ケンウッド新製品レビュー
高音質にこだわるケンウッド渾身のHDオーディオ対応アンプ − ニューモデル「RV-7000」を林正儀氏が聴く
ケンウッドから3DパススルーとARCに対応する、最新の5.1ch AVアンプ「RV-7000」が発売された。高音質にこだわるケンウッドがつくりあげた、HDオーディオ対応の最新モデルを林正儀氏がレビューする。
最新機能への対応、オーディオ再生へのこだわりを両方詰め込んだケンウッドのAVアンプが登場
3D時代の到来に合わせて、久々にケンウッドからAVアンプのニューモデルが登場した。エントリークラスながら音質追求型である。パネルにアルミ押し出し材をあしらったシンプルなたたずまい。ブルーのイルミネーションもお洒落な5.1chアンプだ。もともと音づくりには定評のある同社だが、RV-7000ではまずCD再生で音決めをし、マルチchに発展させるというオーソドックスな手法を採った点に好感がもてる。
実用最大出力は150W/ch。全5ch同一構成のディスクリートアンプにこだわり、そのアンプの性能を活かすべく基板構成にもこだわった。アンプは別基板とし、高周波ノイズの元となるHDMI/DSP/デジタル入力は一枚のボードにまとめたという。天板越しに大型のアルミ製ヒートシンクがのぞき、オーディオへのこだわりが見てとれる。トランスもかなり大型だ。
もちろん3D映像のパススルー出力とオーディオリターンチャンネルに対応し、4系統のHDMI Ver.1.4入力を装備する。ドルビーTrueHD、DTS-HD Master AudioなどのHDオーディオにもフル対応する。音声処理を行うDSPには32bitフローティングタイプを採用している。操作はシンプルで、インターフェースの視認性の高さや、リモコンの感触も非常に親しみやすい。入門者にもぴったりの使いやすさだ。
BD再生&CD再生ともに本格派のサウンドが楽しめる
試聴は「ピュアオーディオモード」をONにして行った。CD試聴時はもちろん、マルチのビットストリーム信号に対しても有効な高音質機能だ。表示やブルーのイルミネーションが消え、ビデオ回路もOFFになる。
CDの再生は素直でナチュラルな感触だ。ボーカルはノイズに汚されない、鮮度の高さがあり、スッキリと抜け出してくる印象。中〜低音域に厚みをもたせながら、定位がピタっと決まり、声の表情も申し分がない。多重録音のコーラスや楽器に包まれ、聴き鳴れたエンヤ、J.ウオーンズが一段とみずみずしく感じられる豊かな表現力である。出力の余裕はジャズにガッツを与え、パワフルなロックビートや大編成の管弦楽など難なくこなしてくれた。これは大したドライブ力だ。
BD再生はそのまま5.1chに広がったような、力強い印象で、のびやかなサラウンド表現だ。音楽ものの「クリス・ボッティ」や「This is it」はつながりのよさが抜群。ステージ感も生々しく、ホールの暖かみや距離感まで感じさせた。リズムにキレがありビシバシと音が飛ぶ。オリアンティの超テクギターも聴き所だ。
映画では「アバター」「タイタンの戦い」「アリズ・イン・ワンダーランド」など人気作品をたて続けに視聴した。セリフは映画っぽく厚みのある響き方がいい。こちらもスムーズなつながりを特徴としており、スクリーンの大画面に負けない緻密さとキレ、スピード感のある表現が印象的。突き上げるような重低音のパワーも満足だ。サラウンドのシーンでは、方向感や高さのあるエフェクト音に包まれ臨場感たっぷり。
機能面はシンプルだが、誰にもやさしい操作性で、音楽も映画もストレスなく楽しめるのはユーザー冥利。AVアンプとしてのクオリティと品位のよさは、さすがに音のケンウッドである。とびきりお買い得なAVアンプと実感した。
◆試聴・レビュー 林 正儀
福岡県出身。工学院大学で電子工学を専攻。その後、電機メーカー勤務を経て、技術系高校の教師というキャリアを持つ。現在、日本工学院専門学校の講師で、音響・ホームシアターの授業を受け持つ。教鞭をとっている経験から、初心者向けに難しい話題をやさしく説明するテクニックには特に定評がある
【RV-7000 スペック】
●実用最大出力:150W×5 ●全高調波歪率:0.01% ●入出力端子:HDMI端子(入力×4、出力×1)、コンポジット映像(入力×3、出力×1)、デジタル音声入力(同軸×1、光×2)、アナログ音声入力 ×5、ヘッドホン端子×1 ●定格消費電力:200W ●最大外形寸法:約430W×159H×384Dmm ●質量:約9.0kg
【製品に関する問い合わせ先】
ケンウッドカスタマーサポートセンター
TEL/0570-010-114
最新機能への対応、オーディオ再生へのこだわりを両方詰め込んだケンウッドのAVアンプが登場
3D時代の到来に合わせて、久々にケンウッドからAVアンプのニューモデルが登場した。エントリークラスながら音質追求型である。パネルにアルミ押し出し材をあしらったシンプルなたたずまい。ブルーのイルミネーションもお洒落な5.1chアンプだ。もともと音づくりには定評のある同社だが、RV-7000ではまずCD再生で音決めをし、マルチchに発展させるというオーソドックスな手法を採った点に好感がもてる。
実用最大出力は150W/ch。全5ch同一構成のディスクリートアンプにこだわり、そのアンプの性能を活かすべく基板構成にもこだわった。アンプは別基板とし、高周波ノイズの元となるHDMI/DSP/デジタル入力は一枚のボードにまとめたという。天板越しに大型のアルミ製ヒートシンクがのぞき、オーディオへのこだわりが見てとれる。トランスもかなり大型だ。
もちろん3D映像のパススルー出力とオーディオリターンチャンネルに対応し、4系統のHDMI Ver.1.4入力を装備する。ドルビーTrueHD、DTS-HD Master AudioなどのHDオーディオにもフル対応する。音声処理を行うDSPには32bitフローティングタイプを採用している。操作はシンプルで、インターフェースの視認性の高さや、リモコンの感触も非常に親しみやすい。入門者にもぴったりの使いやすさだ。
BD再生&CD再生ともに本格派のサウンドが楽しめる
試聴は「ピュアオーディオモード」をONにして行った。CD試聴時はもちろん、マルチのビットストリーム信号に対しても有効な高音質機能だ。表示やブルーのイルミネーションが消え、ビデオ回路もOFFになる。
CDの再生は素直でナチュラルな感触だ。ボーカルはノイズに汚されない、鮮度の高さがあり、スッキリと抜け出してくる印象。中〜低音域に厚みをもたせながら、定位がピタっと決まり、声の表情も申し分がない。多重録音のコーラスや楽器に包まれ、聴き鳴れたエンヤ、J.ウオーンズが一段とみずみずしく感じられる豊かな表現力である。出力の余裕はジャズにガッツを与え、パワフルなロックビートや大編成の管弦楽など難なくこなしてくれた。これは大したドライブ力だ。
BD再生はそのまま5.1chに広がったような、力強い印象で、のびやかなサラウンド表現だ。音楽ものの「クリス・ボッティ」や「This is it」はつながりのよさが抜群。ステージ感も生々しく、ホールの暖かみや距離感まで感じさせた。リズムにキレがありビシバシと音が飛ぶ。オリアンティの超テクギターも聴き所だ。
映画では「アバター」「タイタンの戦い」「アリズ・イン・ワンダーランド」など人気作品をたて続けに視聴した。セリフは映画っぽく厚みのある響き方がいい。こちらもスムーズなつながりを特徴としており、スクリーンの大画面に負けない緻密さとキレ、スピード感のある表現が印象的。突き上げるような重低音のパワーも満足だ。サラウンドのシーンでは、方向感や高さのあるエフェクト音に包まれ臨場感たっぷり。
機能面はシンプルだが、誰にもやさしい操作性で、音楽も映画もストレスなく楽しめるのはユーザー冥利。AVアンプとしてのクオリティと品位のよさは、さすがに音のケンウッドである。とびきりお買い得なAVアンプと実感した。
◆試聴・レビュー 林 正儀
福岡県出身。工学院大学で電子工学を専攻。その後、電機メーカー勤務を経て、技術系高校の教師というキャリアを持つ。現在、日本工学院専門学校の講師で、音響・ホームシアターの授業を受け持つ。教鞭をとっている経験から、初心者向けに難しい話題をやさしく説明するテクニックには特に定評がある
【RV-7000 スペック】
●実用最大出力:150W×5 ●全高調波歪率:0.01% ●入出力端子:HDMI端子(入力×4、出力×1)、コンポジット映像(入力×3、出力×1)、デジタル音声入力(同軸×1、光×2)、アナログ音声入力 ×5、ヘッドホン端子×1 ●定格消費電力:200W ●最大外形寸法:約430W×159H×384Dmm ●質量:約9.0kg
【製品に関する問い合わせ先】
ケンウッドカスタマーサポートセンター
TEL/0570-010-114