かのジョージ・ルーカスは、「映像と音声は50:50でなくてはならない」と唱え、貧弱だった映画館の音響クオリティを一定水準以上に引き上げるためにTHXを生み出した。音の大切さを示す金言と言えよう。
薄型テレビ時代を迎え、高精細、高画質、低消費電力と、全てが進化したかのようだが、実は、その薄さゆえに音質が犠牲になった。一般的に低音の迫力は、十分な容量と強度を持ったスピーカーボックスが必要となる。技術開発が進んだ結果、一昔前に比べれば薄型テレビの音質は随分向上したが、それ以上に薄型化するテレビのトレンドについて行けていないのが現状だ。シアターラックと呼ばれる、テレビ台の形をしたホームシアターシステムが人気だが、裏を返せばテレビの音が貧弱という証でもある。本音を言えば、テレビ本体の音質が高ければ、壁掛けでも良い音が楽しめるわけで、それに越した事は無い。
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