快適さと音の良さの両立は可能か?
煩わしいケーブルよ、さようなら!ロジテックのバーティカルインイヤー型Bluetoothヘッドホン「LBT-AVOH01A」を高橋 敦が試す
通勤・通学の車内で、はたまたスポーツジムでの運動や街でのジョギング中に、iPhoneやiPod touch、携帯電話などを使って好きな音楽を楽しんでいる方は多いのでは? 「ラッシュに揉まれてイヤホンが耳から外れた…」「ケーブルが顔の周りに当たってイライラする!」− それ、Bluetoothヘッドホンを使えば解消されるんです!ケーブルにまつわるわずらわしさをなくし、快適なリスニングを可能にしてくれるロジテックのBluetoothヘッドホン新モデル「LBT-AVOH01A」を、高橋 敦氏がレビューします。
携帯プレーヤーとイヤホンのあいだがワイヤレスだったら、
どんなに便利だろう
携帯プレーヤーとイヤホンのあいだがワイヤレスだったら、どんなに便利だろう。満員電車で周りの人にケーブルが引っかかることもなく、カバンの中でケーブルがこんがらがることもない。「便利になる」よりも「わずらわしさがなくなる」の方が、実際に近いだろうか。
そのワイヤレス化と言えばBluetoothだ。近年はBluetoothを標準搭載する携帯電話/プレーヤーが増えている。プレーヤー側が最初からBluetooth対応なら、別途Bluetooth送信アダプタを装着する不格好さもない。本当にスマートなワイヤレス環境を実現できる。
そこでロジテックのLBT-AVOH01Aだ。
パソコン周辺機器大手である同社は、通話用ヘッドセット、パソコン用Bluetooth送信機、無線マウスなどを早い時期から展開。膨大なBluetooth関連ノウハウを蓄積している。他社に先駆けてオーディオ用途のBluetooth製品を発売してきたのも特徴だ。市場実績としても、現在同社はBluetoothヘッドホンのシェアNo.1を占めている。
その同社が送り出すオーバーヘッド型Bluetoothイヤホンの新製品が本機である。
Bluetoothの伝送規格のうちA2DP・AVRCPなどに対応。前者は高音質伝送規格。後者はリモコン操作規格だ。後者によって、本機両耳元のボタンの操作で、プレーヤーのリモコン操作が可能だ。プレーヤー本体をカバンから出さずに曲のスキップや通話開始を操作できる。例えばiPhoneも現行機と最新OSの組み合わせはAVRCP対応なので、そのような環境を実現できる。
さらにBluetoothプロファイルはHSPやHFPにも対応しているので、携帯電話やiPhone、スマートフォンと使用した際は電話着信時にそのままワンボタンで通話に移れる。ジョギング中などに着信があった場合も、そのままスムーズに対応でき便利だ。
電源は内蔵リチウムポリマー電池。パソコンのUSB端子もしくは付属アダプタで充電でき、通話と再生は連続5時間使用が可能だ。
イヤホンとしては、外の音を「遮断“しない”」ことを特長としているのは面白い点だ。多くのイヤホンは遮音性を売りにしているが、本機はジョギングなどの用途を想定、安全性重視で外の音を聴き取りやすく設計されている。実際、遮音性はほぼない。
その遮音性の低さと音質の向上を同時に実現しているのが、イヤホンユニットを鼓膜の正面に配置し、その一方で耳の穴を塞ぐことのない「バーティカルインイヤー構造」である。初見では違和感もあったが、実際の装着感は良好だ。
ちなみに、より安定した装着感と遮音性を求める方には「LBT-AVNB01Aシリーズ」がオススメ。ネックバンドタイプで外れにくく、イヤホン部分はカナル型になっている。
鼓膜にストレートに届けられているような
軽やかなダイレクト感がある音
さて使用開始の初回には、Bluetoothの作法として、機器同士を認識させる「ペアリング」が必要だ。まあ、本機を電源ボタンの長押しでペアリングモードにして、接続する機器の側のBluetooth設定画面で本機を選択するだけという流れなので、特に難しくはない。
音楽再生の音質は、なるほどたしかに、鼓膜にストレートに届けられているような、軽やかなダイレクト感がある。音が詰まるような感触がなく、心地よい届き方だ。
ウッドベースのピッキングのニュアンスの生々しさ。音の立ち上がりの良さだけではなく、その後に余計な膨らみなどを加えないことが、ぴしっとしたアタックを生み出している。量感は目立たせないが良質な低音描写だ。
高域側では、ジャズのシンバルワークの細やかさの再現もなかなかのものだ。単純な強弱だけではなく、一打ごとの音色の変化もしっかり聴き取れる。アコースティックギターのアルペジオも同じく。そしてその音色の弾け方も実に気持ちよいものだ。
またカナル型ではないことは、音場表現の面でも強みとなっている。閉塞感のない、自然に広がる疲れない音場だ。高音は突き刺さらず低音はこもらず、頭の中を自然に抜けていく印象。カナル型が苦手な方には、この面からも良い選択肢になるだろう。
ワイヤレスの軽やかさと開放感ある着け心地、鼓膜にダイレクトに伝わってくる自然な音。全ての面で快適なイヤホンだ。絡まるケーブルにうんざりの方はチェックしてみてほしい。
<筆者プロフィール>
高橋 敦 Atsushi Takahashi
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退。大学中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。 その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。
携帯プレーヤーとイヤホンのあいだがワイヤレスだったら、
どんなに便利だろう
携帯プレーヤーとイヤホンのあいだがワイヤレスだったら、どんなに便利だろう。満員電車で周りの人にケーブルが引っかかることもなく、カバンの中でケーブルがこんがらがることもない。「便利になる」よりも「わずらわしさがなくなる」の方が、実際に近いだろうか。
そのワイヤレス化と言えばBluetoothだ。近年はBluetoothを標準搭載する携帯電話/プレーヤーが増えている。プレーヤー側が最初からBluetooth対応なら、別途Bluetooth送信アダプタを装着する不格好さもない。本当にスマートなワイヤレス環境を実現できる。
そこでロジテックのLBT-AVOH01Aだ。
パソコン周辺機器大手である同社は、通話用ヘッドセット、パソコン用Bluetooth送信機、無線マウスなどを早い時期から展開。膨大なBluetooth関連ノウハウを蓄積している。他社に先駆けてオーディオ用途のBluetooth製品を発売してきたのも特徴だ。市場実績としても、現在同社はBluetoothヘッドホンのシェアNo.1を占めている。
その同社が送り出すオーバーヘッド型Bluetoothイヤホンの新製品が本機である。
ロジテック Bluetoothヘッドホン LBT-AVOH01A 【製品データベース】【ロジテックの製品情報ページ】 オーバーヘッドタイプのBluetoothヘッドホン。Bluetooth v2.1+EDRに準拠し、障害物がない場合最大半径10mの範囲でワイヤレス使用ができる。BluetoothのプロトコルはA2DP、HFP、 HSP、AVRCPに対応している。著作権保護技術SCMS-Tに対応しているため、ワンセグ音声や着メロなども楽しめる。カラーはブラックとホワイト。音楽再生中に着信があった場合は着信音で知らせ、本体右のマルチファンクションスイッチを押すだけで通話に切り替え可能。iPhoneやiPod touchなどAVRCPに対応したプレーヤーや携帯電話の場合、曲送りなどの操作もできる。電源にはリチウムポリマー電池を採用し、充電は付属専用USBケーブル経由で行う。待受150時間、通話・再生5時間の連続使用が可能。 |
Bluetoothの伝送規格のうちA2DP・AVRCPなどに対応。前者は高音質伝送規格。後者はリモコン操作規格だ。後者によって、本機両耳元のボタンの操作で、プレーヤーのリモコン操作が可能だ。プレーヤー本体をカバンから出さずに曲のスキップや通話開始を操作できる。例えばiPhoneも現行機と最新OSの組み合わせはAVRCP対応なので、そのような環境を実現できる。
さらにBluetoothプロファイルはHSPやHFPにも対応しているので、携帯電話やiPhone、スマートフォンと使用した際は電話着信時にそのままワンボタンで通話に移れる。ジョギング中などに着信があった場合も、そのままスムーズに対応でき便利だ。
電源は内蔵リチウムポリマー電池。パソコンのUSB端子もしくは付属アダプタで充電でき、通話と再生は連続5時間使用が可能だ。
イヤホンとしては、外の音を「遮断“しない”」ことを特長としているのは面白い点だ。多くのイヤホンは遮音性を売りにしているが、本機はジョギングなどの用途を想定、安全性重視で外の音を聴き取りやすく設計されている。実際、遮音性はほぼない。
その遮音性の低さと音質の向上を同時に実現しているのが、イヤホンユニットを鼓膜の正面に配置し、その一方で耳の穴を塞ぐことのない「バーティカルインイヤー構造」である。初見では違和感もあったが、実際の装着感は良好だ。
ちなみに、より安定した装着感と遮音性を求める方には「LBT-AVNB01Aシリーズ」がオススメ。ネックバンドタイプで外れにくく、イヤホン部分はカナル型になっている。
鼓膜にストレートに届けられているような
軽やかなダイレクト感がある音
さて使用開始の初回には、Bluetoothの作法として、機器同士を認識させる「ペアリング」が必要だ。まあ、本機を電源ボタンの長押しでペアリングモードにして、接続する機器の側のBluetooth設定画面で本機を選択するだけという流れなので、特に難しくはない。
音楽再生の音質は、なるほどたしかに、鼓膜にストレートに届けられているような、軽やかなダイレクト感がある。音が詰まるような感触がなく、心地よい届き方だ。
ウッドベースのピッキングのニュアンスの生々しさ。音の立ち上がりの良さだけではなく、その後に余計な膨らみなどを加えないことが、ぴしっとしたアタックを生み出している。量感は目立たせないが良質な低音描写だ。
高域側では、ジャズのシンバルワークの細やかさの再現もなかなかのものだ。単純な強弱だけではなく、一打ごとの音色の変化もしっかり聴き取れる。アコースティックギターのアルペジオも同じく。そしてその音色の弾け方も実に気持ちよいものだ。
またカナル型ではないことは、音場表現の面でも強みとなっている。閉塞感のない、自然に広がる疲れない音場だ。高音は突き刺さらず低音はこもらず、頭の中を自然に抜けていく印象。カナル型が苦手な方には、この面からも良い選択肢になるだろう。
ワイヤレスの軽やかさと開放感ある着け心地、鼓膜にダイレクトに伝わってくる自然な音。全ての面で快適なイヤホンだ。絡まるケーブルにうんざりの方はチェックしてみてほしい。
LBT-AVOH01Aを6名様にモニタープレゼント! 今回高橋氏がレビューしたロジテック「LBT-AVOH01A」を、6名様(ブラック/ホワイト各3名様)にモニタープレゼント致します! Bluetoothヘッドホンの快適さを、あなたも実際に体験してみませんか?ご応募はこちらから! |
<筆者プロフィール>
高橋 敦 Atsushi Takahashi
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退。大学中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。 その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。
【次回予告:12月掲載予定】 音質にこだわったBluetoothイヤホン 「LBT-HP04シリーズ」の実力を徹底検証! 11月中旬から登場している「音質」にこだわったBluetoothイヤホン 「LBT-HP04シリーズ」。振動板に調整を施した直径10mmスピーカーユニットを搭載しているほか、無音時のホワイトノイズ低減に注力し、アンテナ特性をチューニングし、メリハリある音を実現したという本機の実力はどれだけのものなのか?気になるそのクオリティを、山之内 正氏がレビューします。お楽しみに! |