「SE215」との比較もアリ
【レビュー】本日発売!5,000円のSHUREイヤホン「SE112」の実力をチェック
SHUREのイヤホンラインナップに、その裾野を大きく広げるエントリーモデルが追加される。実売5,000円程度と予想される「SE112」だ。
ドライバーは「ダイナミック型MicroDriver」を搭載。同じくダイナミックドライバー搭載モデルである「SE215」のそれと全く同じものではないが、技術や音作りの方向性は共通しているという。
装着性の面には特に大きなポイントがある。本機はケーブルを耳の上に回す「シュア掛け」を基本にしつつ、上下を逆にしてケーブルをそのまま下に垂らす装着方法も可能なのだ。ノズルの角度設定が絶妙で、どちらの装着方法でも違和感がない。ケーブルのタッチノイズを低減したい場面では前者、さっと着け外ししたい場面では後者と使い分けられる。
ケーブルといえば、本機は他の現行SEシリーズとは異なり、着脱式ではなく直付け。ここは単にコスト等の問題だろう。一方でプラグ部分は、超ハイエンド機「SE846」とも同じものに見える。ケーブル交換をできない本機では特に気になる、断線しやすいその部分の耐久性を期待できそうだ。
イヤーピースはシリコン製のソフト・フレックス・イヤパッドのみの付属だが、それでも総合的・実質的な遮音性はこの価格帯でトップ級。屋外ではまずは遮音性が確保されていないことには音質も何もあったもんじゃないという部分もあるわけだが、そこは万全だ。
なお保証はできないが僕が試した範囲では、イヤーピースは他のSEシリーズと互換性あり。ソフト・フォーム・イヤパッドを装着して遮音性をさらに高めることもできた。
■気になるその音質は?
音質傾向は、「SE215」と共通する要素を持っている。「SE215」の厚みのある低音とウォームな感触に対して、こちらはもう少しすっきりとした音像と空間表現、スピード感といった要素が強まる。
例えばDaft Punk「Get Lucky」は、「SE215」で聴くとどっしりとした重量感のあるグルーヴが強まる。対して「SE112」だと低音がすっきりすることでギターのカッティングなどが埋もれずに際立ち、細かなリズムが立ってくれる印象だ。
なお「低音すっきり」は低音をかなりしっかり出す部類の「SE215」と比べての話。遮音性も含めて、本機の低音で十分満足できる方も多いだろう。
ボーカル等の描写の細やかさも、もちろんハイエンド機には及ばないまでも、倍近い価格の「SE215」に遜色のないレベルだ。
改めて価格を思い出すと、本機のコストパフォーマンスには驚きの一言しかない。この価格帯に求められる基準を一気に引き上げる新モデルと言えるだろう。この価格帯全体の底上げの呼び水となってくれそうだという意味からも、大いに期待したい。
(高橋 敦)
製品情報&レビュー満載!「SHURE COLLECTION」
気になるSHURE製品のクオリティはここでチェック!
http://www.phileweb.com/shure/
ドライバーは「ダイナミック型MicroDriver」を搭載。同じくダイナミックドライバー搭載モデルである「SE215」のそれと全く同じものではないが、技術や音作りの方向性は共通しているという。
装着性の面には特に大きなポイントがある。本機はケーブルを耳の上に回す「シュア掛け」を基本にしつつ、上下を逆にしてケーブルをそのまま下に垂らす装着方法も可能なのだ。ノズルの角度設定が絶妙で、どちらの装着方法でも違和感がない。ケーブルのタッチノイズを低減したい場面では前者、さっと着け外ししたい場面では後者と使い分けられる。
ケーブルといえば、本機は他の現行SEシリーズとは異なり、着脱式ではなく直付け。ここは単にコスト等の問題だろう。一方でプラグ部分は、超ハイエンド機「SE846」とも同じものに見える。ケーブル交換をできない本機では特に気になる、断線しやすいその部分の耐久性を期待できそうだ。
イヤーピースはシリコン製のソフト・フレックス・イヤパッドのみの付属だが、それでも総合的・実質的な遮音性はこの価格帯でトップ級。屋外ではまずは遮音性が確保されていないことには音質も何もあったもんじゃないという部分もあるわけだが、そこは万全だ。
なお保証はできないが僕が試した範囲では、イヤーピースは他のSEシリーズと互換性あり。ソフト・フォーム・イヤパッドを装着して遮音性をさらに高めることもできた。
■気になるその音質は?
音質傾向は、「SE215」と共通する要素を持っている。「SE215」の厚みのある低音とウォームな感触に対して、こちらはもう少しすっきりとした音像と空間表現、スピード感といった要素が強まる。
例えばDaft Punk「Get Lucky」は、「SE215」で聴くとどっしりとした重量感のあるグルーヴが強まる。対して「SE112」だと低音がすっきりすることでギターのカッティングなどが埋もれずに際立ち、細かなリズムが立ってくれる印象だ。
なお「低音すっきり」は低音をかなりしっかり出す部類の「SE215」と比べての話。遮音性も含めて、本機の低音で十分満足できる方も多いだろう。
ボーカル等の描写の細やかさも、もちろんハイエンド機には及ばないまでも、倍近い価格の「SE215」に遜色のないレベルだ。
改めて価格を思い出すと、本機のコストパフォーマンスには驚きの一言しかない。この価格帯に求められる基準を一気に引き上げる新モデルと言えるだろう。この価格帯全体の底上げの呼び水となってくれそうだという意味からも、大いに期待したい。
(高橋 敦)
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