HOME > レビュー > 小型ヘッドホンアンプの新たなるスタンダード − iBasso Audioのニューモデル「D5 Hj」を聴く

ヒビノとのコラボにより完成

小型ヘッドホンアンプの新たなるスタンダード − iBasso Audioのニューモデル「D5 Hj」を聴く

公開日 2011/06/30 11:06 レビュー/佐藤良平
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ヒビノインターサウンドがiBasso Audioブランド製品の取り扱いを開始して、1周年を記念して開発されたUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプの“コラボモデル”「D5 Hj」が発売される。USB入力信号の192kHz/24bitアップサンプリングなど、高音質再生にこだわった本機の魅力を、佐藤良平氏がレポートする。

小型ヘッドホンアンプの新たなるスタンダード

iBasso Audio
D5 Hj
¥OPEN


iBasso AudioのUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「D5 Hj」
ポータブルヘッドホンアンプの分野で力の入った製品を矢継ぎ早に放ってきたiBasso Audio(アイバッソ・オーディオ)。このD5 Hjは実に優秀な製品で、筆者は感銘を受けた。

本機は日本国内での販売を担当するヒビノインターサウンドと製造元のiBasso Audioが代理店業務開始1周年を記念して企画した製品である。開発にあたって日本市場のニーズを積極的に取り入れ、決定版を作ろうとした意気込みが表れている。

USB-DACを内蔵し、入力されたデジタル信号を192kHz/24bitにアップサンプリングして高音質化を実現。アナログ信号の入力もステレオミニ端子で対応する。USB入力は96kHzまで受けられる。GAINのオン・オフも可能だ。

音は全帯域にわたって密度が高く、筐体のサイズからは想像できないスケールの大きさをそなえている。ソリッドな低域の締まりが特筆だ。高品位パーツの採用や、L/Rチャンネルを完全に独立させた回路構成が効いているのだろう。このように充実した製品内容にもかかわらず、ボディは驚くほどコンパクト。ヘアライン仕上げが美しく、オーナーの所有欲を満たしてくれる。


背面にUSB端子を搭載。電源はリチウムポリマーバッテリーを採用している
内蔵した充電池の持続時間が最大で約38時間と長いのも、使い勝手の点で重要なメリットだ。とにかく、あまりにもよくできているので困った。たとえDAC機能をまったく使わなくても、価格ぶんの価値は充分ある。従来のUSB-DAC搭載ヘッドホンアンプの評価基準をチャラにしかねない存在感だ。本機が携帯型アンプの新しいスタンダードになるとしたら末恐ろしい。面白い時代が来たものだ。

【D5 Hj SPECIFICATIONS】
●周波数特性:17Hz〜20kHz、±0.5dB(DAC) / 17Hz〜100kHz、-0.5dB(アンプ) ●S/N比:103dB(DAC)、106dB(アンプ) ●クロストーク :94dB(DAC)、92dB(アンプ) ●全高調波歪み:0.009%@1kHz/0dB(DAC)、0.012%@1kHz/0dB(アンプ) ●最大出力: 125mW+125mW(16Ω) ●電源:内蔵リチウムポリマーバッテリー ●電池持続時間:連続約38時間(最大)※使用条件によって短くなる場合がある ●ヘッドホンインピーダンス:推奨8〜300Ω ●外形寸法:51W×21H×77Dmm ●質量:99g

【問い合わせ先】
ヒビノインターサウンド(株)
TEL/03-5783-3880


佐藤良平 プロフィール
1964年、秋田市生まれ。音楽ソフトの品質に特化して研究を続けている、世界的に見ても珍しい文筆業者。「季刊オーディオアクセサリー」(音元出版)、「ヘッドホンブック」(音楽出版社)など多数の雑誌やウェブで活躍している。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE