【特別企画】手軽にリビングで楽しめる大画面
エプソンの3D対応入門機「EH-TW510S」で映画やゲームを遊びたおす
エプソンのホームプロジェクターのラインナップに、3D対応のスタンダードモデル「EH-TW510S」が新しく加わった。スクリーンとセットで10万円を切る価格設定も魅力的な本機を、今回ライターの野村ケンジ氏が3D映画鑑賞からゲームまで様々に遊び尽くした。
EPSON 液晶プロジェクター
EH-TW510
プロジェクター単体:¥OPEN(予想実売価格9万円台中盤)
スクリーンセット:¥OPEN(予想実売価格9万円台後半)
エプソンから待望の「3D対応」プロジェクターの入門機が登場
「小柄だし設置時の調整も手軽だし、それでいて映像はかなりの本格派。何よりも画面が明るく、部屋を真っ暗にしなくても使えるところがイイ」。これがエプソンから新たに発売された3D対応プロジェクター「EH-TW510S」を、じっくりと使ってみた私の感想だ。
何よりもコンセプトが明快だ。スクリーンとのセットモデルがメインに据えられていることから分かるように、こちらはエントリーユーザーをメインターゲットとした製品となっている。そして、そういった“プロジェクター初心者”でも大画面の楽しさが満喫できるよう、随所に様々な工夫が凝らされているのだ。
このあたりは、本格ホームシアター向けからオフィス用まで、様々なプロジェクター製品をラインナップするエプソンだからこそのクオリティなのだろう。オフィス用プロジェクターの外観に化粧を施しただけの安易なモデルとは一線を画す、使い勝手の良さとホームシアター向けに最適な映像センスを持ち合わせているのだ。
そういったコンセプトの巧みさ、クオリティの高さは、ディテールを見ていくことでさらにわかる。本体は3LCD方式の液晶パネルを搭載しつつも、325W×77H×243Dmmというコンパクトなボディサイズを実現。コストパフォーマンスの側面から解像度はWXGA(1280×800画素)となっているが、入力は1080/60pに対応、HDMI端子でプレーヤーやゲーム機と接続するだけですぐに使いはじめられるよう配慮されている。一方で、3Dコンテンツに対応している点も、エントリークラスの製品としては魅力度が高い(3Dメガネはオプション)。
コンパクトながら様々な機能と使い勝手が詰まっている
さらに設置性についても、よく考えられている。光学1.2倍対応のズームレンズを採用し、80型でおよそ2.31mから2.78mまでの投写距離幅を確保しているほか、縦方向の台形歪みを自動補正し、横方向の台形歪みをレバー操作で補正する「ピタッと補正」機能も搭載。設置時の映像調整が、かなり手軽に行える点も嬉しい。
また、肝心の映像クオリティに関しては、オプションで用意されるアクティブシャッター方式の3Dメガネ「ELPGS03」を活用することで、BDビデオやゲームなどの3Dコンテンツが楽しめるほか、赤・緑・青合計3色の液晶パネルを搭載する「3LCD方式」を採用することで、色再現性と階調性においても優位性を示している。
そして最大のメリットといえるのが、その明るさだ。「3LCD方式」の液晶パネルに加えて、エプソン独自の多重反射式ランプ「E-TORL」なども採用することによって、2,700ルーメンもの明るさを実現。部屋の照明を落とさなくても、鮮やかな映像を投影できるようになっている。映画をじっくり見るだけでなく、友達などを集めて、明るい部屋で大人数でゲームをしたりするシチュエーションも考えられるエントリークラスの製品としては、かなり優位なポイントといえる。
このほかにも、本体にスピーカーを内蔵し、プロジェクターだけで音声も楽しめたり、「USBディスプレイ」機能を使えばUSBケーブル1本でコンピューターと接続して映像・音声を投写することもできたりと、ビジネス用途も含めた利用方法はかなり幅広い。エントリークラスだからこその多様性なのだろうが、逆にエントリーユーザーに限定してしまうのはもったいないと思えるほどの完成度だ。製品コンセプトが実に良く練り上げられている。
驚くほど「明るい映像」 ー 3D映画もゲームもこの一台で満喫
さて、ここからは実際のユーザビリティについて感想を述べていこう。
まず、今回の取材ではリビングへの設置をユーザーケースに想定し、「EH-TW510S」をローテープルにポンと置いて画面調整を行ってみたのだが、確かに設定も非常に手軽だ。本体前方に用意されている本体角度調整用の脚を延ばすと、その高さに合わせて縦方向の台形を自動調整してくれるので、画面調整も手間いらずだ。一方、横方向の台形調整は手動で行うかたちになる。あとはスクリーンを見ながら、本体の位置を微調整して最適な表示位置を合わせこむだけ。これぞ、コンパクト&軽量な本体をもつ「EH-TW510S」だからこそ可能な使いこなしだ。
映像の位置だけでなく、色合いの調整もかなりスムーズに行えた。こういったクラスの製品は、概してエッジの強さばかりが目立つ傾向にあり、自然な色合いを作り出すのに結構苦労するのだが、「EH-TW510S」はもともと色ノリの良い、比較的細やかな階調表現を持つ画がはじめから作り上げられているので、あとは環境に合わせて色合いを仕上げていくだけで済む。
また、デフォルトで「ダイナミック」「リビング」「シネマ」「ゲーム」「3Dシネマ」「3Dダイナミック」などの映像設定が用意されている。ユーザーが利用するシチュエーションがよく想定・考慮されているためか、なかなかに使い勝手が良かった。
特に今回本機を取材したような、ロールカーテンを閉めただけの比較的明るい空間でも、「リビング」モードで十分に楽しめる明るさが確保されている。しかも、映像には明るい画面設定にありがちな階調表現の単調さがなく、思ったよりもきめ細かい表現ができている。
そういった明るさのアドバンテージは、3Dコンテンツを見ているときにも実感できた。「EH-TW510S」の3D表示はフレームパッキング、サイドバイサイド、トップアンドボトムに対応する。アクティブ3Dメガネによるフレームシーケンシャル方式の3D表示は、その仕組みから映像が暗めになりがちだが、本機の場合はそもそもの明るさ性能が高いため、3D視聴の際にも十分な明るさが確保できているのだ。そのため、今回のBDディスクの取材では「3Dダイナミック」を使う必要もなく、「3Dシネマ」で十分な明るさが得られた。プロジェクターにとって「映像が明るい」ということが、とてつもないアドバンテージになることを強く実感できた。
また、BDビデオの視聴に続き、今回はマイクロソフト「Xbox 360 + Kinect」をつないでゲームコンテンツも遊んでみたのだが、これぞ「EH-TW510S」の真骨頂といえる楽しさだった。直射日光のみを遮った昼間のリビングで、メイン照明を点けない程度の対応しかしていなくても、映像がしっかりと映し出されてくれるため、スクリーンに映し出した画面を見ながら、家族で皆でパーティーゲームを行う、というような使い方ができるのだ。
こんなに大画面が満喫できて、しかも手軽な本体サイズとコストパフォーマンスの良好さを実現した液晶プロジェクターは、そうそうない。液晶プロジェクターというと、本体設置や映像設定が大変、部屋を暗くしなければ十分に楽しめないなど、仰々しいイメージがどうしてもまとわりつくが、「EH-TW510S」に関してはそういったマイナス面をことごとく払拭する、ユーザビリティの高さとコンセプトの明快さがある。エントリーユーザに諸手を挙げて推薦できる、優れたモデルであることは確証しよう。
【EH-TW510S/SPEC】
<プロジェクター>●方式:3LCD ●液晶パネル:0.59型ワイドポリシリコンTFT液晶パネル(16対10) ●画素数:1280×800画素 ●ダイナミックコントラスト:4500対1 ●明るさ:2700ルーメン ●3D対応:フレームパッキング/サイドバイサイド/トップアンドボトム ●内蔵スピーカー:2W ●光学ズーム倍率:1.2倍 ●投写サイズ:33〜318型 ●100型投写距離:289cm ●光源:200W E-TROL UHEランプ ●映像入力:HDMI、コンポジット、S映像、ミニD-sub 15pin ●制御入力:USB-B端子 ●USBストレージ:USB-A端子 ●音声入力:RCA×2 ●スピーカー:2W×1 ●消費電力:289W(明るさ切替「高」) ●騒音値:29dB ●外形寸法:325W×77H×243Dmm ●質量:2.7kg
<ワイドスクリーン>●外形寸法:1831W×1066Hmm(幕面)、380Dmm(スタンド奥行き)、450mm(スタンド横幅) ●設置時高さ:最大1840mm(床面から)、白面下端 可変300〜800mm ●質量:約3.3kg(スクリーン部約1.9kg)
【問い合わせ先】
エプソン 液晶プロジェクター インフォメーションセンター
TEL/050-3155-7010
◆野村ケンジ プロフィール
ホームシアターやヘッドホン、音楽関連、カーAVなどの記事を中心に執筆活動を展開している。100インチスクリーン+TADスピーカーで6畳間極小ホームシアターを実践。さらに現在はステレオと7.1chの同居計画が進行中。好きなクルマはアルファ・ロメオなどのイタフラ系。
EH-TW510
プロジェクター単体:¥OPEN(予想実売価格9万円台中盤)
スクリーンセット:¥OPEN(予想実売価格9万円台後半)
エプソンから待望の「3D対応」プロジェクターの入門機が登場
「小柄だし設置時の調整も手軽だし、それでいて映像はかなりの本格派。何よりも画面が明るく、部屋を真っ暗にしなくても使えるところがイイ」。これがエプソンから新たに発売された3D対応プロジェクター「EH-TW510S」を、じっくりと使ってみた私の感想だ。
何よりもコンセプトが明快だ。スクリーンとのセットモデルがメインに据えられていることから分かるように、こちらはエントリーユーザーをメインターゲットとした製品となっている。そして、そういった“プロジェクター初心者”でも大画面の楽しさが満喫できるよう、随所に様々な工夫が凝らされているのだ。
このあたりは、本格ホームシアター向けからオフィス用まで、様々なプロジェクター製品をラインナップするエプソンだからこそのクオリティなのだろう。オフィス用プロジェクターの外観に化粧を施しただけの安易なモデルとは一線を画す、使い勝手の良さとホームシアター向けに最適な映像センスを持ち合わせているのだ。
そういったコンセプトの巧みさ、クオリティの高さは、ディテールを見ていくことでさらにわかる。本体は3LCD方式の液晶パネルを搭載しつつも、325W×77H×243Dmmというコンパクトなボディサイズを実現。コストパフォーマンスの側面から解像度はWXGA(1280×800画素)となっているが、入力は1080/60pに対応、HDMI端子でプレーヤーやゲーム機と接続するだけですぐに使いはじめられるよう配慮されている。一方で、3Dコンテンツに対応している点も、エントリークラスの製品としては魅力度が高い(3Dメガネはオプション)。
コンパクトながら様々な機能と使い勝手が詰まっている
さらに設置性についても、よく考えられている。光学1.2倍対応のズームレンズを採用し、80型でおよそ2.31mから2.78mまでの投写距離幅を確保しているほか、縦方向の台形歪みを自動補正し、横方向の台形歪みをレバー操作で補正する「ピタッと補正」機能も搭載。設置時の映像調整が、かなり手軽に行える点も嬉しい。
また、肝心の映像クオリティに関しては、オプションで用意されるアクティブシャッター方式の3Dメガネ「ELPGS03」を活用することで、BDビデオやゲームなどの3Dコンテンツが楽しめるほか、赤・緑・青合計3色の液晶パネルを搭載する「3LCD方式」を採用することで、色再現性と階調性においても優位性を示している。
そして最大のメリットといえるのが、その明るさだ。「3LCD方式」の液晶パネルに加えて、エプソン独自の多重反射式ランプ「E-TORL」なども採用することによって、2,700ルーメンもの明るさを実現。部屋の照明を落とさなくても、鮮やかな映像を投影できるようになっている。映画をじっくり見るだけでなく、友達などを集めて、明るい部屋で大人数でゲームをしたりするシチュエーションも考えられるエントリークラスの製品としては、かなり優位なポイントといえる。
このほかにも、本体にスピーカーを内蔵し、プロジェクターだけで音声も楽しめたり、「USBディスプレイ」機能を使えばUSBケーブル1本でコンピューターと接続して映像・音声を投写することもできたりと、ビジネス用途も含めた利用方法はかなり幅広い。エントリークラスだからこその多様性なのだろうが、逆にエントリーユーザーに限定してしまうのはもったいないと思えるほどの完成度だ。製品コンセプトが実に良く練り上げられている。
驚くほど「明るい映像」 ー 3D映画もゲームもこの一台で満喫
さて、ここからは実際のユーザビリティについて感想を述べていこう。
まず、今回の取材ではリビングへの設置をユーザーケースに想定し、「EH-TW510S」をローテープルにポンと置いて画面調整を行ってみたのだが、確かに設定も非常に手軽だ。本体前方に用意されている本体角度調整用の脚を延ばすと、その高さに合わせて縦方向の台形を自動調整してくれるので、画面調整も手間いらずだ。一方、横方向の台形調整は手動で行うかたちになる。あとはスクリーンを見ながら、本体の位置を微調整して最適な表示位置を合わせこむだけ。これぞ、コンパクト&軽量な本体をもつ「EH-TW510S」だからこそ可能な使いこなしだ。
映像の位置だけでなく、色合いの調整もかなりスムーズに行えた。こういったクラスの製品は、概してエッジの強さばかりが目立つ傾向にあり、自然な色合いを作り出すのに結構苦労するのだが、「EH-TW510S」はもともと色ノリの良い、比較的細やかな階調表現を持つ画がはじめから作り上げられているので、あとは環境に合わせて色合いを仕上げていくだけで済む。
また、デフォルトで「ダイナミック」「リビング」「シネマ」「ゲーム」「3Dシネマ」「3Dダイナミック」などの映像設定が用意されている。ユーザーが利用するシチュエーションがよく想定・考慮されているためか、なかなかに使い勝手が良かった。
特に今回本機を取材したような、ロールカーテンを閉めただけの比較的明るい空間でも、「リビング」モードで十分に楽しめる明るさが確保されている。しかも、映像には明るい画面設定にありがちな階調表現の単調さがなく、思ったよりもきめ細かい表現ができている。
そういった明るさのアドバンテージは、3Dコンテンツを見ているときにも実感できた。「EH-TW510S」の3D表示はフレームパッキング、サイドバイサイド、トップアンドボトムに対応する。アクティブ3Dメガネによるフレームシーケンシャル方式の3D表示は、その仕組みから映像が暗めになりがちだが、本機の場合はそもそもの明るさ性能が高いため、3D視聴の際にも十分な明るさが確保できているのだ。そのため、今回のBDディスクの取材では「3Dダイナミック」を使う必要もなく、「3Dシネマ」で十分な明るさが得られた。プロジェクターにとって「映像が明るい」ということが、とてつもないアドバンテージになることを強く実感できた。
また、BDビデオの視聴に続き、今回はマイクロソフト「Xbox 360 + Kinect」をつないでゲームコンテンツも遊んでみたのだが、これぞ「EH-TW510S」の真骨頂といえる楽しさだった。直射日光のみを遮った昼間のリビングで、メイン照明を点けない程度の対応しかしていなくても、映像がしっかりと映し出されてくれるため、スクリーンに映し出した画面を見ながら、家族で皆でパーティーゲームを行う、というような使い方ができるのだ。
こんなに大画面が満喫できて、しかも手軽な本体サイズとコストパフォーマンスの良好さを実現した液晶プロジェクターは、そうそうない。液晶プロジェクターというと、本体設置や映像設定が大変、部屋を暗くしなければ十分に楽しめないなど、仰々しいイメージがどうしてもまとわりつくが、「EH-TW510S」に関してはそういったマイナス面をことごとく払拭する、ユーザビリティの高さとコンセプトの明快さがある。エントリーユーザに諸手を挙げて推薦できる、優れたモデルであることは確証しよう。
【EH-TW510S/SPEC】
<プロジェクター>●方式:3LCD ●液晶パネル:0.59型ワイドポリシリコンTFT液晶パネル(16対10) ●画素数:1280×800画素 ●ダイナミックコントラスト:4500対1 ●明るさ:2700ルーメン ●3D対応:フレームパッキング/サイドバイサイド/トップアンドボトム ●内蔵スピーカー:2W ●光学ズーム倍率:1.2倍 ●投写サイズ:33〜318型 ●100型投写距離:289cm ●光源:200W E-TROL UHEランプ ●映像入力:HDMI、コンポジット、S映像、ミニD-sub 15pin ●制御入力:USB-B端子 ●USBストレージ:USB-A端子 ●音声入力:RCA×2 ●スピーカー:2W×1 ●消費電力:289W(明るさ切替「高」) ●騒音値:29dB ●外形寸法:325W×77H×243Dmm ●質量:2.7kg
<ワイドスクリーン>●外形寸法:1831W×1066Hmm(幕面)、380Dmm(スタンド奥行き)、450mm(スタンド横幅) ●設置時高さ:最大1840mm(床面から)、白面下端 可変300〜800mm ●質量:約3.3kg(スクリーン部約1.9kg)
【問い合わせ先】
エプソン 液晶プロジェクター インフォメーションセンター
TEL/050-3155-7010
◆野村ケンジ プロフィール
ホームシアターやヘッドホン、音楽関連、カーAVなどの記事を中心に執筆活動を展開している。100インチスクリーン+TADスピーカーで6畳間極小ホームシアターを実践。さらに現在はステレオと7.1chの同居計画が進行中。好きなクルマはアルファ・ロメオなどのイタフラ系。