パナソニック新プラズマ/液晶“VIERA”の画質を速攻チェック!
既報の通り、1月10日、パナソニック茨木工場にて米国で発売するVIERA新製品ラインアップ、プラズマ方式6ライン全18機種、液晶方式全8ライン17機種が発表された。このうち上位モデルは「SMART VIERA」という名称で、スマートTVとしてアピールしていく。
これまでのようにプラズマは大画面、液晶は中小画面という役割分担を廃止し、プラズマ方式はさらなる大画面化でビエラの最高画質を追求。液晶も55型モデルなど、大画面モデルを投入する。
■プラズマパネルは駆動速度/階調表現力を大幅改善
PDPでは新開発パネル「ネオプラズマブラック2500」を新投入。具体的には、新カスタムドライバーLSIと短残光蛍光体の使用でサブフィールド単位で駆動を最適化し2500Hz相当駆動を実現。複数のサブフィールドを新ドライバーで一つに集約して駆動する手法で、プラズマ方式の利点の一つである動画解像度のさらなる向上を果たした。
コントラストと輝度も向上。新ディープブラックフィルター、高効率パネル、新リアルブラック駆動の採用により、明所コントラストは従来比2倍に達した。ハイコントラスト化で3Dもさらに高画質化を遂げている。階調表現においても、最小発光量を従来の4分の1に減らした駆動方式の採用で24,576階調を得た。
気になる生産施設については、尼崎工場P5の生産終了で、150インチまで生産可能な施設が使用できないが、P4で103インチまで生産可能なので、P4を使いこなす。その後の大画面展開は市場の趨勢を見て対応すると、同社AVCネットワーク社 上席副社長 吉田 守氏は述べた。
■液晶テレビでは大型化と画質向上を両立
液晶テレビで最大の注目点は、50V超の大画面の投入だ。昨季までは42Vが最大だったが、最大55Vまで拡大を遂げた。姫路工場で生産される。プラズマ同様の「きれいの進化」がもう一つのテーマで、IPSαの特長を生かす商品作り、具体的には最大の特徴である広視野角に注力し、最上位のWTシリーズは新配向技術で斜め方向の視野角をさらに広げた。
また4倍速8相(分割)LEDバックライトを搭載、動画応答を改善した。同時に新液晶駆動(APD)技術も採用したことで、WT/DTシリーズは3D出画時、業界最速の1.4msを実現した。
■スマート機能やデザイン、使い勝手なども大きく進化
“スマート“を喧伝するだけあって、プラズマ/液晶とも、情報端末としての機能強化が図られている。ビエラの場合、クラウドを活用することで、内蔵メモリーに左右されずにサービスが楽しめる。見逃し番組などのコンテンツ配信をはじめ、ソーシャルネットワーク連携でもマイスペースと他社に先駆けて協業を実現した。
会場ではビエラタブレットに表示した動画やウェブコンテンツをフリック操作でテレビの大画面に転送して共有、さらにタブレットに戻して持ち出すなどのデモが行われた。また上位機種は無線タッチパッドリモコンを採用したのも特徴だ
両方式で共通して目を引くのが、超薄型・狭額化である。「正直言ってデザインは(他社の)ビハインドだった。」(吉田氏)という反省から、両方式共通で、メタルの狭額デザインとし、外観の印象を従来のビエラから一新した。
プラズマ方式6ライン中最上位VTシリーズは前面一枚ガラスを使用し狭額縁メタルフレーム。次位のGTシリーズは直貼りでないがやはり狭額縁メタルベゼルで前面ガラスとの段差のないフラッシュサーフェスデザイン。一方、液晶最上位WTシリーズは4辺均一の超狭額縁メタルの鋭利なデザイン、次位のDTシリーズは超狭額縁のヘアラインメタルデザインを採用した。
■最新プラズマ/液晶テレビの画質レポート
会場で実際にプラズマテレビのフラグシップ「TC-P65VT50」を、昨年の製品と比較した。工場内のホールのかなり明るい環境だったが、暗部の沈み方の違いは一目瞭然。しかも階調の進展で黒に豊かな質感が伴っている。
女性の髪のアップは艶の乗った<烏の濡れ羽色>である。細やかな解像力も一段と増していて、平坦部、被写体エッジ部のS/Nの良さともあいまって、滑らかでリアリティに富むプラズマテレビの新境地を味わえた。
大画面液晶テレビは、ショッキングなほど薄い。画質より先に、板ガラスが空間を切り裂いて屹立しているような造形に目を奪われる。しかし、ベゼルが柔らかい透明感を湛えているため、過度に冷たさや鋭利さを強調せず、どこかヒューマンな温かさを感じさせるのがパナソニックの手腕だ。
「TC-L47DT50」と昨季の製品を比較したが、4倍速8相バックライトスキャンのTC-L47DT50は横スクロール映像のボヤケの少なさで改善が著しかった。
■20V型 4K2K IPS液晶の画質とは?
プラズマ/液晶方式新製品のほかに、20V型のIPS方式4K2Kパネルが公開され、注目を集めていた。総画素数3,840×2,160、画面サイズ20.4インチで厚さ3.5mm、輝度450cd/m2、色再現性は70%である。1インチ当り216画素(216ppi)という精細度、3.5mmの薄さ共現時点で世界最高だが、これを実現したのが「超高開口率画素構造」と「新液晶配向プロセス技術」である。
前者の採用でパネル透過率を従来比2倍に高めたことでバックライトの明るさを有効利用出来、世界最薄3.5mmと4K2Kを達成した。後者の採用で斜め方向の視野角を改善した。
デモ機は静止画で視力診断表、道路地図、顔のコラージュ、ヒマワリ、N.Y.のビル街、パリの夜景などを表示。フルHDの場合、20Vでは読めなくなってしまう地図上の細かな街路名の書き込みがはっきり読み取れ、N.Y.のビル街は窓の中の室内が覗けてみえる精細度。目を凝らしていたギャラリーから次々に歓声が上がった。なお動画は金魚などの映像が公開されたが、本格的な画質の詰めはこれからという段階に止まっている。
なお、この時の動画入力にはLVDSの4CH ハイスピードモードが使われていた。今後民生(家庭用)に発売する場合のインターフェースには、現在細かな仕様が検討されている次世代HDMIが中心だが、PCやネットワークからの入力用にディスプレイボードを設ける可能性もある(パナソニック液晶ディスプレイ(株)取締役、商品開発センター所長 伊沢哲朗氏)ということである。
これまでのようにプラズマは大画面、液晶は中小画面という役割分担を廃止し、プラズマ方式はさらなる大画面化でビエラの最高画質を追求。液晶も55型モデルなど、大画面モデルを投入する。
■プラズマパネルは駆動速度/階調表現力を大幅改善
PDPでは新開発パネル「ネオプラズマブラック2500」を新投入。具体的には、新カスタムドライバーLSIと短残光蛍光体の使用でサブフィールド単位で駆動を最適化し2500Hz相当駆動を実現。複数のサブフィールドを新ドライバーで一つに集約して駆動する手法で、プラズマ方式の利点の一つである動画解像度のさらなる向上を果たした。
コントラストと輝度も向上。新ディープブラックフィルター、高効率パネル、新リアルブラック駆動の採用により、明所コントラストは従来比2倍に達した。ハイコントラスト化で3Dもさらに高画質化を遂げている。階調表現においても、最小発光量を従来の4分の1に減らした駆動方式の採用で24,576階調を得た。
気になる生産施設については、尼崎工場P5の生産終了で、150インチまで生産可能な施設が使用できないが、P4で103インチまで生産可能なので、P4を使いこなす。その後の大画面展開は市場の趨勢を見て対応すると、同社AVCネットワーク社 上席副社長 吉田 守氏は述べた。
■液晶テレビでは大型化と画質向上を両立
液晶テレビで最大の注目点は、50V超の大画面の投入だ。昨季までは42Vが最大だったが、最大55Vまで拡大を遂げた。姫路工場で生産される。プラズマ同様の「きれいの進化」がもう一つのテーマで、IPSαの特長を生かす商品作り、具体的には最大の特徴である広視野角に注力し、最上位のWTシリーズは新配向技術で斜め方向の視野角をさらに広げた。
また4倍速8相(分割)LEDバックライトを搭載、動画応答を改善した。同時に新液晶駆動(APD)技術も採用したことで、WT/DTシリーズは3D出画時、業界最速の1.4msを実現した。
■スマート機能やデザイン、使い勝手なども大きく進化
“スマート“を喧伝するだけあって、プラズマ/液晶とも、情報端末としての機能強化が図られている。ビエラの場合、クラウドを活用することで、内蔵メモリーに左右されずにサービスが楽しめる。見逃し番組などのコンテンツ配信をはじめ、ソーシャルネットワーク連携でもマイスペースと他社に先駆けて協業を実現した。
会場ではビエラタブレットに表示した動画やウェブコンテンツをフリック操作でテレビの大画面に転送して共有、さらにタブレットに戻して持ち出すなどのデモが行われた。また上位機種は無線タッチパッドリモコンを採用したのも特徴だ
両方式で共通して目を引くのが、超薄型・狭額化である。「正直言ってデザインは(他社の)ビハインドだった。」(吉田氏)という反省から、両方式共通で、メタルの狭額デザインとし、外観の印象を従来のビエラから一新した。
プラズマ方式6ライン中最上位VTシリーズは前面一枚ガラスを使用し狭額縁メタルフレーム。次位のGTシリーズは直貼りでないがやはり狭額縁メタルベゼルで前面ガラスとの段差のないフラッシュサーフェスデザイン。一方、液晶最上位WTシリーズは4辺均一の超狭額縁メタルの鋭利なデザイン、次位のDTシリーズは超狭額縁のヘアラインメタルデザインを採用した。
■最新プラズマ/液晶テレビの画質レポート
会場で実際にプラズマテレビのフラグシップ「TC-P65VT50」を、昨年の製品と比較した。工場内のホールのかなり明るい環境だったが、暗部の沈み方の違いは一目瞭然。しかも階調の進展で黒に豊かな質感が伴っている。
女性の髪のアップは艶の乗った<烏の濡れ羽色>である。細やかな解像力も一段と増していて、平坦部、被写体エッジ部のS/Nの良さともあいまって、滑らかでリアリティに富むプラズマテレビの新境地を味わえた。
大画面液晶テレビは、ショッキングなほど薄い。画質より先に、板ガラスが空間を切り裂いて屹立しているような造形に目を奪われる。しかし、ベゼルが柔らかい透明感を湛えているため、過度に冷たさや鋭利さを強調せず、どこかヒューマンな温かさを感じさせるのがパナソニックの手腕だ。
「TC-L47DT50」と昨季の製品を比較したが、4倍速8相バックライトスキャンのTC-L47DT50は横スクロール映像のボヤケの少なさで改善が著しかった。
■20V型 4K2K IPS液晶の画質とは?
プラズマ/液晶方式新製品のほかに、20V型のIPS方式4K2Kパネルが公開され、注目を集めていた。総画素数3,840×2,160、画面サイズ20.4インチで厚さ3.5mm、輝度450cd/m2、色再現性は70%である。1インチ当り216画素(216ppi)という精細度、3.5mmの薄さ共現時点で世界最高だが、これを実現したのが「超高開口率画素構造」と「新液晶配向プロセス技術」である。
前者の採用でパネル透過率を従来比2倍に高めたことでバックライトの明るさを有効利用出来、世界最薄3.5mmと4K2Kを達成した。後者の採用で斜め方向の視野角を改善した。
デモ機は静止画で視力診断表、道路地図、顔のコラージュ、ヒマワリ、N.Y.のビル街、パリの夜景などを表示。フルHDの場合、20Vでは読めなくなってしまう地図上の細かな街路名の書き込みがはっきり読み取れ、N.Y.のビル街は窓の中の室内が覗けてみえる精細度。目を凝らしていたギャラリーから次々に歓声が上がった。なお動画は金魚などの映像が公開されたが、本格的な画質の詰めはこれからという段階に止まっている。
なお、この時の動画入力にはLVDSの4CH ハイスピードモードが使われていた。今後民生(家庭用)に発売する場合のインターフェースには、現在細かな仕様が検討されている次世代HDMIが中心だが、PCやネットワークからの入力用にディスプレイボードを設ける可能性もある(パナソニック液晶ディスプレイ(株)取締役、商品開発センター所長 伊沢哲朗氏)ということである。