置されているからか、音の届き方は独特だ。スピーカーとの距離感を実際以上に感じる。帯域の広さや描写の緻密などはことさらではなく、すっきりとした印象だ。音質にこだわる方にしてみれば「別に…」レベルだろうが、僕としてはこの音を高く評価したい。その距離感のおかげで、例えば枕元に置いてもうるさくないのだ。製品の想定シーンを考えた場合、この音は好音質と言える。
先ほどの手順に戻り今度は「Photo/Video」を選択。あとはやはりiPhone側での操作で写真のスライドショーを再生開始。iPhoneで撮った写真をiPhoneでもPCでもない画面で見るのは新鮮だ。ピントの甘さなども暴かれテンションが下がるが、それはiPhone 3Gのカメラと何より僕自身の問題であるのでじっと耐える。写真によっては縦横比を崩しての拡大が行われるが、忠実度よりも画面いっぱいに表示することを優先するというのも、フォトフレームとしてはひとつの考え方だろう。
なお静止画、動画ともにディスプレイの画質には特に不満を感じなかったが、僕は画質に鈍感なので、その点はあまり信用しないでいただきたい。そんな僕でも判断できる要素としては視野角があるが、わざと角度のある位置から見ても、映像の色合いが大きく崩れることはなかった。僕基準では満足である。
最後にモノとしての雰囲気。艶を抑えた黒で仕上げられた筐体はデザインも大人しいが、僕は嫌いではない。デザイン重視が過ぎて悪趣味な製品よりよほど好ましい。そこいらにぽんと置いて違和感がないというのは、日常品にとって大切なことだ。
と書いている間も音楽を流しっぱなしにしていたのだが、やはりこの緩い距離感の音は心地よい。写真や動画についても、画質どうこうでテンションを落としたりせず、緩く楽しめばよいのだろう。そういう方向にリードしてくれる製品である。
ケンウッド iPhone/iPod対応マルチメディアシステム「AS-iP70」 ¥OPEN(予想実売価格25,000円前後) >>メーカーページ >>製品データベース 【SPEC】●液晶画面:7型TFT駆動(15:9) ●アンプ実用最大出力:1.5W+1.5W(JEITA 8Ω) ●入力端子:USB2.0、SD/SDHCカードスロット ●電源:付属ACアダプターDC6V(AC100V、50Hz/60Hz) ●定格消費電力:15W ●外形寸法:220W×157H×100Dmm ●質量:0.8kg |
<筆者プロフィール>
高橋 敦
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。