PR上位機Confidenceに迫る表現力を獲得
待望のDYNAUDIO「Contour 60i」、正確な音像定位と立体的な音場でアーティストの真の姿を蘇らせる
ディナウディオの中核ラインアップContour(コンター)の第3世代シリーズ「Contour i」のトップモデルである「Contour 60i」が発売となった。巨大測定システムJupiterの完成を受け、根本から設計を見直し、最新の研究成果が導入されている注目モデルである。
ディナウディオは1977年の設立時から、自社でユニットからエンクロージャーまで設計・開発を行い製造している老舗スピーカー専業メーカーである。そんな同社の中核を担うContourシリーズが2016年に一新されたのは記憶に新しい。その4年後の2020年にリファインされたContour iシリーズが登場したが、最上位機のContour 60iは今日まで待たなければならなかった。
同シリーズも有限要素法による最適化技法を駆使して設計されているという。本機は2本の23cm口径ウーファー、15cmミッドレンジユニット、28mm口径ドーム型トゥイーターで構成される3ウェイ4スピーカーのバスレフ型トールボーイ機だ。
搭載ユニットは外観的に変化がないように見受けられるが、全て新規に開発されている。トゥイーターは、Esotar2を改良したEsotar2iとなっている。この新型トゥイーターは上位シリーズConfidenceで培った技術を継承している。通常のファブリック・ドームの背面に、独創的なHexisと呼ばれるインナードームを備えることで、背圧の影響を排除し、共鳴を打ち消すとともに歪みを軽減。平坦な周波数レスポンスを得るため、より大きなチャンバーを確保したという。
さらに通気や放熱効果を高め、パワーハンドリングを向上させている。これにより耐入力と周波数特性が向上するという。ネオジムを搭載した磁気回路も強化することで、反応と高域特性を向上させると同時に低歪み化を果たしたという。
23cmウーファーはMSP(Magnesium Silicate Polymer=ケイ酸マグネシウムポリマー)振動板だが、ダイヤフラムを支持するダンパーがNomex製に変更されている。さらに磁気回路の強化やボイスコイルの改良、グラスファイバー・ボビンを投入することで感度を高めたという。
ミッドレンジユニットはエンクロージャー内部に設けた専用の共鳴低減キャビティに収めることで、ウーファーの振動による共振を防ぎ、クリアなサウンドを実現した。
2016年のContourシリーズでは、同社が誇る巨大測定施設Jupiterは未完であったが、今回iシリーズでは同施設を駆使して細部まで解析しているようだ。本機では新しいウーファーとEsotar2iトゥイーターのために、新しいネットワーク回路を搭載している。ミッドレンジユニットを収めたキャビティとNomexウーファーダンパーの効果で、クロスオーバー周波数を300Hzまで高めたという。
そしてミッドレンジは4.5kHzまでを受け持つ設定となり、従来以上に滑らかな特性を実現している。ミッドレンジの性能向上により、ネットワークの簡素化も可能となったという。構成部品は高品質で知られるMundorf製キャパシターをはじめ高品位パーツが投入されている。
多層MDFで構成されるエンクロージャー内部のブレーシングとダンピング材の見直しも図られている。そしてフロント側は板厚を2倍にすることで高剛性化され、エンクロージャーの共振を徹底的に抑え込んでいる。同シリーズでは家具と同等のグレードの仕上げと構造を目指したという。
同社のチームは、ペアとしての均一性を確保するため、最長3週間を費やして2本のスピーカーの曲線状成形、サンドペーパー研磨、ポリシングを施しているという。フロントバッフルは通常はブラックバッフル/ダークドライバーだが、シルバーグレイバッフル/ライトドライバーを選択することが可能だ。
ベースの脚部は、ゴム足仕様とスパイク仕様を使い分けることができる。またフィートと接続端子にも特別仕様が用意されているが、いずれも特注価格と納期でのオプションとなる。
本機は4スピーカー3ウェイの大型機だが、ネットワークの設計が巧妙なのだろう、マルチウェイ機のデメリットを感じさせない繋がりの良いサウンドが聴ける。
全帯域のサウンドがあたかも15cm口径中域ユニットから放射されているような、鮮明かつ正確な音像定位と三次元的に広がる立体感のある音場が得られるのは、位相特性も優れているからだろう。23cm口径ウーファー2本がボトムエンドを受け持つだけに、28Hzという超低域までフラットな周波数特性を確保し、ハイエンドまでスムーズな特性を実現しているのが素晴らしい。
オーディオファンが憧れる38cm口径のダブルウーファーシステムで実現するとなると、450〜500リットルの容積を確保した強固で重いエンクロージャーが必須なので、それを考えたら本機は十分に実用的なシステムといえる。
再生帯域内のバランスも良好で、色づけのないナチュラルな質感が得られ、アーティストの真の姿や個々の楽音をありのままに蘇らせる情報量が確保されている。大編成オーケストラのトゥッティは壮大なスケール感が得られ、より大型のシステムなのではと思えてくる。再生帯域全般にわたって高い解像度が確保され、ディテールも克明に描写するが、音楽を分析的に聴かせることがなく適度な温度感を伴った生き生きとした演奏が展開されるのも好ましい。フュージョン系ソフトのエネルギー感のある超低域成分もブーミングを強めず、素早く立ち上がり正確に制動する。
同シリーズのトップエンド機だけに上位シリーズConfidenceに迫るパフォーマンスを秘めたシステムといえるだろう。
(提供:DYNAUDIO JAPAN)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.185』からの転載です
中核シリーズの最上位機ユニットは全て新規開発
ディナウディオは1977年の設立時から、自社でユニットからエンクロージャーまで設計・開発を行い製造している老舗スピーカー専業メーカーである。そんな同社の中核を担うContourシリーズが2016年に一新されたのは記憶に新しい。その4年後の2020年にリファインされたContour iシリーズが登場したが、最上位機のContour 60iは今日まで待たなければならなかった。
同シリーズも有限要素法による最適化技法を駆使して設計されているという。本機は2本の23cm口径ウーファー、15cmミッドレンジユニット、28mm口径ドーム型トゥイーターで構成される3ウェイ4スピーカーのバスレフ型トールボーイ機だ。
搭載ユニットは外観的に変化がないように見受けられるが、全て新規に開発されている。トゥイーターは、Esotar2を改良したEsotar2iとなっている。この新型トゥイーターは上位シリーズConfidenceで培った技術を継承している。通常のファブリック・ドームの背面に、独創的なHexisと呼ばれるインナードームを備えることで、背圧の影響を排除し、共鳴を打ち消すとともに歪みを軽減。平坦な周波数レスポンスを得るため、より大きなチャンバーを確保したという。
さらに通気や放熱効果を高め、パワーハンドリングを向上させている。これにより耐入力と周波数特性が向上するという。ネオジムを搭載した磁気回路も強化することで、反応と高域特性を向上させると同時に低歪み化を果たしたという。
23cmウーファーはMSP(Magnesium Silicate Polymer=ケイ酸マグネシウムポリマー)振動板だが、ダイヤフラムを支持するダンパーがNomex製に変更されている。さらに磁気回路の強化やボイスコイルの改良、グラスファイバー・ボビンを投入することで感度を高めたという。
ミッドレンジユニットはエンクロージャー内部に設けた専用の共鳴低減キャビティに収めることで、ウーファーの振動による共振を防ぎ、クリアなサウンドを実現した。
新規ユニットのための新クロスオーバー搭載
2016年のContourシリーズでは、同社が誇る巨大測定施設Jupiterは未完であったが、今回iシリーズでは同施設を駆使して細部まで解析しているようだ。本機では新しいウーファーとEsotar2iトゥイーターのために、新しいネットワーク回路を搭載している。ミッドレンジユニットを収めたキャビティとNomexウーファーダンパーの効果で、クロスオーバー周波数を300Hzまで高めたという。
そしてミッドレンジは4.5kHzまでを受け持つ設定となり、従来以上に滑らかな特性を実現している。ミッドレンジの性能向上により、ネットワークの簡素化も可能となったという。構成部品は高品質で知られるMundorf製キャパシターをはじめ高品位パーツが投入されている。
多層MDFで構成されるエンクロージャー内部のブレーシングとダンピング材の見直しも図られている。そしてフロント側は板厚を2倍にすることで高剛性化され、エンクロージャーの共振を徹底的に抑え込んでいる。同シリーズでは家具と同等のグレードの仕上げと構造を目指したという。
同社のチームは、ペアとしての均一性を確保するため、最長3週間を費やして2本のスピーカーの曲線状成形、サンドペーパー研磨、ポリシングを施しているという。フロントバッフルは通常はブラックバッフル/ダークドライバーだが、シルバーグレイバッフル/ライトドライバーを選択することが可能だ。
ベースの脚部は、ゴム足仕様とスパイク仕様を使い分けることができる。またフィートと接続端子にも特別仕様が用意されているが、いずれも特注価格と納期でのオプションとなる。
鮮明かつ正確な音像定位と三次元的に広がる音場
本機は4スピーカー3ウェイの大型機だが、ネットワークの設計が巧妙なのだろう、マルチウェイ機のデメリットを感じさせない繋がりの良いサウンドが聴ける。
全帯域のサウンドがあたかも15cm口径中域ユニットから放射されているような、鮮明かつ正確な音像定位と三次元的に広がる立体感のある音場が得られるのは、位相特性も優れているからだろう。23cm口径ウーファー2本がボトムエンドを受け持つだけに、28Hzという超低域までフラットな周波数特性を確保し、ハイエンドまでスムーズな特性を実現しているのが素晴らしい。
オーディオファンが憧れる38cm口径のダブルウーファーシステムで実現するとなると、450〜500リットルの容積を確保した強固で重いエンクロージャーが必須なので、それを考えたら本機は十分に実用的なシステムといえる。
再生帯域内のバランスも良好で、色づけのないナチュラルな質感が得られ、アーティストの真の姿や個々の楽音をありのままに蘇らせる情報量が確保されている。大編成オーケストラのトゥッティは壮大なスケール感が得られ、より大型のシステムなのではと思えてくる。再生帯域全般にわたって高い解像度が確保され、ディテールも克明に描写するが、音楽を分析的に聴かせることがなく適度な温度感を伴った生き生きとした演奏が展開されるのも好ましい。フュージョン系ソフトのエネルギー感のある超低域成分もブーミングを強めず、素早く立ち上がり正確に制動する。
同シリーズのトップエンド機だけに上位シリーズConfidenceに迫るパフォーマンスを秘めたシステムといえるだろう。
(提供:DYNAUDIO JAPAN)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.185』からの転載です